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COLUMN

外壁塗装の費用・塗料・業者選びをわかりやすく解説

スレート屋根塗装の費用相場と塗れない屋根の見分け方

スレート屋根塗装の費用と時期|縁切り・塗料選びも解説

スレート屋根の色あせや苔が目立つと、そろそろ塗装すべきか、いくらかかるのかが気になります。ただし、コロニアルやカラーベストと呼ばれる住宅用化粧スレートは、表面を塗ればどのような劣化も直るわけではありません。屋根材の割れ方や反り、製造時期、下地の状態によっては、塗装よりカバー工法や葺き替えが適することもあります。

この記事では、スレート屋根の種類、塗装できる状態と塗れない状態の見分け方、工法別・項目別の費用、排水を妨げないための縁切りを解説します。屋根塗料全般の比較は屋根塗装の塗料を比較する記事に譲り、ここではスレート特有の診断と費用に焦点を当てます。

塗装できる状態か診断から比べる

外壁塗装見積ナビでは、スレート屋根の状態を伝えて複数の施工店へ見積もりを依頼できます。塗装、カバー工法、葺き替えのうち提案された方法と、その診断根拠を比較しましょう。

コロニアル・カラーベストとスレートの関係

まず、自宅の屋根がどの「スレート」なのかを確認します。戸建住宅で「スレート屋根」と呼ばれるものの多くは、セメントなどを主原料として板状に成形した住宅用化粧スレートです。「カラーベスト」はケイミューの屋根材の商品名、「コロニアル」はその中で広く知られるシリーズ名で、会話では化粧スレート全般を指すように使われることもあります。現行のカラーベストには、コロニアルグラッサやコロニアルクァッドなどの製品が並びます。

種類主な用途・特徴塗装との関係
住宅用化粧スレート(コロニアル・カラーベスト等)セメント系の薄い板を重ねて葺く。戸建住宅で最も多い状態と製品によって塗装、カバー工法、葺き替えを選ぶ
天然スレート天然の粘板岩を薄く割った屋根材。高価で採用例が少ない通常は塗装しない
波形スレート工場や倉庫の屋根・外壁に使う波板塗装するが、住宅用とは工法も塗料仕様も異なる
住宅用化粧スレート(コロニアル・カラーベスト)を葺いた戸建住宅の屋根
写真:さくら外壁塗装店の施工事例

住宅用化粧スレートは、製造時期で性質が変わります。ケイミューが公開する石綿に関する見解書には、同社設立(2003年12月)前にクボタが製造したコロニアル(1961〜1994年)やニューコロニアル(1979〜2001年)など、石綿を含む屋根材の商品名、製造期間、含有率が一覧で載っています。同じ見解書では、セメントで固化された屋根材は通常使用の状態で健康面への影響はないと説明されており、基材が健全なら塗装による維持も行われてきました。一方、石綿を使わない製品へ移行した時期の一部には、割れや層状の剥がれが施工現場で報告される屋根材があります。ニチハが1996年に発売した無石綿屋根材「パミール」は、付属のラスパート釘についてメーカーがお知らせを出しているほか、表層が剥がれる症状が報告されることが多く、塗装より屋根材の更新を提案されやすい製品です。

見積もりを依頼するときは「スレートらしい」という外観だけで決めず、新築図面、仕様書、屋根材裏面の表示、形状や施工年代から製品を確認してもらいましょう。製品名が分かれば、塗装で維持できる屋根か、カバー工法を前提に考える屋根かを早い段階で切り分けられます。

スレート屋根を塗装できる状態とできない状態

塗装できるかどうかは、屋根材の表面ではなく「屋根材の基材と下地が健全か」で決まります。表面の退色、つやの低下、軽い苔や藻、少数の補修可能なひび割れで、屋根材と下地が全体として健全なら塗装を検討できます。洗浄後に脆弱な旧塗膜を除き、割れや板金を補修して、吸い込みに合う下塗りを施工することが前提です。

