家の外まわりの部位の名称|見積書に出る呼び方一覧
外壁塗装の見積書に「軒天」「破風」「霧除け」「土台水切り」と書かれていても、家のどこを指すか分からないと工事範囲を比べられません。名前だけを覚えるより、自宅の写真の位置と見積書の項目を対応させることが先です。軒下のように場所を指す言葉と、軒天のように部材を指す言葉も分けましょう。
この記事では、屋根の端、窓の上、外壁の面、外壁の最下部を順に見て、見積書で使われる呼び方を整理します。各部位を塗るべきか、費用はいくらかという判断は、外壁塗装の付帯部と各部位の記事で扱います。
写真と部位名をそろえて見積もりを比較
外壁塗装見積ナビで見積もりを依頼する際は、家の四面と屋根の端、窓の上、外壁の足元を撮影して各社に渡しましょう。同じ名前で同じ場所を指しているか確認できます。
まず軒下・軒先・軒天の違いを押さえます
軒(のき)は、屋根が外壁の外へ張り出した部分です。軒先(のきさき)はその先端を指します。軒下(のきした)は、張り出した屋根の下にある空間や範囲を表す言葉です。軒下そのものが一枚の塗装部材ではありません。一方、軒天(のきてん)・軒裏(のきうら)は、下から見上げる屋根の裏側の仕上げ面です。
パナソニック ホームズの軒の解説でも、軒、軒先、軒天、窓上の庇を区別しています。たとえば「軒下が黒い」と伝えるだけでは、汚れているのが軒天なのか、軒下にある外壁なのか分かりません。写真に丸を付けて「屋根の裏面」「その下の壁」と分けて伝えましょう。
見積書の「軒天塗装」は通常、下から見える仕上げ面を指します。ただし換気用の開口や見切り材まで塗るかは、材質や仕様で変わります。ケイミューの納まり図にも軒天と通気見切り縁が別の部材として示されています。軒天の補修と塗装を検討する場合は軒天塗装で工程を確認してください。
屋根の端には破風・鼻隠し・雨樋があります
屋根の端を見上げると、斜めに伸びる端、雨樋の付く水平の端、その下の面が続きます。切妻屋根などでは、妻側の斜めの端にある板を破風(はふ)、軒先側の端にある板を鼻隠し(はなかくし)と呼びます。屋根形状によって見える位置や部材の有無は異なります。
雨樋(あまどい)は、屋根からの雨水を集めて流す部材です。屋根の端に沿う横方向の樋を軒樋(のきどい)、下へ流す縦方向の樋を竪樋・縦樋(たてどい)と呼びます。ケイミューの外観資料も、軒といとたてといを別の部位として示しています。「雨樋一式」の項目では、横と縦のどちらを含むか確認してください。
| 自宅で見る位置 | 見積書に出る呼び方 | 場所を特定する質問 |
|---|---|---|
| 屋根の張り出しの裏面 | 軒天・軒裏 | 換気口や見切り材を含むか |
| 妻側の斜めの屋根端 | 破風・破風板 | 板だけか、端部の板金も含むか |
| 雨樋の後ろにある屋根端 | 鼻隠し | 雨樋の脱着や金具の補修を含むか |
| 屋根の端の横向きの樋 | 軒樋 | 清掃・塗装・交換のどれか |
| 壁に沿って下りる樋 | 竪樋・縦樋 | 留め具や曲がり部まで含むか |
破風と鼻隠しをまとめて「破風板」と呼ぶ見積書もあります。呼び方だけで誤りと決めず、施工する面を写真や図面で示してもらいましょう。部材ごとの補修と費用は破風板塗装と雨樋塗装で確認できます。
窓の上の小さな屋根は庇・霧除けです
庇(ひさし)は窓や玄関などの開口部の上に張り出した小さな屋根です。窓上の庇を霧除け(きりよけ)と呼ぶこともあります。LIXILは庇を窓や出入口などの上に設ける小さな屋根として説明し、旧トステムの2005年のニュースリリースでは雨除けの機能から霧除けとも呼ぶとしています。
家全体の屋根が外壁より張り出す軒と、窓ごとに設ける庇は位置が違います。窓上に一つずつ小屋根がある場合、見積書の「霧除け塗装」が何か所を指すか数を確かめてください。屋根面だけを塗るのか、正面の板金、裏面、外壁との接点まで補修するのかも項目ごとに確認します。
