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COLUMN

外壁塗装の費用・塗料・業者選びをわかりやすく解説

アクリル塗料を勧められたら|見積もりの妥当性と他塗料との比較

アクリル塗料とは?価格・耐用年数と外壁塗装での使いどころ

外壁塗装の相見積もりを取ったところ、他社はシリコン塗料なのに1社だけアクリル塗料で提案してきて、総額も一番安かった。この提案に乗ってよいのか、安さの裏に何かあるのか、判断に困っている方に向けた記事です。アクリル塗料の提案が妥当かどうかは、塗料の名前だけでは決まらず、住む予定の年数、製品の用途、次の塗り替えまでの費用で変わります。

判断の起点になるのは期待耐用年数です。関西ペイントはアクリル樹脂塗料の一般的な期待耐用年数を5〜7年、エスケー化研は5〜8年と示しており、シリコン樹脂塗料(関西ペイント12〜15年)の半分程度です。一方で「アクリル」という言葉は範囲が広く、見積書にそう書かれていても、実際には汎用のアクリル樹脂塗料なのか、シリコン系に分類されるアクリルシリコン樹脂塗料なのかで性能が大きく違います。

この記事では、アクリル塗料を勧める業者と勧めない業者がいる理由、見積書で確認する項目、依頼先選びの失敗例を表で整理し、後半でアクリル塗料の特徴と他の塗料との長期費用の比較を確認します。

アクリル塗料の提案を他の塗料と並べて比べる

外壁塗装見積ナビでは、住む予定の年数と建物の条件を伝えて、複数の施工店へ無料で見積もりを依頼できます。アクリルとシリコンなど複数のグレードで見積もりをそろえると、提案の妥当性を判断しやすくなります。

アクリル塗料を勧める業者と勧めない業者がいる理由

戸建ての外壁全面の塗り替えでは、現在はシリコン以上のグレードを標準にする業者が多く、アクリル塗料の提案は少数派です。それでもアクリル塗料が提案されるのには、次のような理由があります。理由によって、提案を受け入れてよいかの判断が変わります。

1つ目は、総額を下げて受注したいという価格競争上の理由です。上塗り材の単価を下げれば見積もりの総額は下がりますが、次の塗り替えが早まれば足場や洗浄の費用も早く再発生します。この場合、業者から住む予定の年数を聞かれないまま、アクリル塗料が提案されていることが多くなります。

2つ目は、施主の計画を聞いたうえでの合理的な提案です。数年以内に売却や建て替えが決まっている、店舗の外観を数年ごとに塗り替えたい、といった計画なら、高耐久塗料の寿命を使い切れません。この場合は、必要な期間を満たす外壁用の製品を選んで初期費用を抑える判断に筋が通ります。

3つ目は、呼び方の違いです。日本ペイントの用語解説では、シリコン樹脂塗料はアクリルシリコン樹脂を用いた塗料が代表的とされています。業者が「アクリル系」と書いた製品が実はアクリルシリコン樹脂の製品で、シリコン塗料と同等のグレードということもあります。反対に、汎用アクリルを「アクリルシリコン並み」と説明する業者がいれば注意が必要です。

4つ目は、部位ごとの使い分けです。軒天など雨や日射が当たりにくい部位や、室内では、アクリル樹脂系の製品が指定されることがあります。見積書に「アクリル」と書かれているのが外壁の上塗りなのか、軒天などの付帯部なのかを最初に確認しましょう。

同じ家でもこれだけ理由が分かれるため、アクリル塗料の提案を受けたら「なぜこの塗料なのか」を業者に聞き、住む予定の年数と結び付いた説明があるかを見てください。見積もりの取り方全体は外壁塗装の見積もりの取り方で解説しています。

