遮熱塗料の製品比較|クールタイト・パーフェクトクーラー・アレスクール
屋根の遮熱塗料を選ぶとき、製品名や「シリコン」「フッ素」だけを比べても、実際の工事の違いは見えてきません。屋根材が金属かスレートか、既存の塗膜がどの程度傷んでいるかによって、使える下塗り材と補修工程が変わるためです。ここではクールタイトSi、パーフェクトクーラーベスト、アレスクール2液Fのメーカー資料を比べ、見積書に何を書いてもらうかを整理します。
遮熱効果の仕組みや費用全般は遮熱塗料の記事で扱います。本記事は製品の仕様に絞ります。各社の公開資料は改定されるため、契約前には採用する色と現行の施工仕様を施工店に確認してください。
屋根材と下塗りまで揃えて見積もりを比較する
外壁塗装見積ナビで見積もりを取るときは、屋根材、既存塗膜の傷み、上塗りの正式な製品名と色、下塗り材、各工程の回数を各社に示してもらいましょう。製品名だけの「遮熱塗装一式」では、工事内容を比べられません。
3製品の違いを先に見る
比較する3製品はいずれも屋根用の上塗り材です。ただし、エスケー化研のクールタイトSiは弱溶剤形2液アクリルシリコン、日本ペイントのパーフェクトクーラーベストは水性1液のラジカル制御形、関西ペイントのアレスクール2液Fは弱溶剤形2液フッ素です。「アレスクール」はシリーズ名なので、見積書では2液Fなどの型まで確認します。
| 上塗り製品 | メーカー資料にある主な対象 | 塗料の形 | 見積書で先に確認する点 |
|---|---|---|---|
| クールタイトSi | 彩色スレート瓦・スレート屋根、金属屋根・トタン屋根など | 弱溶剤形・2液・シリコン系 | 下地に合う下塗り材、艶・色、主剤と硬化剤の扱い |
| パーフェクトクーラーベスト | メーカー製品ページではスレート | 水性・1液・ラジカル制御形 | 下塗りがパーフェクトクーラーサーフか、現場のスレートに適用できるか |
| アレスクール2液F | 金属系、窯業系の屋根材 | 弱溶剤形・2液・フッ素系 | 金属用プライマーか窯業系用シーラーか、下地劣化時の追加工程 |
「水性だから必ず安い」「フッ素だから必ず長持ち」とは、この表からは決められません。屋根材、色、下塗り、補修、施工面積を揃えた見積もりで比較してください。とくに、上塗りだけを指定して下塗りが曖昧な見積書では、各社が同じ性能の仕様を提案しているか判断できません。
クールタイトSiは艶と屋根材の条件を確認する
クールタイトSiの製品ページは、主剤14kgと硬化剤2kgの16kgセット、標準41色、艶有りと3分艶を掲げています。希釈剤は塗料用シンナーAです。金属屋根とスレート屋根の両方を適用下地に挙げますが、彩色スレートの基材が著しく弱っている場合は塗装できないことがあると明記しています。ひび、欠け、表層の剥がれがある屋根では、まず塗装の可否を点検してもらいましょう。
同ページの「JIS K 5675 2種・2級」は艶有りについての記載です。3分艶も選べますが、艶有りのJIS表示をそのまま3分艶の証明として扱わないでください。見積書にJIS適合をうたう場合は、採用する色と艶で確認します。
メーカー掲載の設計価格は、トタン屋根5,380円/㎡、スレート屋根5,430円/㎡で、下塗材込み、300㎡以上を基準とする材工共価格です。下地調整費は含まれません。これは住宅の屋根100㎡にそのまま掛けて工事総額を出す数字ではありません。足場、洗浄、さび・旧塗膜の除去、割れの補修、縁切りなどの要否と、税込総額を別に確認してください。
パーフェクトクーラーベストは下塗りの組み合わせを見る
日本ペイントはパーフェクトクーラーベストを水性1液の屋根用遮熱上塗り材とし、製品ページで適用下塗り材にパーフェクトクーラーサーフを挙げています。同サーフは住宅用化粧スレートや波形スレートの塗り替え向けの水性1液下塗り材です。サーフの製品資料では、近赤外線を反射する顔料と熱伝導を抑える材料を組み合わせ、ベストと組み合わせて遮熱性能を発揮すると説明しています。
