キソハバキコートとは|基礎の塗装に使う製品と見積書の確認点
「キソハバキコート」と呼ばれる製品の正式名は、関西ペイントのアレスキソハバキコートです。住宅のコンクリート基礎のうち、地面より上に見える「基礎巾木」の塗装に使います。水性1液でつや消しの塗料ですが、ひび割れた基礎にそのまま塗れば補修と防水がすべて済む製品ではありません。
この記事では製品の適用範囲、下塗り、ひび割れの扱い、材料数量を、メーカーの資料から整理します。基礎塗装が必要か、費用をどう考えるかは関連記事で扱います。基礎のひび割れの点検は、塗装とは分けて判断してください。
基礎の状態と塗装範囲を揃えて見積もる
外壁塗装見積ナビで見積もりを依頼する際は、基礎巾木のひび・湿り・白い析出物の写真を共有し、各社に補修、シーラー、アレスキソハバキコートの2回塗り、塗る高さと長さ、税込費用を分けて示してもらいましょう。
アレスキソハバキコートは基礎巾木用の水性1液塗料
関西ペイントの製品カタログでは、アレスキソハバキコートの適用部位を「建物のコンクリート基礎巾木」としています。製品カタログは「シリコン配合1液水性微弾性透湿形基礎巾木用塗料」と説明しています。塗装するのは住宅基礎の地面から上の見えている面で、基礎の構造補強や地下の防水工事を代替するものではありません。
メーカーが示す特徴は、つや消しの仕上がり、透湿性、防かび・防藻性、基礎コンクリートの中性化を抑える働きなどです。「シリコン配合」は製品の説明であり、上塗りだけで構造上のひび割れや雨水の経路を直せるという意味ではありません。基礎表面の塗装を提案されたら、まず現状のひび・剥離・湿りと、塗料の役割を施工店から説明してもらってください。
| メーカー資料の項目 | 公表内容 | 見積書での確認点 |
|---|---|---|
| 適用部位 | コンクリートの基礎巾木 | どこからどこまで塗るか |
| 適用下地 | コンクリート・モルタル、指定された旧つや消し塗膜 | 既存仕上げと付着状態 |
| 荷姿・色 | 16kg・4kg。基礎に近い淡彩色など | 缶数、色番号、色見本 |
| 艶 | つや消し | 外壁・土間との見え方 |
| 下塗り | シーラーを必ず使用 | 製品名と下地への適合 |
カタログは基礎コンクリートに近い色としてN-70、25-70Aなどを例示し、指定色への調色にも触れています。ただし中濃彩色は対応できないとします。濃いチャコールなどにしたい場合は、希望色が製品で調色できるかを事前に確認しましょう。色見本の小片と、日当たりや雨後の基礎では見え方も違います。
0.3mm未満のヘアークラックと、それ以上の割れは分ける
メーカーのカタログは、0.3mm未満のヘアークラックなら本製品で充填補修できると記載しています。一方で、0.3mm以上の割れにはクラック補修材や樹脂注入など、別の補修を指定しています。メーカーが示す「微弾性」を、幅の広いひびや鉄筋の露出まで上塗りで処理できる意味に広げないことが重要です。
施工店には、ひびの位置、幅、長さ、段差、雨のあとに濡れるかを記録してもらいましょう。基礎と外壁の取り合い、換気口まわり、配管の貫通部などは水の入り方も確認します。鉄筋が見える、モルタルが浮く、ひびに段差がある場合は塗装前に別の点検・補修が必要です。どの割れを塗料で扱い、どれを別途補修するか、見積書に数量で分けてもらいます。
基礎表面に白い粉状の析出物(エフロレッセンス)がある場合も、原因と清掃方法を確認します。カタログは、除去薬剤を使う際の植栽の養生、処理後の十分な水洗と乾燥を指示しています。上から塗って隠すだけでは、下地の状態を確認できません。施工写真は清掃・補修・下塗りの各段階で残してもらうと、工程が見えます。
常に湿る基礎と歩行面には使わない
メーカーの施工仕様には、絶えず結露しているような湿潤環境の基礎部には塗装を勧めない、床面・歩行面には塗らないという注意があります。基礎巾木の下端がいつも濡れている、雨のあと長く乾かない、白い析出物が繰り返し出る場合は、まず水の供給源や排水を調べましょう。土間や玄関ポーチを同じ塗料で仕上げる提案なら、適用部位と製品を分けて確認します。
