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COLUMN

外壁塗装の費用・塗料・業者選びをわかりやすく解説

外壁塗装の塗料比較|種類・価格・耐用年数の一覧と選び方

外壁塗装の塗料を比較|種類・価格・耐用年数と選び方

外壁塗装の塗料は、価格の安さや耐用年数の長さだけでは選べません。同じ「シリコン」「フッ素」という分類でも、メーカーと製品によって期待耐用年数、設計価格、塗れる外壁材が違うためです。塗料を比較するときは、分類名ではなく製品名の単位で、年数・単価・適合する下地をそろえて見る必要があります。

外壁塗料6グレードの期待耐用年数と設計価格の比較図

この記事では、まずグレード別の期待耐用年数と設計価格をメーカー公表値で一覧にし、水性・油性と1液・2液の違い、外壁材別に適する塗料を整理します。後半では、業者によって勧める塗料が違う理由と、見積書の塗料名・缶数・塗布量から提案の妥当性を確かめる方法を扱います。

塗料の候補を決めてから見積もりを比べる

外壁塗装見積ナビでは、希望する塗料のグレードと建物の条件を伝えて、複数の施工店へ無料で見積もりを依頼できます。同じ製品名・塗布量で提案をそろえると、価格差の理由が見えやすくなります。

外壁塗料のグレード別比較表(期待耐用年数・㎡単価・向く条件)

外壁用の塗料は、樹脂の種類によってアクリル、ウレタン、シリコン、ラジカル制御型、フッ素、無機系の順にグレードが上がり、期待耐用年数と単価も上がる傾向があります。次の表は、関西ペイントの「外壁用塗料はどれくらい保つのですか」の回答、エスケー化研とアステックペイントの製品ページに掲載された期待耐用年数と設計価格を、グレード別に並べたものです。

グレード期待耐用年数(メーカー公表値)製品例と設計価格(円/㎡)向く条件
アクリル5~7年(関西ペイント)現在は外壁全面向けの製品が少ない数年内の建て替えや売却が決まっている、短期間だけ保護したい
ウレタン8~10年(関西ペイント)、10~12年(エスケー化研 クリーンマイルドウレタン)クリーンマイルドウレタン 2,610円雨樋・木部・鉄部などの付帯部、初期費用を抑えたい住宅
シリコン12~15年(関西ペイント、エスケー化研 クリーンマイルドシリコン)クリーンマイルドシリコン 3,180円費用と耐久性のバランスを重視する一般的な戸建て
ラジカル制御型14~16年(エスケー化研 エスケープレミアムシリコン)、15~18年(アステック 超低汚染リファイン1000Si-IR)エスケープレミアムシリコン 2,920円シリコンと近い価格で耐候性を上げたい住宅
フッ素15~20年(関西ペイント、エスケー化研 クリーンマイルドフッソ・水性セラタイトF)、16~20年(アステック フッ素REVO1000)クリーンマイルドフッソ 4,100円、水性セラタイトF 3,800円3階建てや足場費が高い住宅、今後15年以上住む予定の住宅
無機系20年(関西ペイント アレスダイナミックMUKI)、25~28年(アステック 超低汚染リファイン1000無機-IR)アレスダイナミックMUKI 4,410円(関西ペイント設計価格表)塗り替え回数を最小限にしたい、屋根やシーリングも高耐久仕様にそろえられる住宅
塗料グレード別の30年間の塗り替え回数イメージ

設計価格はメーカーが公表する上塗り工程の材工価格で、下塗り、足場、高圧洗浄、シーリング、下地補修、付帯部は含みません。関西ペイントの設計価格表は施工面積300㎡以上を基準にしているため、戸建ての実際の見積単価はこれより高くなるのが通常です。戸建ての実勢では、下塗りから上塗りまでを含めた塗装単価がシリコンで2,300~3,500円/㎡、フッ素で3,500~5,000円/㎡程度になることが多いものの、これは出典を特定できない目安です。

期待耐用年数は、日本ペイントの用語解説にあるとおり「次の塗り替え時期の目安」であり、保証年数ではありません。海沿い、強い日射、積雪地では前後し、濃い色ほど退色が目立ちやすくなります。塗料別の年数の考え方は外壁塗装の耐用年数、坪数別の総額は外壁塗装の費用相場で扱っています。

外壁塗料の種類ごとの特徴と選ばれる場面

表のグレードは、それぞれ得意な場面が違います。上のグレードほど良いという見方ではなく、住み続ける年数と建物全体の改修周期に合うかで候補を絞ってください。

アクリル塗料は発色がよく安価ですが、耐候性が低いため、現在の戸建て全面塗装では選ばれる機会が減っています。ウレタン塗料は密着性と柔軟性があり、雨樋、木部、鉄部といった複雑な付帯部で今も使われます。外壁全面に使う場合は、次の塗装が早まり、外壁と付帯部の寿命がずれる点を含めて判断します。詳しくはウレタン塗料の特徴で解説しています。