屋根の状態判断の目安検討する工法
退色、つや引け、軽い苔や藻基材は健全。塗膜の保護機能が落ちた段階洗浄と塗装
少数のひび割れ、欠け、釘の浮き補修で対応できる範囲。割れの本数と分布を記録する補修を含む塗装
広範囲の割れ、反り、踏むと割れる脆弱化塗膜では屋根材の強度を回復できないカバー工法(下地が健全な場合)
層状の剥がれ、塗装後すぐ剥がれた履歴基材そのものが劣化しているカバー工法、葺き替え
雨漏り、小屋裏の染み、野地板の腐食防水紙や下地の劣化が疑われる原因調査のうえ葺き替えや下地補修
塗装できるスレート屋根(退色)と塗装できないスレート屋根(層状の剥がれ)の比較
写真:さくら外壁塗装店の施工事例
塗装できるスレート屋根(退色)と塗装できないスレート屋根(層状の剥がれ)の比較
写真:さくら外壁塗装店の施工事例

ケイミューの屋根リフォーム案内でも、塗り替えは屋根材の表面を再塗装して美観を保つ方法であり、屋根下地の点検はできないと説明されています。カバー工法は既存屋根の上へ新しい防水紙と屋根材を重ねる方法で、下地まで傷んでいない場合に向きます。葺き替えは既存屋根材を撤去して防水紙ごと更新する方法で、下地の点検と補修ができます。ひび割れの本数が多い場合の判断はスレート屋根のひび割れ補修の記事、塗装とカバー工法で迷う場合は屋根塗装とカバー工法の比較記事も参考にしてください。

業者から「塗れない屋根」と言われたら、外観だけの説明で結論を出さず、推定商品名、製造年代、確認した症状、塗装後に予想される問題を書面でもらいましょう。別の施工店にも同じ箇所を見てもらうと判断材料が増えます。

石綿を含む古いスレートでは、撤去や切断を伴う改修で事前調査、飛散防止、適切な処分が関係します。厚生労働省の石綿総合情報ポータルサイトによると、2021年4月以降は解体・改修工事の対象となる材料について石綿含有の有無を事前調査し、記録を3年間保存する必要があり、2023年10月以降は建築物の事前調査を講習修了者などが行うことになっています。カバー工法や葺き替えを比べる際は、石綿含有の可能性と調査・処分費の扱いを確認してください。

塗装時期は築年数より劣化の組み合わせで判断

築年数や前回塗装からの経過年数は点検を始める目安になりますが、塗装時期を一律には決められません。新築時の屋根材と表面処理、前回の塗料、日射、勾配、積雪、沿岸環境、周囲の樹木によって進行が変わるためです。時期の判断基準は屋根塗装の時期を解説した記事でも扱っています。

まず見るのは、面全体の退色と塗膜の状態、苔や藻の広がりです。色が薄くなっただけで直ちに雨漏りするわけではありませんが、表面保護の低下を調べるきっかけになります。次に、ひび割れ、欠け、反り、釘の浮き、棟板金の変形や錆を見ます。室内や小屋裏に染みがある、強風後に部材が落ちた、棟板金が大きく浮いている場合は、定期塗装の相談ではなく早めの安全確認と雨漏り調査が必要です。

施主が屋根へ上って確認するのは避けてください。薄い化粧スレートは踏み位置によって割れることがあり、転落の危険もあります。地上からの望遠、高所カメラ、ドローンなどを使い、全景、各面、棟、軒先、割れの近景を撮影してもらいましょう。

縁切りは何のために行いますか

化粧スレートを塗装すると、上下の屋根材が重なる端部へ塗料が入り、隙間を塞ぐことがあります。日本ペイントは、塞がれた端部の小さな穴などから毛細管現象で雨水が逆流し、雨漏りや塗膜の膨れの原因になりやすいため、通水性を確保する作業を縁切りと説明しています。

方法作業の時期特徴
手作業の縁切り上塗り乾燥後カッターや皮すきで塞がった部分を切り離す。塗膜を傷めない技量と手間が要る
縁切り部材(タスペーサー等)の挿入塗装前または下塗り後重なり部へ部材を差し込み、隙間と通気を確保する。塗装後の切り離し作業が不要
スレート屋根の重なり部に縁切り部材を挿入した状態の近景
写真:さくら外壁塗装店の施工事例

専用部材のメーカーであるセイムは、タスペーサー工法では塗装前に屋根材の重なり部へ部材を挿入するため、塗装後の縁切り作業が不要になると説明しています。どの屋根でも同じ個数を入れればよいわけではなく、屋根材の隙間、勾配、反り、割れ、既存の状態に応じた判断が必要です。反対に、もともと重なり部に十分な隙間があり、塗装後も塞がっていない箇所では、機械的な縁切りが不要と判断されることもあります。

