ヤネフレッシュSiとは|ルーフスターSi・スーパーシリコンルーフペイントとの違い
屋根塗装の見積書に「シリコン塗料」と書かれていたら、屋根材と製品の正式名を先に照合してください。エスケー化研のヤネフレッシュSiは彩色スレート瓦とトタン屋根の塗り替え向け、同社のルーフスターSiは金属屋根向けです。関西ペイントのスーパーシリコンルーフペイントには、金属屋根と窯業系屋根で下塗りや塗布量を変える仕様があります。名前に「ルーフ」「Si」が付いていても、同じ工程で置き換えられるわけではありません。
この記事では3製品の公式資料を基に、屋根材別の用途、下塗り、二液・一液の扱いと見積書の確認点を整理します。屋根用塗料全般の選び方は屋根塗装の塗料比較で扱っています。
屋根材と上塗材の組み合わせを確かめる
外壁塗装見積ナビで屋根塗装の見積もりを取る際は、屋根材の写真と傷みの状態を共有し、各社に上塗材と下塗材の正式名、塗装回数、面積、補修範囲を記載してもらいましょう。
3製品は製造元と適用する屋根材が異なる
ヤネフレッシュSiとルーフスターSiはエスケー化研、スーパーシリコンルーフペイントは関西ペイントの製品です。同社の上位品はプレミアムルーフSiです。3製品とも屋根用のシリコン樹脂系塗料ですが、公式資料が示す適用下地と材料の使い方が違います。
| 製品名 | 製造元 | 公式資料の主な適用下地 | 材料の使い方 |
|---|---|---|---|
| ヤネフレッシュSi | エスケー化研 | 彩色スレート瓦、トタン屋根 | 弱溶剤・二液形 |
| ルーフスターSi | エスケー化研 | カラー鋼板、カラートタン、ガルバリウム鋼板 | 弱溶剤・二液形 |
| スーパーシリコンルーフペイント | 関西ペイント | カラートタン、トタン、新生瓦、セメント瓦など | 弱溶剤・一液形。指定硬化剤を使う二液仕様もある |
「彩色スレート瓦」「新生瓦」は塗り替え対象の種類を表しますが、現場の製品名や年代によって塗装に適さない状態もあります。屋根の割れ、層状の剥がれ、下地の腐食がある場合は、塗る前に補修や葺き替え・カバー工法の適否を判断します。スレート屋根の塗装には塗装前の確認点をまとめています。
ルーフスターSiの公式ページは適用下地を金属屋根材に絞っています。彩色スレートの見積書にこの製品名が載っていれば、施工店に採用根拠を確認してください。一方、ヤネフレッシュSiはトタンも適用下地に挙げるため、「ヤネフレッシュ」の名だけでスレート専用品と決めつけられません。製品名と屋根材の両方を確認することが出発点です。
ヤネフレッシュSiは下塗りを屋根材で替える
エスケー化研はヤネフレッシュSiを「超耐久NAD型特殊シリコン樹脂塗料」と説明し、16kgセットを主剤14kgと硬化剤2kgで販売しています。希釈は塗料用シンナーAです。同じヤネフレッシュシリーズには一液・水性の「水性ヤネフレッシュシリコン」もあるため、「ヤネフレッシュシリコン」という略称だけでは水性か弱溶剤か判断できません。
メーカーのシリーズカタログには、彩色スレートの下塗り例としてマイルドシーラーEPOクリヤー、トタンの下塗り例としてSKマイルドボーセイが載ります。スレート面は吸い込みと基材の傷み、トタン面はさびと旧塗膜の状態が重要です。色あせだけの屋根と、端部に赤さびが広がる屋根では、同じ「下塗り1回」の金額にはなりません。
彩色スレートでは、メーカーが上塗り後の縁切りを工程に挙げています。重なり部分が塗料で接着していると、雨水の逃げ道を妨げるおそれがあります。縁切りの方法は屋根材や既存の隙間で変わるため、見積書の縁切り欄と施工写真で確認してください。スレート屋根のひび割れと補修も、塗装の前に直す箇所の判断に役立ちます。
ルーフスターSiは金属屋根のさび止めを確認する
ルーフスターSiはエスケー化研の二液特殊シリコン樹脂トタン屋根用塗料です。公式ページはカラー鋼板、カラートタン、ガルバリウム鋼板を適用下地に挙げ、16kgセットの内訳は主剤14kgと硬化剤2kgとしています。メーカーのシリーズカタログは、さびや劣化塗膜を除去した後の下塗りとして、マイルドサビガード、SKマイルドボーセイなどを仕様に載せています。
金属屋根で大切なのは、上塗りのグレードだけではありません。既存の塗膜が浮く場所、折り返しや継ぎ目のさび、素地露出部、留め具を確認し、必要なケレンとさび止めを見積もります。メーカーのカタログも、さびが進んだ面や密着が悪い面では弱い塗膜の除去と、より適した下塗材の使用を求めています。金属屋根のさび対策を踏まえ、下地処理の写真と数量を施工店に示してもらいましょう。
