モルタル外壁塗装の費用と工程|ひび割れ補修も解説
モルタル外壁の塗装費用は、一般的な戸建てで70万~150万円程度が目安です。モルタルは継ぎ目が少なく自由な模様を作れる一方、建物の動きや乾燥収縮でひび割れが生じやすく、塗装前の補修が重要です。
細いひび割れから、構造・下地に関係する深いひび、モルタルの浮きまで状態はさまざまです。塗料で隠すだけでは再発するため、原因と幅・深さに合う補修を行います。
モルタル外壁はひび割れの原因と深さによって補修方法が変わります。表面を塗って隠す前に、診断、下地補修、模様復旧の順で仕様を確認してください。
ひび割れを含むモルタル外壁を診断
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モルタル外壁とは
モルタル外壁は継ぎ目の少ない仕上がりが特徴ですが、建物の動きや乾燥収縮によるひび割れが生じます。塗膜表面と下地の症状を分けて診断します。
セメント、砂、水を混ぜた材料を下地へ塗り、リシン、スタッコ、吹付タイル、左官仕上げなどで表面を仕上げた外壁です。
サイディングのような定尺ボードの継ぎ目が少なく、曲面や複雑な形にも対応できます。一方、目地が少ない分、建物の動きによる応力がひび割れとして現れることがあります。
塗り替え時期のサイン
年数だけでなく、チョーキング、ひび、剥がれ、苔、雨染みを方角別に確認します。急に広がるひびや室内への影響があれば早めに相談してください。
- 艶がなく色あせている
- 手で触ると粉が付く
- 汚れ・苔・カビが広がる
- ヘアークラックが増える
- 幅のあるひび割れがある
- 塗膜が膨れる・剥がれる
- モルタルが浮く・欠ける
- 雨後に濡れ色が長く残る
- 室内に雨染みがある
新築・前回塗装から10年前後が点検目安ですが、年数より症状を優先します。
費用相場
費用は塗装面積、仕上げ模様、ひび補修の量で変わります。弾性仕様や模様の再現が含まれるかを確認し、単価だけで比較しないようにします。
| 工事 | 単価・総額の目安 |
|---|---|
| 外壁塗装 | 2,300~5,500円/㎡ |
| ヘアークラック補修 | 塗装下地処理に含む場合あり |
| Uカット等の補修 | 2,000~5,000円/m程度 |
| 欠損・浮き補修 | 範囲・工法で変動 |
| 30坪総額 | 70万~150万円程度 |
ひび割れの本数、模様復元、足場、付帯部で変わります。幅だけで工法を決めず、動きと深さを診断します。
ひび割れの種類
ヘアークラック:幅0.3mm未満を目安とする細いひびです。塗膜や表面仕上げだけに生じることがあります。フィラーのすり込みなどで補修できる場合があります。
構造クラック:幅・深さがあり、建物の動き、地盤、下地に関係する可能性があります。窓角から斜めに伸びる、同じ場所で再発する、雨染みを伴う場合は原因調査が必要です。
乾燥・縁切れクラック:モルタルの乾燥収縮や、施工を分けた境界で生じます。発生時期と範囲を確認し、適切に補修します。
ひび割れ補修方法
フィラー・下塗りのすり込み:微細な表面ひびへ下塗り材をすり込み、塗装します。動きのある深いひびには不十分です。
シーリング材による補修:ひびを清掃・プライマー処理し、追従性のある材料を充填します。表面へ盛るだけでは耐久性と見た目に問題が出ます。
Uカット・Vカット工法:幅のあるひびに沿って溝を作り、プライマー、シーリング、補修材で処理します。防水性を確保しやすい一方、模様を復元しないと跡が目立ちます。
エポキシ樹脂注入:浮きや構造的なひびへ樹脂を注入する方法があります。状態と構造に応じ、専門家が採用を判断します。
モルタル撤去・塗り直し:浮き、剥落、下地腐食がある範囲を撤去し、下地から補修します。表面塗装だけでは直りません。