製品説明には「防水性」もありますが、地中からの水分、配管の漏水、基礎と外壁の取り合いの雨漏りまで解消する保証ではありません。雨樋の排水が基礎に集中していないか、地面が基礎に向かって低くなっていないか、基礎の表面が乾燥する環境かを現地で見ます。水分の原因が未解決なら、塗装の時期や別工事の要否を施工店と相談してください。
シーリング材の上も通常の基礎コンクリートとは違います。メーカーは、シーリング上への塗装は割れや汚れを生じることがあるため避け、やむを得ず塗る場合は事前の試験塗装で付着と粘着を確認するよう注意しています。見積書の基礎面積にシーリング部分まで含まれていれば、そこをどう扱うか確認しましょう。
シーラー1回と上塗り2回を仕様書で照合する
関西ペイントの製品説明書は「必ずシーラーを塗装」と明記しています。標準仕様では、下地の清掃・補修のあと、エコカチオンシーラー1回、アレスキソハバキコート2回です。シーラーなしの「基礎塗装2回」という見積もりなら、メーカー標準仕様との違いを聞いてください。
下地が脆弱な場合、メーカーはエコカチオンシーラーに代えて浸透形MシーラーやエポMシーラーを候補としています。下塗りが変われば材料と費用も変わります。基礎の古い塗膜が剥がれている場合は、塗料名だけを先に決めず、既存塗膜の除去と下塗りの適合を確認します。シーラー・プライマー・フィラーの違いも参考になります。
カタログの標準所要量は、上塗り1回当たり0.3kg/㎡です。したがって上塗り2回なら計算上は0.6kg/㎡が出発点になりますが、下地の凹凸や吸い込み、施工ロスで必要量は変わります。たとえば、基礎巾木の塗る長さが40m、高さが0.4mなら面積は16㎡です。上塗りだけの計算値は約9.6kgで、ここにロスや補修部の増加を加え、4kg缶・16kg缶をどう組み合わせるかを施工店が判断します。塗装面積の計算では換気口や塗らない面をどう扱うかも揃えましょう。
乾燥条件にも注意が必要です。製品説明書は気温5℃以下、湿度85%以上、雨天を避けるよう示し、カタログには気温5℃以下・湿度80%以上や結露予想時の中止が記されています。資料間で湿度の数値が異なるため、現場では最新の製品仕様を施工店に確認し、基礎が乾いている日に施工します。低温時には塗り重ね間隔が長くなることもあります。
メーカー設計価格を住宅の基礎工事総額にしない
関西ペイントの設計価格表(2023年7月現在、消費税別、白・淡彩色の価格)には、アレスキソハバキコートについてエコカチオンシーラーを下塗りとする仕様で2,730円/㎡が掲載されています。浸透形Mシーラーを下塗りに使う場合は330円/㎡を加える注記があります。関西ペイントは2026年7月現在の新しい設計価格表も公開しているため、見積もりの際は最新の表の値を施工店に確認しましょう。この数字は300㎡以上を基準にした材工共設計価格で、下地調整代、養生費、足場代、諸経費、法定福利費は含まれません。
住宅の基礎巾木は、例のように十数㎡になる場合があり、メーカーの300㎡基準とは面積が大きく違います。2,730円に16㎡を掛けた金額をそのまま請求額とみなすと、少量缶の購入、清掃・ひび補修、周囲の養生、外壁工事と同じ日に施工するかによる段取りの差が抜けます。実際の費用は、塗る長さと高さ、補修量、下塗り材、上塗りの予定缶数、外壁工事との同時施工を確認したうえで税込総額を比較してください。
基礎塗装を外壁塗装の見積もりに含む会社と、付帯工事として別計上する会社もあります。項目がない場合は「基礎は塗らない」意図なのか確認し、必要なら同じ範囲の追加見積もりを取ります。「基礎巾木コート一式」とだけ記載されている場合は、製品の正式名と工程を分けて記載してもらいましょう。
| 見積書の欄 | 確認すること |
|---|---|
| 現況 | ひび幅・長さ、浮き・鉄筋露出、湿り、エフロ、旧塗膜 |
| 補修・清掃 | 0.3mm以上の割れの補修、劣化塗膜・析出物の除去、乾燥 |
| 塗装範囲 | 建物のどの面か、巾木の高さと長さ、床面・歩行面を除く範囲 |
| 材料・工程 | シーラーの正式名と1回、アレスキソハバキコート2回、色番号と予定缶数 |
| 費用・保証 | 養生、足場、補修を含む税込総額と、塗膜の保証対象 |
よくある質問
基礎のひび割れはキソハバキコートだけで直りますか?