窓の枠はサッシ、窓まわりで雨水を外へ逃がす部材は位置に応じて水切りなどと呼びます。窓上の庇とサッシは別部材なので、「窓まわり一式」とだけ書かれていれば範囲を図で示してもらいましょう。庇の錆や剥がれ、交換との比較は庇・霧除け塗装で詳しく扱います。
外壁面には幕板・出隅・目地などがあります
外壁の広い平らな面のほか、壁を横切る化粧材、建物の角、板と板の継ぎ目があります。幕板(まくいた)・帯板(おびいた)は、外壁を横方向に区切る化粧材として使われる呼び方です。出隅(ですみ)は外側に出た角、入隅(いりすみ)は内側に入った角を指します。ケイミューの窯業系サイディングの納まり図一覧でも、幕板(装飾部材)、出隅、目地は別の納まり図として掲載されています。幕板の劣化と塗装・交換の判断は幕板の塗装で扱います。
サイディングの板同士の間にある目地(めじ)には、シーリング材が入ることがあります。外壁材に印刷されたタイルや石の模様の「目地」と、板の継ぎ目を埋めるシーリングは別です。見積書で「目地補修」と書かれていたら、どちらの位置か、何を撤去・充填するかを聞いてください。目地のシーリングの数量と単価の見方はコーキング打ち替えで確認できます。
さらに、外壁から張り出したバルコニーの上端には笠木(かさぎ)、ベランダの内側には手すり壁や手すりが見えます。笠木は雨水の入りやすい接点を覆う部材で、手すりそのものと同じ施工範囲ではありません。外壁面の装飾材まで塗るかどうかは、各社の見積書で差が出やすいところです。
家の外壁の下の部分は水切り・基礎・外壁を分けます
「外壁の下の部分」がどれかは、写真で確かめる必要があります。外壁材の最下端に沿う細い金属部材なら土台水切り、その下のコンクリート部分なら基礎です。外壁の最下段のサイディング自体を指していることもあります。ケイミューの外観資料では土台水切りを外壁と基礎の境に表示し、納まり図では外壁材・水切り・基礎を別部材として描いています。
土台水切りは雨水を壁の外へ導く納まりに関わるため、細い隙間を汚れと見て勝手に埋めないでください。水切りの上がサイディングの通気・排水経路とつながる構法もあります。見積書に「水切り塗装」とあれば、材質、錆の有無、塗る面、通気口をふさがない施工方法を確認します。詳しい判断は土台水切り塗装で扱っています。
基礎には外壁用塗料と同じ仕様をそのまま使えるとは限りません。基礎のひびや汚れを相談する場合は、外壁の塗装面積へ含めるのか、基礎を別に診断・見積もるのか分けてください。外壁の下側だけ傷みが強いときも、塗装前に雨はねや水の流れを調べましょう。基礎を塗る必要があるかと、ひび割れの注意点は基礎の塗装で説明しています。
見積書の部位名は写真・数量・作業内容で照合します
同じ名前の行があっても、施工する場所と作業内容が同じとは限りません。二社を比べるときは、見積書の各行に自宅写真の番号を付け、屋根端部、窓まわり、外壁面、足元を順に照合しましょう。「付帯部一式」とまとめた見積書の内訳と対象外の確かめ方は、外壁塗装の付帯部で説明しています。ここでは、写真と見積書で部位の位置をそろえる方法に絞ります。
| 見積書の書き方 | 追加で確認すること | 写真に付ける印 |
|---|---|---|
| 軒天・破風・鼻隠し | それぞれの面と補修・塗装の範囲 | 屋根裏面、斜めの端、雨樋の後ろ |
| 庇・霧除け | 窓ごとの箇所数、表裏、板金と壁の接点 | 窓ごとに番号 |
| 雨樋 | 軒樋・縦樋、留め具、清掃・塗装・交換 | 横樋と縦樋を別の色 |
| 幕板・出隅・シーリング | 化粧材か外壁材か、目地の延長と補修方法 | 壁面と角に印 |
| 土台水切り・基礎 | 金属部材とコンクリートのどちらか | 外壁の最下端と基礎を別の印 |