塗装工程
洗浄と乾燥の後、ひびや浮きを補修し、下地に合う下塗りで表面を整えてから上塗りします。補修跡の模様合わせも工程に含めてください。
- 打診・目視による劣化診断
- 足場・飛散防止シート
- 高圧洗浄・乾燥
- ひび割れ・浮き・欠損補修
- 模様の復元
- 養生
- 下塗り(シーラー・フィラー等)
- 中塗り
- 上塗り
- 検査・手直し
補修跡へ既存のリシン・スタッコ模様を合わせる工程が、外観品質を左右します。
下塗り材の選び方
シーラー:下地へ浸透し、吸い込みを止め、上塗りとの密着を高めます。粉化が強い下地には補強効果を考慮します。
フィラー:細かなひびや凹凸を調整し、下地を平滑にします。微弾性フィラーは厚みを付け、細かな動きに追従しやすくします。
サーフェーサー:下地調整と密着を担う中間的な材料です。既存塗膜と上塗りに適合する製品を使います。
どれが最適かは、既存仕上げ、ひび、吸い込み、含水状態で決まります。
弾性塗料の注意点
弾性塗膜は細かな動きへ追従しやすい一方、外壁内部の水分や下地条件によって膨れが生じることがあります。外壁構成と透湿性を確認します。
弾性塗料や微弾性下塗りは、細かなひびへの追従を期待できます。しかし、構造クラックの原因を直すものではありません。
また、直貼りサイディングなど内部に水分がこもる下地へ透湿性の低い塗膜を使うと、膨れにつながる場合があります。モルタルでも壁内の湿気・漏水を確認します。
仕上げ模様
リシン:砂粒状で艶を抑えた仕上げです。汚れ・苔が凹凸へ付きやすく、補修跡の粒感を合わせる必要があります。
スタッコ:厚みと大きな凹凸があります。塗装面積と塗料使用量が増えやすく、ローラーが奥まで届く施工が必要です。
吹付タイル:凹凸があり、上塗りで艶と色を付けます。既存塗膜の種類と劣化を確認します。
ジョリパット等:意匠性の高い塗り壁材です。メーカー専用改修材や透湿性を考慮し、一般塗料で安易に塗りつぶさないようにします。
塗装では直せない状態
補修後に再び動く可能性と、経過観察する位置・点検時期も診断書へ記載してもらいましょう。
構造に関係するひび、広範囲な浮き、内部の腐朽は表面塗装だけでは直りません。原因調査と補修を先に行い、必要なら専門家へ相談してください。
- 広範囲にモルタルが浮いている
- 剥落の危険がある
- ラスや下地が腐食している
- 構造クラックが進行している
- 雨漏り原因が特定できていない
- 同じひびが繰り返し開く
建築士、構造・防水の専門家による調査を行い、原因修理を先にします。
見積書の確認項目
模様を変える場合は施工面、サンプル確認、周辺への飛散養生を追加し、単純な塗料単価と分けます。
ひびの長さと補修方法、下塗り、仕上げ模様、塗装面積、予定缶数を記載してもらいます。補修を「一式」にまとめないことが比較の基本です。
- 既存仕上げと塗膜の種類
- 外壁面積・凹凸補正
- ひび割れの位置・長さ・工法
- 浮き・欠損の補修範囲
- 模様復元の方法
- 下塗り・上塗りの商品名
- 塗布量・塗り回数
- 透湿性・弾性の選定理由
- 補修部の保証
ひび割れの診断から仕上げを決める流れ
モルタル外壁の改修では、ひびを見つけたらすぐ上から塗るのではなく、幅、深さ、方向、場所、動きの有無を記録します。窓の角から斜めに伸びるひび、基礎や室内にも続く症状、短期間で広がるひびは、表面補修だけで判断しないでください。
細いひびでも、塗膜だけの割れかモルタルまで達しているかで補修方法が変わります。幅を測るだけでなく、打診による浮き、雨染み、含水、過去の補修跡も確認します。写真には定規を入れ、同じ位置を後から比較できるよう全景と近景を残しましょう。
