外壁塗装の完了書類一覧|保証書・工程写真・使用塗料の確認点
外壁塗装の工事が終わり、足場が外れると、施工店から書類の束を渡されます。保証書、工事写真のアルバム、請求書、領収書などが入っていても、何が欠けていると困るのか、どこを読めばよいのかは分かりにくいものです。
完了時の書類は、受け取った日には役目が見えにくい一方で、数年後に不具合が出たとき、次の塗り替えで見積もりを取るとき、家を売るときに効いてきます。この記事では、完了時に受け取りたい書類を一覧にし、それぞれで確認する記載事項と、完了検査で現場と照合する方法を整理します。
完了時に出す書類まで含めて見積もりを比べる
外壁塗装見積ナビでは、複数の施工店へ見積もりを依頼し、保証書の内容や工程写真の提出方法まで比べられます。契約前に「工事が終わったら何を受け取れるか」を確認しましょう。
外壁塗装の完了時に受け取る書類の一覧
書類は、工事が契約どおりだったことを示すもの、将来の請求や補修に使うもの、お金と税の手続に使うものの3種類に分けると整理しやすくなります。施工店によって書類の名前や形式は違いますが、次の内容がどこかに書かれていれば役目は果たせます。
| 書類 | 主な記載事項 | 主に使う場面 |
|---|---|---|
| 保証書 | 発行者、施工場所、対象部位、保証期間、開始日、免責事項、連絡先 | 不具合が出たときの請求 |
| 工程写真(工事写真帳) | 面・部位ごとの施工前、下地処理、下塗り、中塗り、上塗り、完成 | 施工内容の証明、保証請求、次回の調査 |
| 使用塗料・材料の一覧 | 製品名、メーカー、色番号、艶、使用缶数、施工部位 | 部分補修、次回の塗料選び |
| 完了報告書・完了確認書 | 工事期間、施工範囲、変更点、施主の確認日 | 引き渡しの記録 |
| 最終見積書・変更合意書 | 当初からの増減、追加工事の内容と金額 | 請求額の照合 |
| 請求書・領収書 | 金額、支払日、内訳、発行者 | 支払いの証明、税の手続 |
| 保険や証明書の書類(該当時) | リフォーム瑕疵保険、増改築等工事証明書など | 保険請求、減税の申告 |
この一覧のうち、保証書、工程写真、使用塗料の一覧の3つは、出す・出さないや中身の詳しさが施工店によって最も差が出やすい書類です。見積もりの段階で各社に「完了時に何を渡すか」を聞き、見本を見せてもらうと、工事の管理の細かさまで比べられます。
保証書は「誰が・どこを・いつまで」保証するかを読みましょう
保証書を受け取ったら、まず発行者を確認します。施工店が自社で出す保証か、塗料メーカーが出す保証か、保険法人が引き受ける保険かで、請求する相手も、会社が倒産したときの扱いも変わるためです。
次に、施工場所と対象部位が特定されているかを見ます。「外壁塗装一式」としか書かれていない保証書では、付帯部やシーリングが含まれるのかが分かりません。外壁、屋根、付帯部、シーリングがそれぞれ何年なのか、保証の対象となる現象が「剥がれ」「膨れ」などに限られているのかも読みましょう。
保証期間の開始日も大切です。完了日なのか引渡し日なのかで、期間の終わりが変わります。免責事項には、天災、建物の動きによるひび割れ、施主が後から取り付けた設備による損傷などが書かれていることが多く、どこまでが対象外かを把握しておくと、不具合が出たときに慌てずに済みます。保証書の詳しい読み方は外壁塗装の保証期間は何年?で解説しています。
なお、保証書がなくても、請負契約に基づく責任を問える場合があります。民法第637条は、工事の結果が契約の内容に適合しないとき、注文者がそれを知った時から1年以内に請負人へ通知しないと、補修や損害賠償の請求ができなくなると定めています。不具合に気づいたら、保証期間の有無にかかわらず、記録が残る方法で早めに知らせることが大切です。
工程写真は「どの面のどの工程か」が分かる形で受け取りましょう
工程写真は、完成後には見えなくなる下地処理や下塗りが行われたことを示す、ほぼ唯一の記録です。枚数が多くても、どの面を撮ったのか分からない写真では証拠として弱くなります。
確認したいのは、面や部位の名前と工程名が写真ごとに分かることです。北面の下塗り、南面の中塗りのように、同じ場所を工程ごとに撮っていれば、塗り回数を追えます。中塗りと上塗りの色を変えて撮影する施工店もあり、この場合は写真で塗り重ねの区別がつきやすくなります。下地処理では、ひび割れの補修、シーリングの撤去と打ち直し、錆を落とす作業(ケレン)の写真があるかを見ましょう。
受け取り方は、紙のアルバムだけでなく、元の画像データもあると後で使いやすくなります。撮影日時が残るため、乾燥時間を空けて塗り重ねたかを確かめる材料にもなります。受け取った写真の具体的なチェック方法は、外壁塗装の工程写真はなぜ必要?で詳しく説明しています。