シリコン塗料は戸建て外壁で最も選ばれてきたグレードで、製品数と色数が多く、予算に合う製品を探しやすいのが利点です。ただし「シリコン」という名称だけでは樹脂の含有量や性能を比較できません。見積書が「高級シリコン」といった表現だけなら、メーカー名と商品名を確認してください。製品の選び方はシリコン塗料の特徴にまとめています。

ラジカル制御型は、塗膜を劣化させるラジカルの発生を抑える技術を組み込んだ塗料で、シリコンに近い価格帯で耐候性を上げた製品が増えています。日本ペイントのパーフェクトトップSiや関西ペイントのアレスダイナミックTOPがこの分類で、ラジカル制御は樹脂の種類とは別の技術です。仕組みはラジカル制御型塗料で説明しています。

フッ素塗料と無機系塗料は、塗り替え周期を延ばしたい住宅の候補です。初期費用は高く、次の改修計画によっては性能を生かしきれません。付帯部やシーリングの耐久性をそろえないと、外壁より先に別の箇所で足場が必要になります。製品別の比較はフッ素塗料の価格と耐用年数と無機塗料の特徴を参照してください。

水性と油性、1液と2液はどう選びますか

塗料は希釈に水を使う水性と、シンナーを使う溶剤系(油性)に分かれ、さらに硬化剤を混ぜない1液型と混ぜる2液型に分かれます。日本ペイントのFAQは、水性と溶剤形の塗膜性能に大きな差はなく、同じグレードの1液と2液も耐候性に大きな違いはないと説明しています。違いが出るのは、施工条件と塗れる下地です。

比較項目水性溶剤系(油性)1液型2液型
塗膜の耐候性溶剤系と大きな差なし水性と大きな差なし同グレードの2液型と大きな差なし同グレードの1液型と大きな差なし
施工中の臭い少ない強い製品の水性・溶剤による製品の水性・溶剤による
施工条件塗装中や生乾きで雨や結露に当たると仕上がり不良が出やすい低温でも乾燥が速く、艶や仕上がり肌が良好硬化剤の計量が不要で作業性が高く、戸建ての塗り替えで多く使われる下地への付着性、乾燥性、塗膜強度に優れ、公共工事で多く採用される
塗れる下地製品によって金属部などに制限がある金属部や旧塗膜への適性が高い製品が多い製品の適用下地による適用下地が広い製品が多い
注意点水性の上に溶剤系を重ねる組み合わせには推奨されないものがある換気と火気管理が必要開封後の保管がしやすい混合後の使用時限(セラMフッソは23℃で8時間)を守る必要がある
水性1液型(1缶)と弱溶剤2液型(主剤と硬化剤の2缶)の塗料缶の違いを示したイラスト

日本ペイントのFAQでは、溶剤形の上に水性を塗り重ねることは基本的に問題ないものの、水性の下塗りに1液形の弱溶剤塗料を重ねる組み合わせなど、膨れやしわが出る推奨外の組み合わせがあると説明しています。既存塗膜との組み合わせは、施工店にメーカーの塗装仕様書で確認してもらいましょう。水性・油性の詳細は水性塗料と油性塗料の違い、1液・2液の詳細は1液型と2液型の違いで扱っています。

外壁材別に適する塗料と下塗りの考え方

塗料の上塗りグレードを決める前に、外壁材と既存塗膜に合う下塗りを選ぶ必要があります。上塗りが高耐久でも、下塗りが合わなければ密着不良や膨れで早期に不具合が出ます。次の表は、日本ペイントのFAQと各メーカーの製品ページに記載された適用素材をもとに、外壁材ごとの注意点をまとめたものです。