この組み合わせなら、下塗りから上塗りまで水性で施工できます。ただし、現場の下地によって別の適用下塗り材を提案された場合は、サーフと同じ遮熱の組み合わせだと決めつけず、選定理由とメーカー仕様を確認します。金属屋根にベストを提案された場合も、この製品ページの「素材:スレート」だけを根拠に進めず、金属用の適用仕様を施工店に提示してもらってください。
ベストの掲載仕様は15kg缶、26色、艶有りで、希釈剤は水道水です。1回当たりの標準使用量は0.15~0.18kg/㎡。仮に塗る面が100㎡で上塗りを2回行うなら、単純計算は30~36kgですが、これは上塗りだけの理論上の必要量です。下塗り、凹凸・吸い込み、施工ロス、購入する缶数は別に見ます。サーフは12kg缶で、同ページの使用量は1回当たり0.15~0.25kg/㎡です。
ベストの製品ページにある材工価格5,720円/㎡は、サーフを下塗りにした3工程の表示です。価格欄には「原則として300以上を基準」とあり、単位の明記がないため、住宅の工事費の根拠として直接使う前にメーカーまたは施工店へ条件を確認してください。足場や傷んだスレートの補修を含む見積もりとは範囲が異なります。
アレスクール2液Fは金属とスレートで下塗りが違う
関西ペイントのアレスクールには1液Si、2液Si、2液Fなど複数の上塗りがあります。ここで比べる2液Fはフッ素樹脂タイプで、メーカーの製品説明書では金属系のカラートタン・折板と、窯業系の新生瓦・波形スレートを主な適用素材としています。15kgセットはベース13.5kgと硬化剤1.5kgで、混合比は9対1。塗料用シンナーAで希釈します。説明書の適用規格はJIS K 5675の2種1級です。ただしカタログが適合色として列挙するのは27色なので、JIS表示を採用色に当てはめる前に色番号を照合します。
アレスクールの施工カタログでは、金属屋根にはアレスクールプライマーやアレスクールメタルプライマー、窯業系屋根にはアレスクールシーラー等を使い分けます。金属のさび、旧塗膜の浮き・剥がれは下塗り前に処置します。窯業系で表層の劣化が大きい場合は、下地を強化する追加の下塗り工程が示されています。「2液Fなら下塗りは何でもよい」という指定にはできません。
同カタログの標準仕様は上塗り2回で、製品説明書も上塗り1回では遮熱・塗膜性能が十分に出ない場合があるとして2回塗りを求めています。「アレスクール」の一語だけでは、2液Fなのか別グレードなのか、どの下塗りを使うのかが分かりません。見積書に上塗りと下塗りの正式名、塗る面積、各回数を分けて記載してもらいましょう。
色と耐用年数は同じ条件で考える
遮熱性能は製品名だけで一律に決まりません。アレスクールのカタログは、濃い色ほど日射反射率が低く、明るい色ほど高い傾向を説明し、色ごとの指標を示しています。クールタイトSiとパーフェクトクーラーベストでも、見積もりで選ぶ具体的な色を確定させ、同じ色調で比較する必要があります。色見本は艶や照明でも見え方が変わるため、屋外で確認しましょう。
「クールタイトSiの耐用年数は何年」「パーフェクトクーラーベストは何年もつ」「アレスクール2液Fなら何年保証か」といった質問をよく受けますが、今回照合した各製品ページ・説明書には、どの屋根にも共通する確定の交換年数や保証年数は示されていません。樹脂の分類やJISの等級を、そのまま耐用年数や保証期間に読み替えることもできません。既存屋根の状態、色、塗膜の厚さ、施工方法、日射や積雪などの条件が違うためです。
耐久性を聞くなら、数字だけでなく、提案する屋根材と色での実績、点検の目安、保証がある場合の対象部位・期間・免責条件を分けて確認します。雨漏りの補修や屋根材の寿命まで、上塗り塗料の保証に含まれるとは限りません。
見積書は製品名から工程へ落とし込む
同じ100㎡の屋根でも、さびのある金属屋根と表層の弱いスレート屋根では下地処理が異なります。例えばクールタイトSiの提案とアレスクール2液Fの提案を比べるなら、上塗りの樹脂名だけで優劣を決めず、同じ現況写真と希望する色・艶を渡し、各社に適用仕様を説明してもらいます。パーフェクトクーラーベストの提案では、サーフを使うかどうかが比較の要点になります。