保存するときは、紙は保証書と同じファイルに入れ、画像データはパソコンとクラウドなど2か所に分けておくと安心です。次の塗り替えや売却のときに、そのまま見積もりの資料として渡せます。
使用塗料の一覧は製品名・色番号・缶数まで残しましょう
使用した塗料の記録は、数年後に一部だけ補修するとき、色を合わせるための手がかりになります。製品名だけでなく、色の指定方法と使った量まで残しておくと、記録としての価値が上がります。
| 記録する項目 | 記載の例 | 確認するポイント |
|---|---|---|
| 製品名・メーカー | 下塗り、中塗り、上塗りのそれぞれの製品名 | 見積書・契約書の製品と一致しているか |
| 色番号 | メーカーの色番号、または日本塗料工業会の色票番号 | 色見本の版も控えてあるか |
| 艶 | 艶あり、7分艶、5分艶、3分艶、艶消し | 契約時に選んだ艶と一致しているか |
| 使用缶数 | 製品ごとの缶数と容量 | 面積と製品の標準的な塗布量に見合うか |
| 施工部位 | 外壁、屋根、軒天、雨樋など | 部位ごとに別の塗料を使ったか |
| シーリング材 | 製品名と色 | 打ち替えか増し打ちかの区別 |
色番号の書き方には、塗料メーカー独自の番号と、日本塗料工業会の「塗料用標準色」の色票番号があります。日本塗料工業会は、色票番号で指定すれば国内のどのメーカーや塗料販売店に発注しても希望の色を入手できると案内しています。色見本は数年ごとに新しい版が出ており、2024年P版の次は2027年に発行予定とされているため、どの版の番号かも記録しておくと確実です。
缶数の記録は、塗料を規定どおりに使ったかを確かめる材料にもなります。メーカーのカタログには製品ごとの塗布量が示されているので、塗った面積と照らして極端に少なくないかを確認できます。工事中の空き缶を撮影してもらい、写真の一部として残す方法もあります。
請求書・領収書と税の手続で使う書類を確認しましょう
お金の書類では、最終的な請求額が、契約書の金額に変更合意書の増減を加えたものと一致しているかを確かめます。追加工事が口頭のやり取りだけで請求に入っていないか、値引きが反映されているかも見ておきましょう。
領収書は、支払いの事実を証明する書類です。国税庁の案内では、売上代金の受取書は記載金額が5万円未満なら印紙税がかからず、5万円以上なら金額に応じた印紙税がかかります。印紙を貼って納めるのは領収書を発行する施工店側の手続なので、施主が用意するものはありません。領収書では、宛名、金額、支払日、但し書きの工事名が契約内容と合っているかを確認しましょう。契約書の印紙は外壁塗装の工事請負契約書に印紙は必要?で扱っています。
税の手続に書類を使う可能性がある場合は、工事が終わる前に施工店へ伝えておきましょう。国土交通省は、外壁塗装を単体で行う工事はリフォーム促進税制の原則対象外としていますが、耐震改修や断熱改修に伴う塗装は一体の工事として扱える場合があると説明しています。この場合は、建築士等が発行する増改築等工事証明書や、工事内容を区分した見積書・請求書が必要になります。必要な書類と依頼の時期は外壁塗装の確定申告に必要な書類で詳しく説明しています。
賃貸住宅など事業用の建物を塗装した場合は、経費の計上に請求書と領収書を使います。修繕費として扱えるかは工事の内容で判断が分かれるため、内訳が分かる書類を受け取り、税理士などに確認してください。
完了検査で書類と現場を突き合わせましょう
書類は、受け取って保管するだけでなく、足場を外す前の完了検査で現場と照合すると役に立ちます。足場があるうちなら、2階の外壁や軒天の塗り残しも近くで確認でき、指摘した箇所の手直しも足場を組み直さずに済みます。
照合の手順は、契約書と最終見積書で施工範囲を確かめ、工程写真で各面の工程を追い、使用塗料の一覧で色と艶を現物と見比べる、という順番が分かりやすいでしょう。見積書にある付帯部(雨樋、破風板、水切りなど)が塗られているか、シーリングを打ち替えた目地の範囲が写真と一致しているかも見ます。
検査で指摘した箇所は、手直しの前後の写真を撮ってもらい、完了報告書に追記してもらいます。口頭で「直しておきます」と言われただけでは、後で確認できません。完了検査で見る場所の一覧は外壁塗装の完了検査チェックリストにまとめています。
リフォーム瑕疵保険に加入した工事では、施工中や完了後に第三者の検査員(建築士)による現場検査が行われます。欠陥が見つかったときの補修費用は保険でまかなわれ、施工店が倒産していても発注者が保険金を受け取れる仕組みです(国土交通省の案内)。保険に加入したことが分かる書類を施工店から受け取り、保証書と一緒に保管しておきましょう。
よくある質問
外壁塗装が終わったら、最低限どの書類を受け取ればよいですか?