窯業系サイディング・モルタル・ALC・金属の外壁材の見分け方
写真:さくら外壁塗装店の施工事例
窯業系サイディング・モルタル・ALC・金属の外壁材の見分け方
写真:さくら外壁塗装店の施工事例
窯業系サイディング・モルタル・ALC・金属の外壁材の見分け方
写真:さくら外壁塗装店の施工事例
窯業系サイディング・モルタル・ALC・金属の外壁材の見分け方
写真:さくら外壁塗装店の施工事例
外壁材適する上塗りの考え方下塗り・仕様で注意すること根拠
窯業系サイディングシリコン以上の水性または弱溶剤塗料が一般的。目地のシーリングは塗料より先に劣化しやすいため、同時に打ち替える断熱性が高く夏場に高温になるため、旧塗膜が弾性塗料なら剥がさずに塗り重ねると膨れが生じる。光触媒などの高耐久サイディングは一般的な下塗りでは付着しにくい日本ペイントFAQ「窯業系サイディングの塗替えは注意が必要」
セラミックコート・フッ素コートのサイディング塗り替え自体は可能だが、表面が滑らかで付着しにくいため専用の下塗りが必要密着試験や専用プライマーの要否を現地調査で確認する日本ペイントFAQ「セラミックコートされた窯業系サイディング」
モルタル弾性を持つ下塗りや微弾性フィラーでひび割れに追従させ、上塗りは各グレードから選べるひび割れの補修方法と下塗りの種類を見積書に明記してもらう関西ペイント セラMフッソ製品説明書(適用素材にモルタル・コンクリート)
ALC透湿性のある仕様を選び、弾性塗料の塗り重ねは避ける窯業系サイディングと同様に高温で水蒸気が逃げにくく、弾性塗膜が膨れやすい日本ペイントFAQ「弾性塗料はALCパネルや窯業系サイディングに適さない」
金属(ガルバリウム鋼板・トタン)金属対応のプライマーの上に、弱溶剤2液型など金属適性の高い製品を選ぶ錆の処理と錆止めの種類を先に決める。適用素材に鉄・アルミ・亜鉛めっきを含む製品を選ぶ関西ペイント セラMフッソ製品説明書、アステック フッ素REVO1000製品ページ

フッ素コートやセラミックコートのサイディングは、「塗れない」と断られることも「通常の下塗りで塗れる」と言われることもあり、業者ごとの判断が分かれやすい外壁材です。詳しくはフッ素コートサイディングの塗装で扱っています。

機能性塗料は条件付きで検討する

遮熱、低汚染、防藻・防カビといった機能は、製品を選べば同じ効果が得られるものではありません。遮熱塗料は日射を直接受ける屋根で効果を期待しやすい一方、外壁だけで室温や電気代が大きく下がるとは限りません。低汚染塗料は雨水で汚れを流す仕組みのため、軒下など雨が当たらない面では効果を得にくくなります。

機能を理由に単価が上がる提案を受けたら、その機能が自宅の条件(日射、色、立地、断熱材)で意味を持つかを確認してください。遮熱塗料の効果の条件は遮熱塗料の効果と限界で解説しています。

業者によって勧める塗料が違う理由

複数の業者に相見積もりを取ると、ある業者はシリコン、別の業者は無機系を勧めることがよくあります。提案が分かれるのは、住宅の条件よりも業者側の事情が反映されているためであることが多く、理由を知っておくと提案を評価しやすくなります。

主な理由は次の4つです。

  1. 取り扱いメーカーの違い:施工店には仕入れの多いメーカーや、施工講習を受けた製品があり、その製品を中心に提案します。日本ペイント系、関西ペイント系、エスケー化研系、アステック系で提案される製品名は変わります。
  2. 保証制度の違い:メーカーや団体の施工保証を付けられる製品が決まっている業者は、その製品を勧めます。
  3. 粗利の設計:高グレードほど材料費に対する粗利を取りやすいため、無機系やフッ素を標準にする営業方針の会社があります。反対に、価格競争を重視する会社はシリコンを標準にします。
  4. 得意な工法と下地判断:外壁材の診断結果が違えば、下塗りの種類と上塗りの候補も変わります。難付着サイディングと判断した業者だけが専用プライマーを見積もる、といった差が出ます。
業者ごとに勧める塗料が違う4つの理由の模式図

提案を比べるときは、「なぜこの製品を勧めるのか」を外壁材、居住予定年数、屋根やシーリングの周期と結び付けて説明できるかを見てください。理由が「一番人気だから」「保証が長いから」だけの場合は、他のグレードでの見積もりも依頼し、同じ条件で比べましょう。メーカーの製品資料で適用下地・下塗り・塗布量を確かめる方法は外壁塗料のメーカー比較で説明しています。

見積書の塗料名・缶数・塗布量をどう確認しますか

塗料の提案は「シリコン塗装一式」では比較できません。見積書と製品カタログを並べて、次の項目を確認すると、同じグレードなのに価格が違う理由を判断できます。

確認項目見るポイント例
メーカー名と商品名カタログと表記が一致するか。「高級シリコン」「オリジナル塗料」だけなら製品名を尋ねる「エスケープレミアムシリコン」「パーフェクトトップSi」など
水性・溶剤、1液・2液商品名の末尾や仕様欄に記載があるか「1液ファインフッソUV」は弱溶剤1液、「ファインフッソ」は弱溶剤2液
下塗り材の商品名外壁材に合う下塗りか。難付着サイディングなら専用プライマーか「パーフェクトサーフ」「アレスダイナミックシーラー」など
塗装面積実測に基づく㎡数か。開口部を除いているか30坪の2階建てで外壁120~150㎡程度が一般的
使用予定缶数塗装面積×塗布量×塗り回数÷缶の塗布可能面積と合うかクリーンマイルドフッソ15kgセットで42~68㎡(メーカー公表の標準塗坪)
塗布量と塗り回数メーカー標準塗布量で、下塗り1回と中塗り・上塗り各1回の計3回かパーフェクトトップSiの標準塗布量は0.11~0.17kg/㎡/回
保証の範囲保証対象の現象、期間、免責事項が書面にあるか塗膜の剥がれ・膨れが対象、色あせは対象外など
外壁塗装の見積書で塗料名・缶数・塗布量を確認する箇所