補修方法は、微細なひびへの刷り込み、樹脂の充填、溝を設けて材料を充填する方法などから、症状に合わせて選びます。材料名だけでなく、ひびを清掃する工程、プライマー、仕上げ模様の復旧まで見積書へ記載してもらいます。動きの原因が残る場合は再発可能性も確認してください。
下塗りは、吸い込み、旧塗膜、表面の凹凸を見て選びます。厚付けの下塗りで細かな不陸を整える場合でも、大きなひびを隠す目的には使えません。旧塗膜が膨れている、下地に水分がこもる場合は、密閉性の高い仕様が適切か慎重に判断します。
仕上げ模様は、既存の意匠と補修跡の見え方に関係します。ローラー仕上げへ変えるのか、吹き付け模様を再現するのかで工程と養生が異なります。試し塗りや小さな施工面で、色、艶、模様の大きさを確認してから全面へ進みましょう。
塗装で直せない状態では、左官補修、部分撤去、下地の確認が必要です。複数階へ続くひびや雨漏りを伴う場合は、塗装会社だけで判断できるか、建築士や雨漏り調査の知見が必要かも確認します。原因と異なる補修を繰り返さないことが重要です。
工事後は、補修位置、使用材料、工程写真を図面と一緒に保管します。次回点検で同じ場所が再び割れたかを確認できれば、経年劣化と継続的な動きを見分けやすくなります。保証ではひび割れが対象外になることもあるため、補修部分の扱いを契約前に確認してください。
見積もり比較では、ひびの本数や長さだけでなく、補修後の模様復旧と一面塗装まで含む完成範囲をそろえます。部分的な樹脂充填だけの提案と、浮き調査・左官補修を含む提案では総額が異なります。安い方へ合わせるのではなく、原因調査が必要な箇所と美観を整える範囲を分けてください。施工後の点検では補修箇所を優先し、同じ場所の再発と別の場所に生じた経年ひびを区別します。
ひび割れを補修した箇所は、施工前・補修後・仕上げ後の写真を残します。模様の復元範囲や補修跡の見え方も、契約前に確認しておくと完成時の認識違いを防げます。
モルタル外壁では、ひびの幅だけでなく位置と動き方も補修方法に影響します。窓の角から斜めに伸びるひび、同じ場所で繰り返すひび、建物を一周するようなひびは、表面補修だけでよいか慎重に判断してください。構造への影響が疑われる場合は、塗装工事と分けて専門家の調査を検討します。
模様を復元する費用は補修長さだけでは決まりません。既存の吹付模様やローラー模様に合わせる範囲を見積書へ示し、補修跡を完全に見えなくできるという前提で契約しないことが大切です。
施工後の定期点検位置も決めておきます。
写真も残します。
よくある質問
モルタルの細いひびは塗装で消えますか?
表面の微細なひびは下地処理と塗装で目立たなくなる場合があります。深い・動くひびは別の補修が必要です。
弾性塗料ならひび割れませんか?
細かな動きへ追従する製品はありますが、構造の動きや大きなひびを防ぐ保証はありません。
DIYでひびを埋められますか?
原因不明、幅のあるひび、高所は業者へ依頼します。表面へシーリングを塗ると、診断と再塗装が難しくなることがあります。
サイディングより費用は高いですか?
面積と補修量によります。モルタルはひび・浮き・模様復元が多いと高くなり、サイディングはシーリング量で高くなります。
まとめ
モルタル外壁塗装は70万~150万円程度が目安で、ひび割れ・浮きの補修が重要です。幅だけでなく原因、深さ、動きを確認します。
下地と仕上げ模様に合う補修・下塗りを選び、原因を残したまま塗りつぶさないようにしましょう。
見積書では、ひび割れ補修を「一式」にせず、箇所数や長さ、使用材料、既存模様を復元する範囲まで確認します。補修跡の目立ち方も施工前に説明してもらうと、仕上がりの認識違いを防げます。
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