屋根塗装の足場代はいくら?種類別単価と足場なし施工の条件
屋根塗装の見積もりで足場代が15万円や20万円と書かれていると、屋根だけなのに本当に必要なのか、はしごで済ませられないのかと疑問に感じる方は多いはずです。また、急勾配の住宅では「屋根足場」が追加され、会社ごとの見積額が大きく違うこともあります。
この記事では、足場の種類ごとの単価の目安、屋根勾配と屋根足場の要否、労働安全衛生規則が定める墜落防止の基準、足場なし施工が成り立つ条件を整理します。足場代の見積もりで業者ごとに差が出る項目(面積の取り方、屋根足場の要否、単価に含まれる範囲)も具体的に解説します。
足場を含む完成条件で見積もりを比較
外壁塗装見積ナビでは、建物の高さ、屋根勾配、敷地条件を伝え、複数の施工店へ見積もりを依頼できます。足場の範囲と屋根工事の内容をそろえて比較しましょう。
屋根塗装の足場代の目安と種類別の単価
まず全体の金額感をつかみ、次に自宅の条件で増減する項目を確認する順で読んでください。延床30坪前後の2階建てでは、外周足場と飛散防止シートで15万~25万円、急勾配の場合の屋根足場で5万~20万円が目安です(税込、2026年9月時点の目安)。足場の種類ごとの単価と適用範囲は次のとおりです。単価は施工店の見積もりで見かける目安で、地域、運搬距離、工期で変わります。
| 足場の種類 | 単価の目安(税込) | 適用される現場 | 見積もりで確認する点 |
|---|---|---|---|
| くさび緊結式足場(ビケ足場) | 700~1,000円/㎡ | 戸建て塗装の標準。部材をくさびで固定し作業床を設ける | 組立て・解体、運搬、昇降階段を含むか |
| 単管ブラケット足場 | 700~1,100円/㎡ | 隣家との隙間が狭く、くさび式が組めない部分 | 作業床の幅と手すりの有無 |
| 飛散防止シート(メッシュシート) | 100~200円/㎡ | 外周足場に張り、洗浄水と塗料の飛散を抑える | 足場単価に含むか別計上か |
| 屋根足場 | 5万~20万円(一式) | 勾配6寸以上など急勾配の屋根面 | 対象面と数量、必要と判断した勾配 |
| 足場なし(親綱・墜落制止用器具) | 安全設備と人員で別途計上 | 足場の設置が困難な短時間作業(厚生労働省の作業標準マニュアル) | 安全設備の名称、対象範囲、飛散対策 |

足場面積は「(建物の外周+8m)×建物の高さ」で概算します。たとえば外周36m、高さ6mなら(36+8)×6=264㎡、単価800円とシート150円なら264㎡×950円=250,800円です。足場面積の計算方法は外壁塗装の足場代、屋根塗装全体の費用は屋根塗装の費用相場で解説しています。

屋根塗装に足場が必要な法的根拠と施主が確認すること
「屋根工事に足場は法律で必要か」という疑問には、労働安全衛生規則の条文で答えられます。この規則は事業者(施工会社)に義務を課すもので、施主が守る法令ではありませんが、施工会社の安全計画が基準に沿っているかを確認する材料になります。屋根塗装に関係する主な条文は次のとおりです。
| 条文 | 内容の要旨 | 屋根塗装での意味 |
|---|---|---|
| 第518条 | 高さ2m以上で墜落のおそれがある作業には、足場を組むなどして作業床を設ける。困難な場合は防網や要求性能墜落制止用器具などの措置をとる | 2階建ての軒先は6m前後。外周足場が基本で、足場なしには代替措置が必要 |
| 第519条 | 高さ2m以上の作業床の端や開口部には囲い、手すり、覆いを設ける | 足場の作業床には手すりが必要 |
| 第521条 | 墜落制止用器具を使わせるときは、安全に取り付ける設備を設け、随時点検する | 屋根上で親綱や支点を使う計画があるか |
