エスケープレミアムシリコンとは|弾性・無機マイルドとの違いと見積書の確認点
エスケー化研の「エスケープレミアムシリコン」は、外壁の塗り替えに使う水性1液の上塗り塗料です。似た名前に「エスケー弾性プレミアムシリコン」や「エスケープレミアム無機マイルド」があり、見積書に「プレミアムシリコン」だけと書かれると、どの製品と工程を予定しているのか分かりません。正式な製品名と、下塗りから上塗りまでの組み合わせを確かめることが出発点です。
この記事はエスケー化研の外壁用プレミアム系製品の違いと、採用するときの見積書の確認に絞ります。シリコン塗料全般の比較は関連記事で扱います。屋根用の「プレミアムルーフSi」と外壁用の「プレミアムシリコン」は別の製品です。
製品名と塗装仕様を同じ欄で比較
外壁塗装見積ナビで見積もりを依頼する際は、「エスケープレミアムシリコン」の正式名を伝え、弾性仕様や無機系を提案する会社には違いの理由を聞きましょう。下塗り材、上塗り回数、艶、使用予定量、補修範囲と税込費用を揃えて比べられます。
通常品は水性1液のハイブリッドシリコン樹脂塗料
エスケー化研の製品ページでは、エスケープレミアムシリコンを「超耐候形水性ハイブリッドシリコン樹脂塗料」と記載しています。水性1液で、ラジカル制御、低汚染性、防かび・防藻性を特徴としています。主な適用下地にはコンクリート、モルタル、ALCパネル、スレート板、サイディングボード、健全な旧塗膜などが挙げられています。
「ラジカル制御」は、紫外線などで塗膜内に生じる劣化因子の発生を抑える技術を指します。樹脂系統の名前が無機塗料に変わる意味ではありません。同社は通常品をシリコン樹脂系と分類しています。「プレミアム」の語だけで、無機系やフッ素系と同じ仕様と考えないでください。
| メーカー掲載の項目 | エスケープレミアムシリコンの内容 | 見積書で確かめること |
|---|---|---|
| 水性・液数 | 水性1液 | 希釈材と施工方法 |
| 艶 | 艶有り、半艶、3分艶、艶消し | 希望した艶が正式に指定されているか |
| 荷姿 | 15kg缶、4kg缶 | 面積に対する予定缶数、補修分 |
| 標準塗坪 | 15kg缶で43~68㎡、4kg缶で11~18㎡ | 下地の凹凸や吸い込みに応じた使用量 |
| 下塗り | 下地の種類に応じて選ぶ | 製品名、補修と洗浄、塗り回数 |
標準塗坪はメーカーが示す一般的な塗装面積の目安です。外壁面積をこの数字で割るだけで、現場の正確な缶数は決まりません。凹凸、吸い込み、塗装方法、ロスで変わるため、施工店が何㎡に何kg使う予定か、製品の施工仕様と照合します。
弾性プレミアムシリコンとの違いは主材と上塗りの組み合わせ
エスケー弾性プレミアムシリコンの製品ページは、弾性系の主材を使うことで、ひび割れへの追従性を持たせる仕様として説明しています。通常のエスケープレミアムシリコンと同じ水性1液のシリコン樹脂系でも、「弾性」の字が付いた別製品です。メーカーの施工仕様書では、高弾性の旧塗膜や防水形仕上げの仕様で、弾性タイプの上塗りを指定する条件が示されています。
| 比較項目 | エスケープレミアムシリコン | エスケー弾性プレミアムシリコン |
|---|---|---|
| メーカーが示す主な使い分け | 通常の改修や弾性フィラー仕様の上塗り | 高弾性の旧塗膜や防水形仕上げで指定される上塗り |
| 艶の掲載 | 艶有り、半艶、3分艶、艶消し | 艶有り、半艶、3分艶 |
| メーカー掲載の設計価格 | 2,920円/㎡ | 3,220円/㎡(複層塗材の上塗りに用いる場合) |
| 期待耐用年数 | 14~16年 | 14~16年 |