外壁塗装でアクリル塗料が提案される4つの理由と判断の分かれ目

アクリル塗料の見積書で確認する項目

アクリル塗料の提案が妥当かどうかは、見積書に書かれた製品情報で判断します。次の項目を見積書と製品カタログで照合し、記載がないものは契約前に追記を求めてください。

項目確認する内容注意したい書き方
製品名と一般名称メーカー名、商品名、カタログにある一般名称「アクリル塗料一式」「アクリル系」とだけ書かれている
用途と適用下地屋外の外壁に使える製品か、自宅の外壁材と旧塗膜に適合するか用途の説明がなく、内装用か外装用か分からない
樹脂の区分汎用のアクリル樹脂か、アクリルシリコン樹脂か「アクリルシリコン並み」など性能を言い換えた説明
期待耐用年数カタログの値と、業者が想定する次の塗り替え時期「10年はもつ」と口頭で言うだけで資料がない
塗装系下塗り・中塗り・上塗りの製品の組み合わせ上塗りの名前だけで下塗りの記載がない
数量塗装面積、塗り回数、予定缶数、標準塗布量缶数や塗布量の記載がない
次回の塗り替えと足場次の塗り替え時期と、そのとき足場が再び必要になるか長期の費用について説明がない
アクリル塗料のカタログで一般名称と用途と適用下地を確認する位置

アクリル塗料の見積もりが他社より安いとき、その差額だけで判断せず、次の塗り替えまでの年数で割って比べます。アクリル塗料の外壁塗装の単価は、戸建てで1㎡あたり1,500〜2,500円程度になることが多く、シリコン塗料の2,300〜3,500円程度より低くなりますが、いずれも出典を特定できない目安です。下塗りから上塗りまでを含み、足場・洗浄・シーリングを含まない条件を想定しています。仮に1㎡あたりの差が800円なら、外壁130㎡で約10万円の差です。これに対して、期待耐用年数の差は関西ペイントの一般値でシリコンより7〜8年短く、次の塗り替えで足場や洗浄の費用がもう一度かかります。

見積書の比較では、アクリル塗料の見積もり1通だけで判断せず、同じ業者にシリコン塗料でも見積もりを出してもらうと、差額と耐用年数の差を同じ条件で並べられます。坪数別の総額は外壁塗装の費用相場、足場の費用は外壁塗装の足場費用で確認できます。

アクリル塗料の依頼先の選び方と失敗例

アクリル塗料の失敗は、塗料そのものより、計画や製品の確認不足から起こることがほとんどです。よくある失敗を原因と防ぎ方に分けて整理します。

失敗例原因防ぎ方
総額の安さで決めたら、5〜6年で色あせが目立ち、再塗装の時期が早く来た住む予定の年数と次の塗り替え時期を比べずに契約した30年間で足場を組む回数を塗料ごとに並べてから決める
売却の予定が延び、アクリルの塗膜が先に劣化した計画が変わったときの塗り替え費用を想定していなかった保有期間がはっきりしないときは、シリコン以上の見積もりも取る
「アクリルシリコン並み」と説明されたが、汎用のアクリル製品だった樹脂の区分を製品カタログで確かめなかった商品名とカタログの一般名称で樹脂を確認する
屋外での使用を想定していない製品が外壁に使われた製品の用途と適用下地を確認しなかったカタログの用途欄に外壁や屋外が含まれるかを確認する
塗り替え後に膨れやちぢみが出た旧塗膜の種類と新しい塗料の相性を確認しなかった現地調査で旧塗膜を確認し、必要なら試し塗りをしてもらう
付帯部だけアクリルにしたため、外壁より先に傷んだ部位ごとの塗料名を確認しなかった外壁と付帯部の塗料名を分けて記載してもらう

旧塗膜との相性について、エスケー化研は、水性塗料の上に溶剤形塗料を塗ると旧塗膜を侵して膨れやちぢみなどが起こることがあるため、試し塗りで確認するよう案内しています。塗料のグレードにかかわらず、現地調査で旧塗膜を確認しているかは業者選びの判断材料になります。

依頼先を選ぶときは、アクリル塗料を提案した理由を、住む予定の年数、売却や建て替えの予定、次に足場を組む時期と結び付けて説明できるかを見てください。施主の計画を聞かずにアクリル塗料だけを提案する業者より、複数のグレードで見積もりを並べ、それぞれの次回時期を示す業者のほうが、判断に必要な材料をそろえてくれます。業者選びの全体的な基準は外壁塗装の業者の選び方にまとめています。