同じエスケー化研のヤネフレッシュSiと比べても、トタン屋根に使う場合の下塗材や上塗りの色・つやの選択肢が同一とは限りません。ルーフスターSiの製品ページでは艶有り・艶消し、ヤネフレッシュSiでは艶有り・3分艶・艶消しが案内されています。希望の色は製品ごとの現物見本で確かめ、見積書には色番号とつやを書いてもらいます。
スーパーシリコンルーフペイントは一液と二液仕様を分ける
関西ペイントのスーパーシリコンルーフペイントは、公式製品説明書ではターペン希釈型一液アクリルシリコンルーフ用塗料です。希釈剤は塗料用シンナーAです。一方、同社のカタログにはスーパールーフハイブリッド硬化剤を加えた二液のハイブリッドシステムもあります。見積書の「スーパーシリコンルーフペイント」だけでは、どちらで積算したか分かりません。
| 採用仕様 | 材料と工程で確かめる点 |
|---|---|
| 標準の一液仕様 | 上塗材を2回。下塗材は金属か窯業系か、下地の状態に合わせる |
| ハイブリッド仕様 | 同じ上塗材に指定の硬化剤を加える。硬化剤の製品名、量、使用できる色・つやを確認する |
関西ペイントの製品説明書(ハイブリッドシステム)では、ベース14kgに硬化剤0.9kg×2本(7:0.9)を使うとしています。ただし、同社カタログはスーパーシリコンルーフペイントのつや消しにハイブリッド硬化剤を使えないと注意しています。つや消しの提案で「ハイブリッド」と記されていたら、適合する現行仕様を施工店に確認してください。二液だから一液より何年長持ちするという年数は、これらの資料からは算出できません。
金属屋根のカタログ仕様では、さびや弱い旧塗膜を取り除き、アレスルーフエポプライマーなどを下塗りしてから上塗材を2回塗ります。窯業系の新生瓦では、ヤネ強化プライマーEPOなどを下塗りに使う例が載ります。なお、カタログはつや消し品を新生瓦・セメント瓦には塗装できないとしています。メーカーの設計価格表も同じ製品の金属屋根用と窯業系屋根用で異なる価格を示しています。屋根材の違いを抜きにして、製品の㎡単価だけを比べないようにします。
「耐用年数」は製品の公表値と保証を分ける
検索では「ヤネフレッシュSiの耐用年数」「スーパーシリコンルーフペイントの耐用年数」という問いが多く見られます。今回確認した各製品の公式ページとカタログには、住宅での塗り替え時期を一律に「何年」と指定する製品固有の期待耐用年数を確認できませんでした。メーカーが示す促進耐候性試験の時間や「超耐久」といった表現を、実際の屋根で使える年数へ換算しないでください。
屋根は方角、勾配、日射、雨や積雪、既存塗膜の付着、基材の傷みで劣化速度が変わります。屋根材自体に割れや腐食が進んでいれば、上塗り塗料の性能を比べる前に補修や交換を考えます。施工店に塗装可能と判断した根拠を写真で示してもらいましょう。
施工店が「10年持つ」などの年数を提示するなら、対象製品、屋根材、下塗り、工程、想定する劣化状態の根拠を確認します。工事保証の期間と対象も別に書面で確かめてください。塗膜の色あせ、剥がれ、さび、雨漏りのどれを保証するかで意味が異なります。促進耐候性試験の結果と施工店の保証を同じものとして扱わないことが重要です。
メーカー設計価格は屋根材と面積条件を確認する
エスケー化研の製品ページでは、ヤネフレッシュSiの設計価格を5,010円/㎡(下塗材込)、ルーフスターSiを4,110円/㎡(下塗材込)と掲載しています。どちらも施工面積300㎡以上を基準とする材工共の価格で、下地調整費は含みません。前者は彩色スレートとトタン、後者は金属屋根を対象とするため、この差額を塗料の優劣や自宅の費用差とは読めません。
関西ペイントの設計価格表(2026年7月現在)は、スーパーシリコンルーフペイントについて、金属屋根の3工程で2,970円/㎡(下塗りはアレスダイナミック1液プライマー)、窯業系屋根の3工程で3,470円/㎡(下塗りはアレスダイナミックルーフ1液エポシーラー。アレスダイナミックシーラーマイルドの場合は170円/㎡加算)を示しています。税抜、白および淡彩色、屋根は100㎡以上が基準で、下地調整、養生、足場、諸経費、法定福利費を含みません。現行の契約単価は施工店の見積書で確認してください。
