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外壁塗装の費用・塗料・業者選びをわかりやすく解説

吹き付けタイル・ボンタイル外壁の塗り替え|特徴・費用・塗料の選び方

吹き付けタイル外壁の塗り替え|特徴・費用・塗料の選び方

「吹き付けタイル」は焼き物のタイルを張った壁ではありません。主材を吹き付けて凹凸模様を作り、その上へ色付きの上塗りを施す複層仕上塗材の通称です。陶磁器タイルと取り違えると、塗装の要否も補修方法も変わってしまいます。

塗り替えでは、上塗りの色あせだけでなく、模様層の浮き、硬質か弾性か、モルタル・コンクリート下地のひびを確認します。本記事では、外壁の吹き付け仕上げの種類を整理したうえで、吹き付けタイル仕上げの識別と改修、見積もりの比べ方を解説します。

旧仕上げの種類と残せる範囲をそろえましょう

外壁塗装見積ナビでは、吹き付けタイル外壁の診断結果を伝え、複数の施工店へ無料で見積もりを依頼できます。

吹き付けタイルは下塗り・主材・上塗りで構成される

複層仕上塗材は、下地との付着を担う下塗り、厚みと模様を作る主材、色・艶・耐候性を担う上塗りで構成されます。玉状に吹き付けた主材の凸部をローラー等で押さえる「ヘッドカット」など、施工方法によって模様が変わります。

リシンは骨材を含む薄い砂壁状の仕上げ、スタッコはより厚く大柄な模様が一般的です。しかし改修歴がある壁は、上から別の塗料が重なり、外観だけでは判別しにくくなります。設計図の外部仕上表、過去の見積書、断面観察から確認します。

JIS A 6909では複層塗材に硬質、可とう形、防水形などの区分があります。「吹き付けタイル」という呼び名だけでは性能を特定できないため、既存層の弾性や付着を調べることが重要です。

ボンタイルとは何か、玉吹きとの違い

「ボンタイル」は、もとはボンタイル株式会社の製品・工法の名称です。現在のボンフロン株式会社の沿革には、1965年に「ボンタイル」の屋外現場施工技術を開発し、複層仕上塗材(吹付タイル)のルーツになったと記されています。現場では吹付タイル全般をボンタイルと呼ぶこともあります。古い仕上表や工事記録で「ボンタイル」と書かれていても、現在の製品名や塗膜の樹脂、硬質・弾性の区分まで分かるわけではありません。製品名と施工年が残っていれば、それを手掛かりに仕様を調べます。

一方、「玉吹き」は製品名ではなく、主材を粒・玉状に吹き付けて模様を作る工程・仕上がりの呼び方です。東亞合成の改修用タイル仕上材の工程にも「主材玉吹き・模様塗り」が示されています。玉を吹いたまま残す仕上げと、乾く前に凸部を押さえるヘッドカット(凸部処理)仕上げでは陰影と触感が変わります。「玉吹き」の一語だけで使用製品や上塗り材は決まりません。

見積書・仕上表の表記まず確認すること判断できないこと
ボンタイル当時の製品名、施工年、改修履歴現在の塗膜の樹脂・付着・石綿の有無
玉吹き主材の模様を残すか、玉の大きさをどう合わせるか製品名、硬質・弾性、上塗りの仕様
吹き付けタイル旧仕上げの層構成と再塗装か再形成か使われた製品名と樹脂の種類

過去の製品資料が確認できない壁では、外観だけで「ボンタイルだからこの塗料でよい」と決めず、施工店に旧層の付着・柔軟性・補修範囲を調べてもらいます。塗り替えでも高圧洗浄やケレンで旧塗膜を削る工事は、石綿の事前調査の対象になり得ます。調査の要否と範囲、その結果に応じた工法・費用を施工店に確認します。古い仕上塗材には石綿を含むものがあり、呼び名だけで個々の壁の含有は判定できません。

外壁の吹き付け仕上げはリシン・スタッコ・吹き付けタイルの3種類が中心です

「外壁の吹き付け」と呼ばれる仕上げは、JIS A 6909の区分では薄付け仕上塗材、厚付け仕上塗材、複層仕上塗材におおむね対応します。エスケー化研は、吹付タイルやリシンの膜厚を0.5〜3mm程度、スタッコを1〜5mm程度とし、一般的な塗料の30μm(0.03mm)程度と比べて厚い層であると説明しています。