メーカーのカタログが製品による充填補修の対象とするのは、幅0.3mm未満のヘアークラックです。それ以上の割れには別の補修を求めています。幅に加え、段差、湿り、鉄筋露出などを調査し、補修と塗装を別の項目で見積もってください。
割れの位置と長さ、補修跡を平滑にする工程も確認します。補修した部分だけ色や模様が違って見える場合があるためです。
シーラーを省いて2回塗りしてもよいですか?
メーカーの製品説明書はシーラーを必須とし、標準仕様はシーラー1回、上塗り2回です。下地が脆弱ならシーラーの種類も変わります。省略を提案された場合は、施工店にメーカーの適用仕様と理由を示してもらいましょう。
「3回塗り」とだけ書かれた見積書では、1回目が指定のシーラーか分かりません。下塗りと上塗りを製品名・回数で分けてもらってください。
基礎巾木に濃い色を塗れますか?
メーカーのカタログは基礎コンクリートに近い淡い色の例を示す一方、中濃彩色には対応できないとしています。希望する色番号が調色可能か確認し、実際の見本と、外壁や土間との組み合わせを見て決めてください。
採用する色を見積書へ記載し、補修用に少量の塗料を残せるかも相談しましょう。後日の汚れや傷の部分補修で、同じ色を確認しやすくなります。
白い粉(エフロ)が出た基礎にアレスキソハバキコートを塗れますか?
関西ペイントのカタログは、白華(エフロ)を薬剤で除去する場合に植栽を養生し、水洗いして十分に乾かしてから塗るよう案内しています。白い粉が繰り返し出る基礎は、水の入り方を先に確認したほうがよいため、原因は外壁の白華(エフロレッセンス)も参考に施工店へ相談しましょう。
アレスキソハバキコートは何缶必要ですか?
メーカーの標準仕様は、上塗りを1㎡あたり0.3kgずつ2回塗る工程です。本文の計算例のように、基礎巾木の面積に0.6kg/㎡を掛けると必要量の目安が出るため、見積書の缶数と照らし合わせましょう。基礎にひび割れがある場合は、外壁のひび割れで補修の考え方も確認できます。
まとめ
アレスキソハバキコートは関西ペイントの基礎巾木用・水性1液のつや消し塗料です。0.3mm未満のヘアークラックを充填できる一方、それ以上のひびや浮き、鉄筋露出は別途補修が必要です。常に湿る基礎や歩行面はメーカーが塗装を勧めていません。
メーカー標準仕様はシーラー1回と上塗り2回です。見積書では、基礎の現況、塗る面積、下塗りの製品名、補修と清掃、缶数、税込総額を揃えましょう。設計価格2,730円/㎡は2023年7月現在・税別・300㎡以上を基準にした値で、住宅の基礎工事総額ではありません。
基礎の補修と塗装を別の欄で確認
外壁塗装見積ナビで見積もりを比較する際は、ひび幅と湿りの調査結果、補修範囲、シーラーとアレスキソハバキコートの工程、塗装面積・色・予定材料、足場や養生を含む税込費用を各社に示してもらいましょう。