メーカー間で設計価格の基準面積や下塗りの条件が異なります。屋根が100㎡の住宅へエスケー化研の300㎡以上の設計価格をそのまま使うことも、メーカーの設計価格をそのまま住宅の見積もりに当てはめることもできません。実際の比較では、足場、洗浄、縁切り、さび補修、下塗り、上塗り、消費税を含む総額をそろえます。
見積書では屋根材・下塗り・一液か二液かを照合する
3製品のうちどれを選ぶかは、まず屋根材とその状態から決めます。施工店ごとに屋根材の認識が違う場合は、製品名の比較に進む前に写真や図面で確認してください。スレートの割れや金属のさびなど、塗料だけでは直せない箇所も別の工事として見積もります。
| 見積書の項目 | 記載してもらう内容 |
|---|---|
| 屋根材と状態 | 彩色スレート、トタン、ガルバリウム鋼板などの材質、割れ・さび・旧塗膜の写真 |
| 補修 | 板材交換、割れ補修、さび除去、留め具、縁切りの範囲 |
| 下塗り | 屋根材に合わせた正式な製品名、回数、予定使用量 |
| 上塗り | ヤネフレッシュSi/ルーフスターSi/スーパーシリコンルーフペイントの正式名、回数、面積 |
| 材料の形態 | 二液形の主剤・硬化剤、または一液・ハイブリッドの区分 |
| 仕上げと費用 | 色番号、つや、足場・付帯部を含む税込総額、保証の対象と期間 |
同じ「屋根シリコン3回塗り」でも、下塗りがスレート用シーラーなのか金属用さび止めなのかで工事内容が違います。スーパーシリコンルーフペイントならハイブリッド硬化剤を使うかまで書いてもらいます。複数社の提案を比較するときは、施工範囲と補修条件をそろえ、材料缶のラベルと各工程の写真を残してもらいましょう。
よくある質問
屋根用シリコン塗料は、製品名と屋根材の組み合わせで判断します。以下は今回取り上げた3製品の公式資料に基づく回答です。
ヤネフレッシュSiはスレート屋根にもトタン屋根にも使えますか?
エスケー化研の製品ページは、彩色スレート瓦とトタン屋根を適用下地に挙げています。ただし下塗材は共通ではなく、シリーズカタログにはスレートでマイルドシーラーEPOクリヤー、トタンでSKマイルドボーセイを使う例があります。屋根材と既存塗膜の傷みを調べ、採用する下塗り仕様を確認してください。
ルーフスターSiを彩色スレートに使えますか?
エスケー化研の製品ページは、適用下地をカラー鋼板、カラートタン、ガルバリウム鋼板としています。彩色スレートは掲載されていません。スレート屋根の見積書にルーフスターSiが載っていれば、施工店へ適用根拠とメーカーの採用仕様を確認しましょう。金属屋根用の下塗りもスレートへ流用しません。
スーパーシリコンルーフペイントは一液ですか?
関西ペイントの標準製品説明書では一液形です。同社のカタログには、スーパールーフハイブリッド硬化剤を加える二液の仕様もあります。つや消しにはこの硬化剤を使えないと注意されています。見積書で一液かハイブリッドか、使う色・つやと下塗材が仕様に合うか確かめてください。
ヤネフレッシュSiは何年持ちますか?
今回確認したエスケー化研の製品ページとシリーズカタログでは、製品固有の期待耐用年数を一律の数字で示す記載を確認できませんでした。促進耐候性試験の時間を実際の年数に置き換えられません。施工店が年数を示す場合は、屋根材、下塗り、保証対象の根拠を確認し、施工後の点検で劣化を判断してください。
スーパーシリコンルーフペイントの㎡単価は金属とスレートで同じですか?
同じではありません。関西ペイントの2026年7月現在の設計価格表は、金属屋根の3工程で2,970円/㎡、窯業系屋根の3工程で3,470円/㎡を示します。下塗材と上塗材の所要量が異なり、屋根100㎡以上、白および淡彩色を基準とした税抜の材工価格です。下地調整や足場などを含む住宅の税込総額は、現地見積もりで確認してください。
まとめ
ヤネフレッシュSiはエスケー化研の彩色スレート・トタン向け二液形、ルーフスターSiは同社の金属屋根向け二液形です。関西ペイントのスーパーシリコンルーフペイントは一液形を基本とし、指定硬化剤による二液仕様もあります。製品名だけで比べず、屋根材、下塗材、補修、上塗り回数を一組として確認します。
各製品の公式資料に住宅での一律の耐用年数は確認できません。メーカー設計価格も基準面積と下塗り条件が違います。屋根材が塗装できる状態かを確認したうえで、足場と補修を含む税込総額、保証内容を比べてください。
屋根材に合う仕様を同じ条件で比較する
外壁塗装見積ナビで見積もりを集める際は、屋根材と傷みの写真、下塗材・上塗材の正式名、縁切りやさび補修、施工面積・使用量、税込総額と保証範囲を各社に記載してもらいましょう。