屋根材ごとの塗料の選び方は屋根塗装の塗料を、水性塗料を使う際の生活上の確認点は塗装中の臭いを参照してください。
| 見積書の欄 | 確認する内容 |
|---|---|
| 屋根の現況 | 金属・スレートの種類、面積、さび・割れ・反り・旧塗膜の状態、塗装できるか |
| 素地調整・補修 | 洗浄、乾燥、さび・浮き塗膜の除去、屋根材の交換、縁切り等の必要性と数量 |
| 下塗り | 正式な製品名、下地への適合、塗る回数、劣化が強い場所の追加工程 |
| 上塗り | 製品の正式名とグレード、色番号・艶、2回塗りなどの回数、標準使用量との整合 |
| 価格・保証 | 足場・養生・補修を含む税込総額、保証の範囲と条件 |
下塗りが違えば、各社が提案する遮熱仕様も変わります。製品名を同じにする必要はありませんが、なぜその組み合わせが現場に合うのかを説明してもらうと、価格差の理由が見えます。屋根材の劣化が大きく塗装に適さない場合は、塗装見積もりだけで進めず、屋根材の補修・交換の提案も比べてください。
よくある質問
クールタイトSiとクールタイトFは同じ製品ですか?
別のグレードです。本記事で仕様を確認したのはシリコン系のクールタイトSiです。見積書に「クールタイト」とだけある場合は、SiかFか、色・艶・下塗りの組み合わせまで確認してください。Fの耐用年数をSiに当てはめることもできません。製品を変更する提案が出たら、当初の見積もりと同じ屋根材・下地処理・工程数で再計算してもらいましょう。
アレスクールメタルプライマーはどの屋根にも使えますか?
金属系屋根材向けの下塗り材として、メーカーのカタログに掲載されています。窯業系の新生瓦やスレートには別のシーラー等が示されています。上塗りが同じアレスクール2液Fでも、屋根材と劣化状態によって下塗りを選びます。金属屋根では、さびや旧塗膜をどの範囲で除去するかも、下塗りの製品名と一緒に見積書で確認します。
水性のパーフェクトクーラーベストは臭いがないですか?
水性ですが、施工中に臭いが全くないとはいえません。メーカーは、ベストとサーフを組み合わせれば、下塗りから上塗りまで水性で施工できると説明しています。別の下塗りを採用する場合は、その材料も含めて施工中の換気や近隣への説明を確認してください。窓の開閉や洗濯物を干せる日程も、施工店の工程表で事前に確認すると安心です。
3製品のうち、どれが最も遮熱できますか?
メーカー資料の数値を、色・屋根材・下塗りが異なるまま順位付けできません。希望する色に近い色調、実際に使う下塗り、同じ屋根面の条件で各社に説明してもらいましょう。屋内の暑さへの効果も断熱材や換気、屋根の形によって変わります。施工店が温度低下の数字を示すときは、測定日、比較した色、下塗り、屋根の構造も尋ねてください。
アレスクール2液FのJIS適合はどの色でも同じですか?
関西ペイントのカタログでは、JIS K 5675 の2種1級に適合する色を一覧で示しています。すべての色が同じ反射率になるわけではないため、希望する色が一覧に入っているかを施工店に確認しましょう。濃い色と遮熱効果の関係は遮熱塗料の効果で詳しく説明しています。
まとめ
クールタイトSiは金属・スレートなどに対応する弱溶剤2液シリコン、パーフェクトクーラーベストはスレート向けの水性1液でサーフとの組み合わせが特徴、アレスクール2液Fは金属・窯業系の両方に適用できる弱溶剤2液フッ素です。名称や樹脂の違いを知ったら、次は現場に合う下塗り材と補修工程を確認します。
各製品の掲載価格やJIS表示、色見本はそれぞれ条件が異なります。施工店には、屋根材の診断、正式な製品名、下塗り・上塗りの回数、色・艶、補修範囲、税込総額を提示してもらい、同じ条件で比べてください。
製品の名前と施工条件を一緒に比べる
外壁塗装見積ナビで見積もりを比較するときは、上塗りだけでなく、屋根材に合う下塗り、旧塗膜の処置、色、塗装回数と補修費を各社に記載してもらいましょう。