「縁切りあり・なし」の言葉だけで施工品質を判断せず、現状の隙間をどう確認し、塗装後の通水性をどう確保するかを尋ねてください。見積書には「縁切り」または専用部材の名称、施工範囲、数量の考え方を記載してもらいます。完了写真では屋根の全景だけでなく、重なり部が塗料で一体化していないことを確認できる近景も受け取りましょう。

スレート屋根塗装の標準的な工程

工程は、洗浄、下地処理、下塗り、上塗り、縁切り、検査の順に進みます。最初に足場と飛散防止シートを設置し、高圧水洗で苔、藻、汚れ、付着の弱い塗膜を除去します。洗浄後は十分に乾燥させなければ、下塗りの密着不良につながります。下地処理では、補修可能な割れ、欠け、板金の錆や浮きを扱い、割れの本数や補修方法は「一式」にまとめず、調査時点で分かる範囲を見積書へ示してもらいましょう。

スレート屋根塗装の工程(洗浄から検査までの6段階)

下塗りは、スレートへ浸透して表面を整え、上塗りとの付着を確保する工程です。劣化して吸い込みが大きい屋根では、一回で必要な状態にならず増し塗りが必要になります。日本ペイントの化粧スレート向け塗装仕様では、下塗りにファイン浸透シーラーを用い、塗り重ね間隔を23℃で3時間以上7日以内としています。回数の数字だけでなく、どの状態を完成基準とするか確認してください。

その後、上塗り塗料をメーカー指定の回数、塗布量、塗り重ね時間で施工します。縁切りまたは専用部材によって排水経路を確保し、補修箇所、塗り残し、棟や軒先を検査します。天候で工程がずれたときは、乾燥時間を縮めず、新しい工程表を共有してもらいましょう。

スレート屋根塗装の費用相場を工法別に比べる

費用は「塗装だけで済むか」で大きく変わるため、先に工法別の目安を押さえます。ケイミューは屋根面積101平方メートルの寄棟のモデル住宅について、2023年の積算資料の単価を基に工法別の概算費用を公開しています。運搬費、処分費、付帯工事費は含まず、費用を保証するものではないと明記されています。

工法ケイミューの概算費用(税込、屋根面積101平方メートル・寄棟、付帯工事費別)向いている状態
塗り替え(カラーベストをリフレッシュコートで塗装)約130万円〜基材と下地が健全で、表面の保護と美観を回復したい
カバー工法(リフォーム用金属屋根材リコロニーを重ね貼り)約225万円〜屋根材の劣化が進み、下地は傷んでいない
カバー工法(ROOGAを重ね葺き)約320万円〜同上。軽量な屋根材で外観も変えたい
葺き替え(カラーベスト グラッサへ)約295万円〜下地の点検・補修が必要
塗り替え・カバー工法・葺き替えの断面構造の違い

この試算は足場や付帯工事を含まない目安です。実際の総額は、塗装面積、勾配、階数、足場条件、劣化、塗料、板金補修、縁切りで変わります。塗料メーカーの材工価格も参考になりますが、日本ペイントのファインDFベストでは化粧スレート3工程で1平方メートルあたり7,120円とする一方、300平方メートル以上を基準とし、下地や施工条件で使用量が変わると明記しています。一般住宅の最終見積額とは分けて読みましょう。塗料グレード別の単価は屋根塗装の費用相場の記事で扱っています。

費用項目金額が変わる主な要因
足場・飛散防止建物の外周、高さ、敷地、道路使用、屋根勾配
洗浄・下地処理苔、旧塗膜、乾燥、割れや欠けの数
下塗り使用製品、吸い込み、必要な塗布量と回数
上塗り製品グレード、塗装面積、色、必要缶数
縁切り工法、施工範囲、専用部材の個数
板金工事棟板金の長さ、錆、固定、下地木材の交換

見積面積は、単純な建物の床面積とは一致しません。屋根の平面形状、勾配、下屋の有無で実際の面積が変わります。各社の数量が大きく違うときは、図面から算出したのか、実測したのか、塗装しない部分をどう扱ったのかを確認してください。