この設計価格は、メーカーが300㎡以上の施工を基準にした材工共・下地調整費別として示す値です。弾性品の価格には「複層塗材の上塗りに用いる場合」という条件も付いています。戸建ての塗装総額や、通常品と弾性仕様の差額が表の300円/㎡になるという意味ではありません。弾性系の主材、補修、足場、シーリングなど、実際に必要な工程を揃えて見積もります。
ひび割れ追従性があるからといって、既存の大きなひび、雨漏り、下地の浮きを調査せずに塗ってよいわけではありません。弾性仕様を提案されたら、どのひびをどう補修し、主材をどの厚さ・回数で塗り、上塗りに通常品と弾性品のどちらを使うかを聞いてください。サイディングの目地や開口部の防水処理も、上塗り塗料とは別の項目です。
無機マイルドは弱溶剤2液の別系統
エスケープレミアム無機マイルドの製品ページでは、この製品を二液弱溶剤形の無機系塗料としています。主剤と硬化剤を混合し、塗料用シンナーAで希釈する製品です。水で希釈する通常のエスケープレミアムシリコンと同じ缶・工程として扱えません。
| 比較項目 | プレミアムシリコン通常品 | プレミアム無機マイルド |
|---|---|---|
| 系統 | 水性・1液・シリコン樹脂系 | 弱溶剤・2液・無機系 |
| 希釈 | 清水 | 塗料用シンナーA |
| メーカー掲載の艶 | 艶有り、半艶、3分艶、艶消し | 艶有り、7分艶、5分艶、3分艶 |
| 荷姿 | 15kg缶・4kg缶 | 15kgセット・3.6kgセット |
無機マイルドを提案されたら、塗料の系統だけでなく、その家の旧塗膜・外壁材に合う下塗り材、二液の混合と施工条件、希望する艶、臭いへの配慮を確認します。メーカーの現在の公開ページでは、プレミアム無機マイルドの製品仕様欄に設計価格と期待耐用年数の数値が見当たりません。通常品の2,920円/㎡や14~16年を、無機マイルドの数字として転記しないでください。
なお、同社には水性1液の「エスケープレミアム無機」もあります。通常の無機製品のページでも水性と表示されており、「無機」という短縮名だけではマイルドと区別できません。提案された正式名称を缶やカタログと照合します。
「14~16年」は塗り替え時期の参考値
エスケー化研が通常品と弾性品の製品ページに示す期待耐用年数は14~16年です。メーカー自身が次の塗り替え時期の目安とし、地域、立地、壁の方角によって異なると注記しています。契約した家で16年間の性能を保証する年数ではありません。
実際には、外壁材の劣化、既存塗膜の付着、目地の寿命、窓周りの雨水、施工時の乾燥条件が、次に補修を要する時期を左右します。塗料の公表年数だけで工事の価値を比べず、外壁以外の補修と施工保証の内容を見ます。保証期間が示された場合は、塗膜の剥がれ、色あせ、ひび割れなどのどの現象が対象かを契約書で確認してください。
「耐候形1種」という表示も条件を読んで使います。メーカーの製品ページでは、通常品の艶有りが、所定の下塗材・主材との組み合わせでJIS A 6909の耐候形1種を取得したとしています。艶消しを選んだ場合や別の下塗りとの任意の組み合わせまで、同じ認証と断定しないでください。見積書で認証を根拠に挙げる会社には、該当する施工仕様を示してもらいます。
下塗り・旧塗膜・シーリングまで見積書で確認
エスケープレミアムシリコンは上塗り材です。下塗りの種類は、窯業系サイディング、モルタル、ALC、旧塗膜の状態で変わります(下塗り材の役割はシーラー・プライマー・フィラーの違いを参照)。同社のカタログには、窯業系サイディング向けのサーフェーサー、モルタル・コンクリート向けのフィラー、特殊な表面処理を受けたサイディングへの下塗り候補などが掲載されています。どの製品でも同じ下塗りでよいという意味ではありません。
見積書の「プレミアムシリコン塗装一式」だけでは、製品の取り違えも、下塗り不足も確認できません。少なくとも次の欄を分けて記載してもらいましょう。
| 見積書の欄 | 確認すること |
|---|---|