仕上げの通称JIS A 6909での主な区分膜厚の目安見た目塗り替え時に見る点
リシン外装薄塗材(薄付け仕上塗材)0.5〜3mm程度細かな砂壁状、艶なし粉化、吸い込み、ひびの多さ
スタッコ外装厚塗材(厚付け仕上塗材)1〜5mm程度大柄で厚い凹凸凹部の塗り残し、所要量の増加
吹き付けタイル複層塗材(複層仕上塗材)0.5〜3mm程度玉状・ヘッドカット模様、上塗りの艶硬質・弾性、層間の剥離、膨れ

膜厚はエスケー化研「よくあるご質問」の記載によります。同じ区分でも製品と施工方法で厚みは変わるため、既存壁の判定は断面や仕様書で行ってください。リシン仕上げの改修はリシン外壁の塗装で扱っています。

吹き付けタイル(複層仕上塗材)の下塗り・主材・上塗りの層構成を示した断面図

硬質・弾性と過去の塗り重ねを診断する

硬質の旧仕上げへ過度に柔らかい層を組み合わせる場合や、弾性層へ硬い塗料を重ねる場合は、割れ・膨れ・付着不良のリスクを検討します。旧塗膜を指で押すだけでは正確に分からないため、施工会社に層構成と適合性を説明してもらいます。

塗膜の一部を採取・観察すると、主材と上塗りの層、塗り替え回数、剥離している界面を確認できる場合があります。必要に応じて付着強度試験や試験施工を行い、健全な旧層を残すか、脆弱層を除去するか決めます。

状態調べる内容改修の方向
色あせ・チョーキング上塗りだけの劣化か洗浄・下塗り・再塗装
凸部だけ摩耗模様層の強度模様を残すか再形成
膨れ水分、層間剥離原因除去と弱層撤去
ひび割れ下地までの深さ、動きひび補修後に適合仕上げ
広範囲の浮き剥離界面、落下危険除去・再形成を検討

ひびと膨れは塗る前に原因を止める

表面の細いひびでも、モルタルやコンクリート下地まで達していれば、上塗りだけでは再発します。幅、深さ、方向、動き、漏水を調べ、被覆、樹脂注入、Uカットシール材充填などから補修方法を選びます。ひびの幅別の補修方法は外壁のひび割れ補修で整理しています。

膨れは旧塗膜の付着不良だけでなく、壁内部の水分、漏水、透湿性の低い塗膜の重なりが関係することがあります。膨れだけを削って塗り直しても、水分供給が続けば周囲へ再発します。屋上、笠木、窓回り、目地も確認してください。

浮いた仕上げは落下のおそれがあります。高所を自分で叩いたり剥がしたりせず、直下への立ち入りを避けて専門業者へ相談します。

模様を残す塗装と作り直す工法を選ぶ

既存主材が健全なら、凹凸を残したまま下塗りと上塗りをローラーや吹付けで施工できます。凹部へ塗料が届く道具を選び、塗布量を確保します。平滑面と同じ面積でも、模様が深いほど材料量が増えます。

補修跡や模様の欠損が多い場合は、下地を整え、主材でパターンを再形成してから上塗りします。既存との境界だけ直すとパターン差が目立つため、面単位で再形成する場合もあります。吹付けは均一な模様を作りやすい一方、飛散養生と近隣対策が重要です。道具ごとの仕上がりの差はローラーと吹き付けの違いも参考にしてください。

凸部処理の有無、玉の大きさ、密度、艶で完成像が変わります。着工前に実壁へ試験面を作り、乾燥後の色と陰影を確認しましょう。

既存塗膜の処理は四つの工法から選ぶ

国土交通省の「公共建築改修工事標準仕様書(建築工事編)令和7年版」は、仕上塗材仕上げ外壁の改修で、既存塗膜の劣化部を除去する方法として次の四つを示しています。戸建て住宅にそのまま適用される基準ではありませんが、見積書の「下地処理」が何を指すかを確認する物差しになります。