見積もりで確認したいスレート固有の項目

複数社へ見積もりを頼む際は、屋根材の推定商品名、塗装できると判断した根拠、割れや反りの分布をそろえてもらいます。一社が塗装、別の会社がカバー工法を提案した場合は、価格だけを並べず、想定する下地状態と維持期間の違いを確認してください。

塗装案では、屋根面積、洗浄、補修、下塗りと上塗りの製品名、塗装回数、標準塗布量、必要缶数、縁切り方法を確認します。追加補修が発生する条件と単価、施主へ写真を示して承認を得る手順も契約前に決めます。外壁と同時施工なら、共用できる足場費と屋根単独の工事費を分けてもらうと比較しやすくなります。

カバー工法や葺き替え案では、新しい屋根材と防水紙、既存屋根の撤去範囲、下地補修、換気部材、廃材処分を確認します。石綿含有の事前調査や処分が必要な場合、その費用が見積もりに含まれるかも重要です。工事中は洗浄後、補修後、下塗り後、上塗り後、縁切り、完成の工程写真を受け取り、使用材料の納品記録、色番号、保証書も保管してください。

よくある質問

スレート屋根の塗装費用はいくらくらいかかりますか

ケイミューの試算では、屋根面積101平方メートルの寄棟住宅をカラーベスト用塗料で塗り替える概算費用は約130万円(税込)からで、運搬費、処分費、付帯工事費は含まれていません。実際の総額は足場、勾配、補修範囲、塗料グレード、縁切りの方法で変わります。総額だけでなく、面積と各項目の数量をそろえて複数社を比べてください。

色あせたスレート屋根はすぐ雨漏りしますか

色あせだけで直ちに雨漏りするとは限りません。雨仕舞には屋根材の重なりや下の防水紙も関係します。ただし、表面の劣化を調べる合図にはなるため、割れ、反り、棟板金、室内の染みと合わせて安全な方法で点検してください。

塗装できないスレート屋根はどのように見分けますか

広範囲の割れや反り、表面が層状に剥がれる症状、踏むと割れるほどの脆弱化がある屋根は、塗装で強度を回復できません。製品名でも判断できるため、新築時の図面や仕様書、屋根材裏面の表示から製造年代と商品名を確認してもらいましょう。「塗れない」と言われた場合は、推定商品名と症状を書面でもらい、別の施工店の診断と比べてください。

コロニアル屋根は必ず縁切りが必要ですか

塗装で重なり部が塞がる箇所は、排水のため縁切りが必要です。既存の隙間が十分で塗装後も塞がらないなど、状態によって施工店の判断は変わります。不要という説明を受けた場合も、隙間の確認方法と完成基準を聞きましょう。

アスベストを含むスレート屋根でも塗装できますか

石綿を含む化粧スレートは、通常の使用状態で直ちに除去が必要なものではなく、基材が健全なら塗装で維持されてきました。ただし、撤去や切断を伴うカバー工法や葺き替えでは、石綿含有の事前調査、飛散防止、処分の手続きが関係します。工法を比べるときは、調査費と処分費が見積もりに含まれているかを確認してください。

スレート屋根だけ先に塗装してもよいですか

屋根の劣化が進み、外壁が健全なら屋根だけの施工も可能です。ただし、どちらも近い時期に改修が必要なら、足場を共用する同時施工案と別々に行う案の総額を比べましょう。必要な工事を足場代だけを理由に早める必要はありません。

まとめ

スレート屋根塗装を検討するときは、コロニアルやカラーベストの商品・製造時期を確認し、表面だけでなく割れ、反り、層状剥離、防水紙や下地の状態を調べます。塗装で保護できる状態か、カバー工法・葺き替えが必要かを先に分けることが重要です。費用は工法で大きく変わり、塗装案でも面積、足場、勾配、補修、塗料で総額が動きます。

塗装案では、洗浄と乾燥、補修、下塗り、上塗りに加え、重なり部の排水を確保する縁切りまで一つの仕様として比べてください。総額と各数量の両方を確認し、写真と書面で診断根拠を残すことが後悔を減らします。

外壁塗装見積ナビでは、スレート屋根の写真や施工履歴を伝え、複数の施工店へ見積もりを依頼できます。塗装可否の根拠、縁切り、下塗り、補修範囲を比較し、屋根の状態に合う改修方法を検討してください。

参考資料

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