| 第524条 | スレートなどの屋根で踏み抜きのおそれがあるときは、幅30cm以上の歩み板や防網を設ける | 劣化したスレート屋根では歩み板の計画が必要 |
| 第526条 | 高さ1.5mを超える箇所の作業には、安全に昇降する設備を設ける | 足場の昇降階段やはしごの固定 |
| 第565条 | 高さ5m以上の足場の組立て・解体には、技能講習を修了した作業主任者を選任する | 2階建ての足場は5mを超えるため作業主任者が必要 |
| 第567条 | 足場での作業前に墜落防止設備を点検し、強風・大雨・地震の後や組立て・変更の後にも点検する | 台風や強風の後に誰が点検するかを確認 |

出典は労働安全衛生規則(e-Gov法令検索)です。施主が条文を覚える必要はありませんが、「足場の作業床に手すりがあるか」「悪天候の後に点検するか」「屋根上で墜落制止用器具の取付設備を使うか」の3点を施工会社に質問すると、安全計画の具体性が分かります。
屋根勾配と屋根足場の要否を確認します
屋根足場は、急な勾配の屋根面に沿って足掛かりとなる部材を組む設備です。外周足場を設けても、急勾配の屋根上で安定して作業できるとは限らないため、屋根形状や勾配によって外周足場に加えて必要になります。勾配は「寸」で表し、水平10に対して垂直方向へ何寸上がるかを示します。
| 屋根勾配 | 角度の目安 | 屋根足場の要否の傾向 | 費用への影響 |
|---|---|---|---|
| 3寸以下(緩勾配) | 約17°以下 | 通常は不要。金属屋根は滑りやすく、朝露や洗浄水に注意 | 外周足場のみ |
| 4~5寸(一般的) | 約22~27° | 外周足場が基本。屋根材と作業内容で判断 | 外周足場のみのことが多い |
| 6寸以上(急勾配) | 約31°以上 | 屋根足場を計画する施工店が多い | 屋根足場5万~20万円を加算 |
| 8寸以上(急勾配) | 約39°以上 | 屋根足場がほぼ必須。作業効率が下がり工賃も増える | 屋根足場に加え、塗装単価の上乗せ |

角度は勾配から三角関数で求めた計算値です。施工店によって「6寸以上で必須」など基準が異なるため、見積書に屋根足場がある場合は、対象面、面積または数量、必要と判断した勾配や形状を聞きましょう。逆に、急勾配なのに屋根足場がない見積もりでは、どのように屋根上で作業するのかを確認してください。屋根の勾配は図面(立面図・矩計図)に記載があり、施工店の現地調査でも測れます。
足場代の見積もりで業者差が出る項目
同じ住宅でも、足場代は会社によって数万円から10万円以上違うことがあります。差の理由は値引きではなく、面積の取り方、屋根足場の要否判断、単価に含まれる範囲の3つです。安いほうへ即決せず、次の項目で各社の前提をそろえてください。
| 業者差が出る項目 | 差が生まれる理由 | そろえ方 |
|---|---|---|
| 足場面積の取り方 | 外周に加える距離(8mが一般的)、下屋・張り出し・バルコニーの扱い、高さの取り方が会社で異なる | 計算式または足場配置図を出してもらう |
| 屋根足場の要否 | 勾配の基準(6寸、7寸など)と屋根材の判断が会社で異なる | 勾配の数値と判断理由を書面で確認する |
| 単価に含む範囲 | 運搬、組立て・解体、昇降階段、飛散防止シート、存置期間の延長を含む会社と別計上の会社がある | 「一式」の内訳を項目ごとに分ける |
| 道路・隣地の条件 | 道路占用・使用許可、警備員、隣地使用、小運搬を諸経費に含むかが異なる | 現地調査後に追加条件を書面に残す |
| 自社保有か外注か | 保有会社は表示単価が低いことがあるが、責任分担が異なる | 組立てを行う会社と損害時の窓口を確認する |