缶数が計算値より明らかに少ない見積もりは、希釈率を上げて薄く塗る前提の可能性があります。日本ペイントのFAQでは、上塗りを規定回数より多く塗り重ねても耐久性は上がらないと説明されており、必要なのは回数を増やすことではなく、メーカー標準の塗布量を守ることです。塗布量から缶数を逆算する手順は外壁塗装の塗布量と缶数で解説しています。

同じ塗料でも見積もり総額が変わる項目は、塗装面積の算出方法、下塗りの種類、シーリングの打ち替えか増し打ちか、付帯部の塗料グレード、足場の面積、高圧洗浄と下地補修の範囲です。塗料名が同じ2社の見積もりに差があるときは、これらの項目のどこが違うかを1つずつ照合してください。

よくある質問

外壁塗装の塗料はどのランクに分かれていますか

一般に、アクリル、ウレタン、シリコン、ラジカル制御型、フッ素、無機系の順に耐候性と価格が上がります。関西ペイントは外壁用塗料の期待耐用年数をアクリル5~7年、ウレタン8~10年、シリコン12~15年、フッ素15~20年と公表しています。ただし製品ごとの差があるため、ランク名ではなく製品名の期待耐用年数で比べてください。

外壁塗装の種類と価格を比較するとき、何をそろえれば正しく比べられますか

メーカー名と商品名、下塗り材、塗装面積、塗布量と塗り回数、シーリングと付帯部の仕様の5点をそろえます。塗料名が同じでも、面積の算出方法や下塗りの種類が違えば総額は変わります。1社の見積書を基準にして、他社にも同じ製品と仕様で見積もりを依頼すると比較しやすくなります。

高い塗料を選べば必ず長持ちしますか

高グレードの塗料ほど期待耐用年数は長いものの、下地処理、塗布量、乾燥時間、外壁材との適合が守られなければ性能は発揮されません。期待耐用年数は塗り替え時期の目安であり、保証年数ではありません。塗料の価格差より、施工仕様が守られる体制かどうかが仕上がりを左右します。

艶ありと艶なしで耐用年数は変わりますか

日本ペイントのFAQでは、色や艶によって耐候性が全く同じではないものの、顕著な差ではなく期待耐用年数は変わらないと説明されています。艶を落とした製品は艶むらが出やすいため、塗布量と乾燥条件をメーカーの仕様どおりに管理してもらいましょう。

業者ごとに勧める塗料が違うのはなぜですか

取り扱いメーカー、付けられる保証制度、粗利の設計、外壁材の診断結果が業者ごとに違うためです。提案理由を外壁材、居住予定年数、屋根やシーリングの周期と結び付けて説明できるかを確認し、説明が「人気だから」だけなら他のグレードでも見積もりを依頼してください。

外壁材によって使えない塗料はありますか

窯業系サイディングやALCでは、旧塗膜が弾性塗料の場合に塗り重ねると膨れが生じやすく、日本ペイントは弾性塗料の塗り重ねを推奨していません。光触媒やフッ素コートの高耐久サイディングは一般的な下塗りでは付着しにくいため、専用の下塗りが必要です。外壁材と既存塗膜の診断結果を見積書に反映してもらいましょう。

まとめ

外壁塗料はシリコン、ラジカル制御型、フッ素、無機系が主な候補で、メーカー公表の期待耐用年数はシリコン12~15年、ラジカル制御型14~18年、フッ素15~20年、無機系20~28年が目安です。分類名だけで決めず、製品名、下塗り、塗布量、缶数まで確認すると、同じグレードで価格が違う理由が分かります。

業者によって勧める塗料が違うのは、取り扱いメーカーや保証制度、粗利の設計が違うためです。提案理由が自宅の外壁材と居住予定年数に結び付いているかを確かめ、同じ製品と仕様で複数社の見積もりをそろえてください。

外壁塗装見積ナビでは、希望する塗料のグレードと建物の条件を伝えて、審査基準を満たした施工店へ無料で見積もりを依頼できます。製品名と塗布量をそろえた見積もりを比較し、自宅に合う塗料を選んでください。

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