窓上の庇は箇所数で表されることがあります。複数の窓の上に一枚の庇が続く場合は、それを1か所と数えたのか窓ごとに数えたのかを確認しましょう。玄関や勝手口の庇、小窓の霧除けを数に入れたかも、写真の番号と見積書の箇所数を突き合わせると分かります。軒天や破風など他の部位の数量や単位の違いの見方は、付帯部の記事で扱っています。
施工店によって部位の呼び方が違うときは、どちらかの用語へ無理に合わせる必要はありません。写真に印を付けた同じ場所を見せ、「この面を塗るか、補修するか、工事しないか」を明記してもらうと比較できます。
よくある質問
部位名に迷ったら、屋根の裏か端か、窓の上か、外壁の最下部かを先に見てください。以下は見積書で混同しやすい呼び方です。写真を添えて施工店に場所を示すと、用語だけでは分からない施工範囲も確認できます。
軒下とは家のどの場所ですか
屋根が外壁より張り出した部分の下の空間や範囲です。軒下に見える屋根の裏面は軒天、その周囲の外壁や柱は別の部材です。見積書に「軒下塗装」とあれば、どの面を塗る意味か写真へ印を付けてもらい、軒天と外壁の範囲を分けて確認してください。軒天に換気口がある家では、その開口と周囲の見切り材を塗装範囲に含めるかも聞きましょう。
軒天と軒先は同じ部分ですか
軒天は下から見上げる屋根の裏面、軒先は張り出した屋根の先端です。軒先には雨樋や鼻隠しがある家もあります。高所の端部を「軒天」と一括しないで、裏面・端面・樋のうち何を工事するかを図面や写真で確認しましょう。先端から塗膜が剥がれている場合は、軒天の傷みとして処理するのか、鼻隠しの補修として別に見積もるのかも確認してください。
霧除けとは窓の上の庇ですか
窓上などに付く小さな庇を霧除けと呼ぶことがあります。旧トステムの2005年のニュースリリースは、ひさしは雨除けの機能から「霧除け」とも呼ばれ、現在は区分があいまいで、いずれも「ひさし」と呼ばれていると説明しています。見積書に「庇」と「霧除け」の両方の行があれば、同じ部材を二重に書いていないか、別の部材を指すのかを写真で確かめてください。屋根全体の軒とは位置が違うため、軒天の行に含めていないかも見ましょう。
家の外壁の下の細い金属部分は何ですか
外壁材と基礎の境に沿う細い金属部材なら、土台水切りの可能性があります。その下のコンクリートは基礎です。見た目が似た見切り材もあるので、現地で材質と位置を確認し、見積書では水切りと基礎を別の行にしてもらいましょう。外壁材のすぐ下に隙間が見えても、通気や排水のための納まりかもしれないため、塗料やシーリングで塞ぐ前に施工店へ聞いてください。
破風と鼻隠しはどのように見分けますか
切妻屋根では、妻側の斜めの端にある板が破風、雨樋を取り付ける軒先側の端の板が鼻隠しです。屋根の形で見える部位は変わります。見積書で両方を「破風」とまとめている場合は、斜めの端と横の端をどこまで含むか写真で確認してください。雨樋の後ろまで塗る提案なら、樋を外す作業と復旧をどの行に含むかも尋ねましょう。
窓上の庇は見積書で何か所と数えればよいですか
窓ごとの写真に番号を付け、その番号で数えるのが確実です。複数の窓にまたがる長い庇を1か所とするか、玄関や勝手口の庇を数に入れるかで、箇所数は変わります。番号ごとに、塗装する庇、塗らない庇、補修や交換が必要な庇を見積書へ書き分けてもらいましょう。「付帯部一式」とだけ書かれた見積書の確かめ方は外壁塗装の付帯部を参照してください。
まとめ
軒下は場所、軒天は屋根の裏面、軒先は屋根の端です。窓上の小さな屋根は庇・霧除け、外壁の最下部には土台水切りと基礎があります。まず自宅写真で位置を特定しましょう。
見積書では部位名だけでなく、施工する面、数量、塗装・補修・交換の別を確認してください。呼び方が違っても、写真で同じ箇所を指せれば各社の提案を比較できます。
見積書の部位名と自宅写真を照合する
外壁塗装見積ナビで見積もりを取る際は、屋根の端、窓上、外壁の足元の写真に番号を付けて渡してください。各社の塗装範囲と補修範囲を同じ位置で比べられます。