たとえばA社が足場200㎡×800円=16万円、B社が240㎡×750円=18万円の場合、単価はB社が安く、面積の取り方で総額が逆転しています。屋根塗装の面積と足場面積を取り違えていないかも確認してください。極端に安い足場費では、建物の一面が未設置、屋根足場や飛散防止が別途、追加費用が後から発生する条件になっていないかを見ます。反対に高い提案では、急勾配、3階部分、搬入困難など他社が見落とした条件が含まれていることもあります。説明を受けても判断できない場合は、住宅リフォーム・紛争処理支援センターの見積もり相談窓口も選択肢になります。
足場なしで屋根塗装できる条件と確認事項
「足場なしで安く塗装できる」という提案は、足場なしという言葉だけで危険と断定するのではなく、どの作業をどの位置で行い、墜落と飛散をどう防ぐのか具体的な計画を確認します。厚生労働省は「足場の設置が困難な屋根上作業」向けに、親綱や支柱などの安全設備を設置する作業標準マニュアルを公開しています。ただし、これは無対策で足場を省略する根拠ではなく、別の墜落防止計画が必要であることを示すものです。
| 足場なしが成り立つ条件 | 成り立たない例 |
|---|---|
| 地上から作業できる下屋や庇など、高さ2m未満の小面積 | 2階建ての主屋根の全面塗装 |
| 親綱、支柱、墜落制止用器具の取付設備を設置し、作業者が特別教育を受けている | はしごを掛けて屋根上を自由に歩く計画 |
| 隣家と離れており、洗浄水と塗料の飛散をシートなしで管理できる | 隣家や道路が近く、飛散防止の手段がない |
| 点検や部分補修など短時間で終わる作業 | 洗浄、下地処理、3回塗りを伴う全面塗装 |

ロープアクセスなど専門的な方法もありますが、屋根材の全面洗浄、下地処理、材料運搬、均一な塗装、端部の補修を無理なく行えるかが判断点です。足場を省いた場合、安全設備の名称、対象範囲、費用を見積書に載せてもらい、近隣の車に塗料が付着した場合の連絡・補償体制と請負業者賠償責任保険も確認します。安全対策に費用がかかるため、足場を使わない提案が大幅に安くなるとは限りません。
外壁塗装と同時なら足場代は一回で済みますか
屋根と外壁を同時に施工すれば、通常は建物周囲の足場を共用できます。別々の時期にそれぞれ足場を組むより、組立て・解体の回数を1回減らせるため、外周足場15万~25万円程度の削減が見込めます。ただし、屋根足場、工期延長、施工範囲の増加は別に費用が発生するため、足場が無料になるという意味ではありません。
同時施工に向くのは、屋根と外壁の両方にメンテナンスが必要で、次回更新時期も近づけられる場合です。屋根は外壁より紫外線と熱の影響が大きく、同じ塗料名でも次回時期が同じとは限りません。外壁がまだ健全なのに足場代だけを理由として早く塗ると、不要な工事費が増えます。屋根の塗り替え時期の見極めは屋根塗装の時期、同時施工の総額は外壁と屋根の塗装費用で比較しています。
足場共用による差額を見るには、各工事単独の見積もりと同時施工の見積もりを同じ会社から出してもらう方法があります。共通仮設費がどこで減り、屋根足場や追加養生がどこに残るか明確になります。「セット割引」の金額だけではなく、工事項目が省かれていないかも確認しましょう。
足場設置前から解体までに施主が確認すること
現地調査では、建物外周を施工会社と一緒に確認します。境界、隣家との隙間、カーポート、物置、植栽、エアコン室外機、給湯器、電線、アンテナを写真に残してください。移動・撤去する物と、養生して残す物を決め、作業の担当と費用を見積書へ反映します。隣地へ入る、越境して足場を設ける、道路を一時使用する可能性があれば、必要な承諾や手続きを着工前に済ませます。
