シーラー・プライマー・フィラーの違い|下地別の選び方
シーラー、プライマー、フィラーはいずれも上塗り前に使われますが、名称だけで役割を完全に区別できるものではありません。一般にシーラーは吸い込み抑制と付着、プライマーは素地と上塗りの付着、フィラーは凹凸や細かなひびの調整を担います。実際の選定は商品名より製品仕様と下地で判断します。
下地と下塗りの組み合わせを比較
外壁塗装見積ナビでは、外壁材、旧塗膜、劣化状態を伝えて見積もりを依頼できます。下塗り製品・使用量・工程をそろえて比べましょう。
三つの名称は役割が重なることがあります
メーカー製品には、シーラーとフィラーの機能を兼ねるもの、金属用プライマー、浸透形シーラーなどがあります。「フィラーなら厚い」「プライマーなら金属専用」と名称だけで決めず、適用下地、上塗り適合、標準使用量を確認してください。
| 呼称 | 主な役割 | 主な確認点 |
|---|---|---|
| シーラー | 吸い込み抑制、表層強化、付着 | 浸透性、濡れ色、上塗り |
| プライマー | 素地と上塗りの付着、防錆など | 金属・樹脂の種類、旧塗膜 |
| フィラー | 不陸・細かなひび・模様調整 | 厚み、施工方法、透湿性 |
| 複合機能品 | 複数の役割を兼ねる | 製品ごとの仕様 |
下地の吸い込みが強いときはシーラーを検討します
劣化したモルタル、スレート、けい酸カルシウム板などは、塗料成分を不均一に吸い込むことがあります。適合するシーラーで吸い込みを整えると、上塗りの艶むらや付着不良を抑えやすくなります。
一回塗っても吸い込みが止まらない場合、製品仕様に従って追加塗布を検討します。ただし、回数を増やせばよいわけではなく、脆弱下地を塗料だけで固められる範囲には限界があります。基材が崩れるなら補修・張り替えを優先します。
金属・樹脂は専用プライマーの適合を確認します
鉄、亜鉛めっき、アルミ、ステンレス、塩ビゾル鋼板では表面性状が異なります。洗浄、脱脂、ケレン後に、それぞれの素地と上塗りへ適合するプライマーを選びます。金属用という大分類だけでは不十分です。
可塑剤を含む樹脂や旧塗膜では、上塗りへ成分が移行してべたつくことがあります。メーカーが対象素材を明記した製品を使い、目立たない場所で試験施工してください。
モルタルの凹凸調整ではフィラーを使います
フィラーは細かな凹凸を埋め、既存模様や下地を調整する材料です。砂骨ローラー、ウールローラー、吹付けなど施工方法で仕上がり・使用量が大きく変わります。同じ製品でも平滑仕上げとなみがた模様では必要量が同じではありません。
構造的に動くひび、幅のあるひび、浮きはフィラーだけで直しません。ひびの原因と幅を調べ、シーリング、樹脂注入、モルタル補修などを先に行います。
外壁材と旧塗膜から下塗りを選びます
窯業系サイディング、モルタル、ALC、金属サイディング、木部では水分・動き・表面処理が異なります。さらに旧塗膜が弾性、無機、有機、光触媒などの場合、標準仕様では付着しにくいことがあります。
現地調査では既存仕上げを推定し、付着試験、含水確認、試し塗りを行います。下地不明のまま「万能シーラー」を選ぶのではなく、採用根拠を製品資料で説明してもらいましょう。
見積書では製品名と使用量を確認します
| 記載項目 | 確認内容 |
|---|---|
| 下地 | 材質、旧塗膜、劣化、補修 |
| 下塗り | 正式製品名、色、荷姿 |
| 施工方法 | 刷毛、ローラー、吹付け |
| 使用量 | kg/㎡/回、予定缶数 |
| 希釈 | 希釈剤、範囲、計量方法 |
| 乾燥 | 塗り重ね可能時間と上限 |
「下塗り一式」では、シーラーかフィラーか、何缶使うか分かりません。塗装面積と製品標準使用量から予定量を照合します。
工程写真と残缶だけでなく施工記録を残します
透明シーラーは完成後に施工有無を確認しにくいため、面ごとの施工写真、使用缶ラベル、開始・終了時刻を記録します。フィラーでは仕上げ模様と塗り残し、金属プライマーではケレン後と下塗り後を撮影します。
空缶数だけでは、別現場の缶や残量を判断できません。搬入、開缶、使用量、余りを面積と合わせて確認してください。
現場で下塗りを変更するときは再承認します
洗浄後に想定以上の吸い込み、旧塗膜の剥離、金属露出が判明し、見積もりの下塗りを変更することがあります。その場合は、変更理由、対象面、旧製品と新製品の差、上塗り適合、追加費を施工前に説明してもらいます。「同等品へ変更」という一文だけで済ませません。
| 変更理由 | 確認する資料 | 契約へ反映すること |
|---|---|---|
| 吸い込みが強い | 洗浄後写真、試し塗り | 追加回数・缶数 |
| 旧塗膜が弱い | 付着試験、除去範囲 | 下地補修・工期 |
| 材質が想定外 | 図面、製品資料 | 適合プライマー |
| 模様を変更 | 施工見本、使用量 | フィラー方法・費用 |
| 製品入手不可 | メーカー仕様比較 | 正式な代替品 |
透明シーラーから白色下塗りへ替える場合、色だけでなく機能・塗膜系が同じか確認します。現場に余っている別製品を無断で使用せず、変更後の缶ラベルと施工面を記録してください。
塗料保管と施工可能時間も確認します
水性下塗りは凍結、溶剤形は火気・換気、二液形は混合比と可使時間への管理が必要です。直射日光や雨を避けた保管場所を設け、開封後・混合後の材料を翌日へ不適切に持ち越しません。
施工日報には気温・湿度、下地の乾燥、使用開始・終了時刻、面、缶数を残します。下塗りから上塗りまでの最短時間だけでなく、長期間空いた場合の上限時間と再処理も製品仕様で確認しましょう。
下塗り材の費用目安を条件付きで確認します
| 工事項目 | 目安 |
|---|---|
| 下塗り材 | 600~1,500円/㎡ |
| 関連費用 | 下地調整と上塗りは別途 |
下塗り材の金額は一般的な戸建てを想定した税込みの概算です。600~1,500円/㎡という目安も、施工数量、下地の傷み、製品、足場、搬入条件で変わります。下地調整と上塗りは別途という関連費用を含むか確認し、当サイトの外壁塗装・屋根塗装の費用相場記事と、施工面積や足場の条件をそろえて比較してください。
よくある質問
シーラーとプライマーは同じものですか
呼び方が重なる製品もあります。名称ではなく、製品の役割、適用下地、上塗りとの組み合わせを確認します。
フィラーを塗ればひび割れ補修は不要ですか
不要にはなりません。幅や動きのあるひびは適切に補修し、フィラーは仕様範囲内の下地調整に使います。
下塗りは透明と白のどちらがよいですか
色だけで性能は決まりません。下地、上塗り色、施工確認方法に合わせて製品を選びます。
まとめ
シーラー・プライマー・フィラーは役割が重なるため、名称だけでなく下地、旧塗膜、上塗り、施工方法から選びます。ひびや腐食など塗料で直せない劣化を先に補修してください。
外壁塗装見積ナビでは、下地条件を伝えて見積もりを依頼できます。下塗り製品、使用量、希釈、乾燥時間を比較しましょう。