工法仕様書に示された内容向く状態見積もりで確認する点
サンダー工法脆弱な塗膜や膨れをサンダー、スクレーパー等で除去し、段差を下地調整塗材で整える膨れ・剥がれが部分的に出ている除去する範囲と段差調整の数量
高圧水洗工法高圧水で既存塗膜と下地の劣化部を除去する。加圧力は試験施工で決める旧塗膜の付着が広く弱っている水圧を決めた試験施工の有無
塗膜はく離剤工法はく離剤で既存塗膜をすべて除去し、全面を下地調整塗材で整える塗り重ねが多く、層間剥離が広範囲はく離剤の残留対策、全面再形成の費用
水洗い工法ひびを補修し、粉化物や付着物を水洗いで除去する旧塗膜が健全で、色あせ・汚れが中心洗浄だけで済ませる根拠

同じ仕様書は、吹付けで凹凸模様を作る複層塗材の所要量を、下塗材0.1kg/㎡以上、主材基層0.7kg/㎡以上、主材模様0.8kg/㎡以上、上塗材0.25kg/㎡以上(2回)としています。主材から作り直す提案では、この程度の材料を面積分使う前提で、缶数と面積が釣り合っているかを確認しましょう。

上塗りは旧塗膜と下地水分に合わせる

上塗りはシリコン、ふっ素などの呼称だけで選びません。水性・弱溶剤、1液・2液、硬質・弾性、透湿性、低汚染性を、既存層と建物条件に合わせます。適合する下塗りを含む塗装系としてメーカー仕様を確認します。

防水形複層塗材は、弾性のある主材層によってひびへの追従と防水性を持たせる仕様があります。ただし構造的なひびや大きな動きを永久に防ぐものではなく、含水した下地へ施工すれば膨れの原因になります。エスケー化研は、弾性は塗膜自体が伸びて微細なひびに追従する機能、可とう形は弾性ほど伸びないものの柔軟性のある塗膜と区別しています。

艶ありは凹凸を強調し、艶消しは落ち着いて見える反面、製品によって汚れやすさが異なります。同一製品の艶調整範囲と性能を確認し、試験面で選びます。

吹き付けタイル外壁の費用

既存模様を残す一般的な塗り替えは、塗装部分で1平方メートル当たり約3,000〜5,500円(税込の目安)です。主材の再吹付け、全面的な旧層除去、防水形仕様、広いひび補修が必要なら高くなります。30坪前後の戸建てで足場や付帯部を含む総額は80万〜150万円程度(税込の目安)の例がありますが、個別数量で判断してください。これらの金額は公的な基準価格ではなく、地域や時期で変わります。

見積書では、洗浄、旧塗膜除去、ひび補修、下塗り、主材、上塗りを分けます。主材を再形成するなら、製品名、面積、所要量、凸部処理、施工方法を記載してもらいます。

比較項目確認点
既存診断硬質・弾性、付着、剥離界面
下地処理除去範囲、補修工法、数量
模様残す・部分補修・全面再形成
材料下塗りから上塗りの商品名・所要量
施工ローラー・吹付け、飛散養生
精算足場後に補修が増えた場合の単価

坪数別・塗料別の総額の考え方は外壁塗装の費用相場で確認し、吹き付けタイル固有の下地処理と主材の費用がどこに上乗せされているかを見比べてください。

業者に頼むときの見積もりの確認点

吹き付けタイル外壁は、同じ壁を見ても業者によって提案が分かれやすい仕上げです。既存層を「健全」と見るか「脆弱」と見るかで、洗浄だけの案、部分除去の案、主材から作り直す案に分かれ、金額の差もそこから生まれます。価格の比較より先に、診断の根拠をそろえましょう。

提案が分かれる主な理由は三つあります。一つ目は既存層の診断方法で、目視だけの会社と、付着試験や断面観察をする会社では、残せる範囲の判断が変わります。二つ目は模様の扱いで、ローラーで凹凸を残す会社と、主材を吹き直して模様を整える会社があります。三つ目は上塗りの考え方で、硬質の旧層に弾性系を重ねるか、硬質系でそろえるかが分かれます。