工事中は、施工会社が作業開始前、組立て・変更後、悪天候後に足場を点検します(労働安全衛生規則第567条)。台風や強風の予報時には、飛散防止シートを畳む、資材を固定するなどの対応が必要です。施主が自分で足場へ上らず、緊急連絡先へ依頼してください。足場がある期間の防犯対策は外壁塗装の足場と防犯にまとめています。
足場解体前は屋根塗装の最終確認を行う重要な時点です。施主自身が屋根へ上る必要はありません。施工前、洗浄後、補修後、下塗り後、上塗り後を同じ位置で撮った写真を受け取り、塗り残し、補修、縁切りや錆処理など契約した工程を確認します。解体後には外壁、雨どい、カーポート、植栽の傷と清掃状態を地上から見て、完成書類、保証書、工程写真を受け取って保管しましょう。
よくある質問
屋根塗装の足場代はいくらが目安ですか
延床30坪前後の2階建てで、外周足場と飛散防止シートで15万~25万円が目安です(税込、2026年9月時点)。急勾配で屋根足場が必要な場合は5万~20万円が加わります。金額は足場面積、単価に含む範囲、道路や隣地の条件で変わるため、面積の計算式と内訳を確認してください。
屋根工事に足場は法律で義務付けられていますか
労働安全衛生規則第518条は、高さ2m以上で墜落のおそれがある作業に作業床の設置を事業者へ義務付けており、困難な場合は防網や墜落制止用器具などの措置を求めています。施主に課された義務ではありませんが、施工会社の安全計画がこの基準に沿っているかを確認する材料になります。
平屋の屋根塗装でも足場は必要ですか
平屋でも軒先の高さは2mを超えるため、墜落、飛散、安全な昇降への対策が必要です。建物の高さだけで不要とは判断できません。屋根勾配、軒の高さ、敷地、施工範囲から足場または別の安全設備を施工会社に計画してもらい、その根拠を確認してください。
屋根足場が追加される勾配は何寸からですか
何寸以上なら全国一律で必須という基準はありません。6寸(約31°)以上で屋根足場を計画する施工店が多いものの、屋根材の滑りやすさ、形状、作業内容、外周足場との関係で判断が変わります。見積もりには対象面と必要理由を記載してもらいましょう。
足場の見積もり単価はいくらが妥当ですか
くさび緊結式足場で700~1,000円/㎡、飛散防止シートで100~200円/㎡が目安です。ただし、単価に運搬、組立て・解体、昇降階段を含むかで比較の意味が変わります。単価だけでなく、足場面積の計算式と含まれる項目をそろえてから各社を比べてください。
足場代無料という見積もりは本当に無料ですか
値引きや自社保有によって表示上0円になることはありますが、足場の設置には部材、運搬、組立て、解体、人員が必要です。工事総額と施工範囲を他案と比べ、塗装工程へ費用が移っていないか、安全設備が省かれていないか確認してください。
まとめ
屋根塗装の足場代は、30坪前後の2階建てで外周足場と飛散防止シートが15万~25万円、急勾配なら屋根足場が5万~20万円加わるのが目安です。労働安全衛生規則は高さ2m以上の作業に作業床を求めており、足場なしの提案では代わりとなる安全設備、全面の下地処理、飛散防止をどう実現するか具体的に確認してください。
見積もりで業者差が出るのは、足場面積の取り方、屋根足場の要否判断、単価に含む範囲の3点です。計算式、勾配の数値、一式の内訳をそろえて比較しましょう。外壁との同時施工は足場を共用できますが、両方に工事が必要かを診断してから判断します。
外壁塗装見積ナビでは、住宅と屋根の条件を伝え、足場を含む複数の見積もりを取得できます。足場面積、安全設備、屋根足場の有無、塗装範囲を比較し、安全性と費用の根拠が分かる提案を選びましょう。