最低限そろえたいのは、保証書、工程写真、使用塗料の一覧、請求書と領収書の4種類です。保証書は不具合の請求に、工程写真と塗料の一覧は施工内容の証明と次回の補修に、領収書は支払いの証明に使います。どれかが欠けている場合は、足場を外す前に施工店へ依頼しましょう。
工程写真は何枚あれば十分ですか?
枚数よりも、面ごとに施工前、下地処理、下塗り、中塗り、上塗り、完成の各工程を追えるかが判断の基準です。一般的な戸建てでも4面と付帯部を撮れば、写真は相応の枚数になります。工程の抜けがある面は、なぜ写真がないのかを確認してください。
保証書に会社の印鑑があれば、それで有効ですか?
印鑑の有無より、施工場所、契約者、対象部位、保証期間、開始日、免責事項、連絡先が具体的に書かれているかが大切です。対象部位や開始日が曖昧だと、不具合が出たときに保証の範囲で争いになりやすくなります。記載が足りない場合は、受け取る時点で追記を求めましょう。
使用した塗料の色番号は、なぜ記録しておく必要があるのですか?
数年後に一部だけ補修するときや、次の塗り替えで同じ色を選ぶときに、色を正確に指定するためです。日本塗料工業会の塗料用標準色の色票番号なら、どのメーカーにも同じ色を伝えられます。メーカー独自の番号の場合は、製品名とセットで残しておきましょう。
完了書類をなくしたら、再発行してもらえますか?
施工店が工事の記録を保管していれば、写しを出してもらえることがあります。ただし保管期間や手数料は会社ごとに違い、会社が廃業していると入手できません。受け取った時点で原本をまとめて保管し、写真や保証書はスキャンして控えを作っておくと安心です。
完了書類は何年くらい保管すればよいですか?
少なくとも保証期間が終わるまでは保管が必要です。工程写真と使用塗料の一覧は、次の塗り替えの見積もりでも使うため、次回の工事が終わるまで残しておくとよいでしょう。住宅を売却するときにも、外壁の手入れの履歴として買主に示せます。
まとめ
外壁塗装の完了時には、保証書、工程写真、使用塗料の一覧、完了報告書、請求書・領収書を受け取り、必要に応じて保険や税の手続の書類もそろえます。保証書は発行者・対象部位・開始日を、工程写真は面と工程の対応を、塗料の一覧は製品名・色番号・缶数を確認しましょう。
書類は足場を外す前の完了検査で現場と照合し、指摘箇所の手直しも記録に残すことで、将来の保証請求や次回の見積もりに使える資料になります。完了時に何を渡すかは施工店によって差があるため、契約前の見積もりの段階で確認しておくことが大切です。
完了書類の内容まで比べて施工店を選ぶ
外壁塗装見積ナビでは、複数の施工店から見積もりを取り、保証書の範囲、工程写真の撮り方、使用塗料の記録方法まで比べられます。工事が終わってから困らないよう、契約前に確認しましょう。
参考資料
- e-Gov法令検索「民法」(第637条)(2026年10月15日確認)
- 国税庁「No.7105 金銭又は有価証券の受取書、領収書」(2026年10月15日確認)
- 国土交通省「よくあるご質問(リフォーム促進税制、住宅ローン減税等)」
- 国土交通省「リフォームかし保険について」
- 日本塗料工業会「2024年P版 塗料用標準色」