| 現状と補修 | 外壁材、旧塗膜、割れ・浮き・雨漏り、目地と開口部の補修範囲 |
| 下塗り | 正式な製品名、選んだ理由、塗る面積・回数 |
| 主材・中塗り | 弾性仕様なら主材の製品名・所要量・回数、通常仕様なら工程の有無 |
| 上塗り | 通常品か弾性品か無機系か、製品名・艶・色番号・回数 |
| 予定材料 | 塗装面積、使用缶数、希釈材、材料の確認方法 |
| 金額 | 各工程の単価と数量、シーリング・足場・補修を含む税込総額 |
メーカーの施工仕様書では、下塗り材の種類で工程間の乾燥時間が変わり、上塗りの希釈しすぎは透けや色分かれなどの原因になると注意しています。見積もりに「3回塗り」とだけ書かれていても、下塗りの適合と実際の所要量は分かりません。施工店に工程表と製品仕様を示してもらい、工事中は缶ラベルや各工程の写真を残す方法を相談します。
艶消しを希望する場合は、メーカーのカタログが動きの大きいシーリング打設部に通常品の艶消しを塗ることを避けるよう注意している点も確認します。サイディング目地をどう仕上げるか、施工店に塗装仕様と合わせて説明してもらってください。製品名を指定しても、建物の下地に合わない施工仕様では期待した仕上がりにはなりません。
よくある質問
エスケープレミアムシリコンで雨樋や金属の付帯部も塗れますか?
外壁用の製品仕様だけで、雨樋や金属部にも同じ塗料が使えるとは判断できません。付帯部の素材と既存塗膜を確認し、下塗り・上塗りの適合を施工店に示してもらいましょう。見積書では外壁と付帯部の塗料名、面積、工程を分けます。
エスケープレミアムシリコンは何年持ちますか?
メーカーが示す期待耐用年数は14~16年で、次の塗り替えを考える参考値です。住まいの立地や方角、下地と施工条件で実際の状態は変わります。16年間の保証ではないため、施工店の保証書で対象となる不具合と期間を別に確認してください。
弾性プレミアムシリコンならひび割れ補修は不要ですか?
不要にはなりません。弾性品は、弾性系の主材を用いる仕様でひび割れ追従性を持たせますが、既存のひびの幅・深さと雨水の侵入を先に調べる必要があります。補修範囲、主材、上塗りの正式名を見積書に分けて記載してもらいましょう。
無機マイルドとの価格差はどのくらいですか?
メーカーの公開ページでは通常品の設計価格を2,920円/㎡と示しますが、無機マイルドの製品仕様欄に設計価格の数値は見当たりません。通常品は水性1液、無機マイルドは弱溶剤2液で、塗料だけでなく下塗りや施工条件も異なります。同じ外壁面積・補修範囲で両案の税込見積もりを取って差を確認してください。
エスケープレミアムシリコンの艶消しはサイディングに使えますか?
エスケー化研の施工仕様書は、サイディングやALCなど大きな動きが予想されるシーリング打設部には、艶消しを塗らないよう注意しています。艶消しを希望する場合は、目地のシーリングをどう仕上げるか、艶の種類を変えるかを施工店に確認しましょう。目地の上だけ仕上げを変えると見え方が変わるため、仕上がりの見本で確かめておくと安心です。
まとめ
エスケープレミアムシリコンは、エスケー化研の水性1液・シリコン樹脂系の外壁用上塗りです。弾性プレミアムシリコンは弾性主材と組み合わせる別製品、プレミアム無機マイルドは弱溶剤2液の無機系です。名前が似ていても、下塗り、主材、艶、希釈材と工程は揃いません。
メーカーの14~16年は塗り替え時期の目安、2,920円/㎡は300㎡以上を基準にした下地調整費別の設計価格です。見積書には製品の正式名と仕様を記載してもらい、補修・シーリング・足場を含む総額で比較しましょう。
正式名称と下塗りからの工程を揃える
外壁塗装見積ナビで見積もりを取る際は、エスケープレミアムシリコンの通常品・弾性品・無機系のどれを提案するか各社に確認し、下塗りと主材、上塗りの色・艶・缶数、補修と税込費用を示してもらいましょう。