見積もりを依頼するときは、次の点を質問して回答を書面で受け取ってください。

  • 既存の仕上げを吹き付けタイルと判断した根拠と、硬質・弾性の見立て
  • 既存塗膜の処理工法(サンダー、高圧水洗、はく離剤、水洗い)と範囲
  • ひび補修の工法と数量、足場を組んでから増えた場合の単価
  • 主材を再形成する場合の製品名、所要量、凸部処理の有無
  • 「ボンタイル」「玉吹き」の表記がある場合、既存製品を特定した根拠と、玉の大きさ・密度を残すか再現するか
  • 下塗りから上塗りまでの製品名と、使用缶数の見込み
  • 試験面の有無と、保証の対象(新しい上塗りだけか、旧層を含むか)

相見積もりで各社の回答を並べると、安い案が工程を省いているのか、診断が異なるだけなのかを区別できます。依頼の進め方は外壁塗装の見積もりの取り方で解説しています。

工事中は隠れる層を写真で確認する

洗浄後にひびと浮きを再確認し、追加箇所を立面図へ記録します。脆弱層の除去、ひび補修、下塗り、模様合わせは上塗り後に見えないため、工程ごとに写真を残してもらいます。

使用缶数と塗布面積から、メーカー所定の使用量に対して大きな不足がないか確認します。吹付け時は車、植栽、窓、隣家を養生し、風が強い日の施工を避けます。

足場解体前に、凹部の塗り残し、模様むら、艶、補修跡、膨れ、窓回りを検査します。保証は新しい上塗りだけか、残した旧仕上げやひび補修も含むかを分けます。

よくある質問

吹き付けタイルは本物のタイルですか

違います。一般には、液状の主材を吹き付けて凹凸模様を作る複層仕上塗材を指します。陶磁器タイル張りとは構成も改修方法も異なります。

ボンタイルと玉吹きは同じ意味ですか

同じ意味ではありません。ボンタイルは製品・工法に由来する名称で、玉吹きは主材を玉状に吹き付ける工程・模様です。どちらの表記も、それだけで現在の旧塗膜の仕様や適合する塗り替え材を特定できません。過去の仕様書、施工年、現地の塗膜調査を突き合わせてください。

吹き付けタイルの上からローラー塗装できますか

既存層が健全で新しい塗装系が適合すれば可能です。深い凹部へ届くローラーを使い、所要量を確保します。模様欠損が多い場合は主材の再形成も比較します。

弾性塗料ならひび割れ補修は不要ですか

不要にはなりません。ひびの幅、深さ、動き、漏水を調べ、必要な補修をしてから弾性仕様を検討します。大きな動きや構造的なひびを塗膜だけで解決できません。

リシンとの見分け方は何ですか

吹き付けタイルは複層で比較的大きな玉状模様と上塗りがあり、リシンは細かな骨材を含む薄い砂壁状が一般的です。改修で外観が変わるため、仕上表や塗膜断面も確認します。

外壁の吹き付け塗装はローラー塗装より長持ちしますか

道具の違いだけで耐久性は決まりません。耐久性を左右するのは塗料の種類と、所定の所要量を塗れているかどうかです。吹付けは模様を均一に作りやすく、ローラーは飛散が少ないため、模様を作り直すか残すかで使い分けます。

吹き付けタイル外壁の塗り替えは何年ごとが目安ですか

上塗りの樹脂で変わります。エスケー化研は、期待耐用年数をアクリルで5〜8年、ウレタンで8〜10年、シリコンで10〜15年、ふっ素で15〜20年と一般的にいわれていると説明しています。年数は点検時期の目安とし、チョーキング、ひび、膨れの有無で塗り替えを判断してください。

まとめ

吹き付けタイル外壁は、下塗り、模様を作る主材、上塗りで構成される複層仕上塗材です。塗り替え前に硬質・弾性、過去の塗り重ね、付着、ひび、膨れを調べ、残せる層と除去する層を分けます。

既存模様を残すか、主材から再形成するかで、施工方法と費用は変わります。見積もりでは各層の商品名、所要量、既存塗膜の処理工法、補修数量、吹付け養生、試験面をそろえて比較しましょう。

外壁塗装見積ナビでは、吹き付けタイル外壁の既存仕様と劣化状態を伝え、複数の施工店へ無料で見積もりを依頼できます。診断と完成模様の条件をそろえて検討してください。

参考資料

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