アクリル塗料(アクリル塗装)とは:特徴と他の塗料との長期費用の比較

ここからは、見積もりを判断する前提として、アクリル塗料の特徴を短く確認します。日本ペイントの用語解説では、アクリル樹脂塗料は最も一般的な塗料で、使う原料の違いで幅広い性能の製品があると説明されています。同社の用語解説によれば、見積書や仕様書で見かける「AEP」は、水性・つや消しのアクリルエマルションペイントを表す記号です。

アクリル塗料の利点は、材料価格を抑えやすく、発色がよく、扱いやすいことです。弱点は紫外線による劣化が比較的早いことで、外壁全面に使うと、チョーキングや色あせが他のグレードより早く現れます。そのため、長期間住む戸建ての外壁全面ではシリコン以上が選ばれることが多く、アクリル塗料は短期の計画や頻繁に色を変えたい建物で選ばれる塗料になっています。

長く住む予定の家で比べるときは、30年間に何回塗装するかを塗料ごとに数えると判断しやすくなります。次の表は、関西ペイントが示す一般的な期待耐用年数をもとに試算したものです。

塗料の分類期待耐用年数(関西ペイント)30年間に塗装する回数の試算(初回を含む)考え方
アクリル5〜7年5〜6回短期の計画なら初期費用の安さを生かせる
ウレタン8〜10年3〜4回付帯部で使われることが多い
シリコン12〜15年2〜3回戸建ての外壁で標準的に選ばれる
ふっ素15〜20年2回初期費用は高いが、足場の回数を減らしやすい
30年間の外壁塗装の回数と足場を組む時期を塗料別に比べたタイムライン

試算は、期待耐用年数ごとに塗り替えると仮定し、30年目の時点で次の塗装が始まっていない回数を数えています。期待耐用年数は保証年数ではなく、立地、色、外壁材、施工の条件で前後するため、試算は比較のための目安として使ってください。外壁塗装では塗装のたびに足場と洗浄の費用がかかるため、回数の差がそのまま長期費用の差になります。

反対に、5年以内に建物を手放す予定があるなら、アクリル塗料の期待耐用年数でも計画に足ります。この場合も、外壁に使える製品であること、外壁材と旧塗膜に合う下塗りと組み合わせることが前提です。シリコン塗料の見積もりとの比べ方はシリコン塗料の見積もり比較、ウレタン塗料の特徴はウレタン塗料、グレード全体の比較は外壁塗装の塗料比較で扱っています。

住宅の軒天と外壁の位置関係と部位ごとの塗料の選び方

よくある質問

アクリル塗料で外壁塗装の見積もりを出されたら安すぎると考えるべきですか

アクリル塗料の見積もりが他社より安いこと自体は、塗料の価格差として自然です。問題になるのは、住む予定の年数を聞かずに提案されている場合や、製品名と用途が見積書で確認できない場合です。同じ業者にシリコン塗料での見積もりも依頼し、差額と期待耐用年数の差を並べて判断してください。

アクリル塗料とシリコン塗料の見積もりはどのくらい差がありますか

戸建ての外壁では、下塗りから上塗りまでを含めてアクリル塗料が1㎡あたり1,500〜2,500円程度、シリコン塗料が2,300〜3,500円程度で見積もられることが多いものの、いずれも出典を特定できない目安です。仮に1㎡あたり800円の差なら、外壁130㎡で約10万円の差になります。一方で関西ペイントの一般値では期待耐用年数に7〜8年の差があるため、次の足場代を含めて比べてください。

アクリル塗料を勧める業者は避けたほうがよいですか

提案の理由によります。売却や建て替えの予定を聞いたうえでの提案なら、施主の計画に合わせた判断といえます。一方、住む予定の年数を確認せずにアクリル塗料だけを提案し、他のグレードの見積もりを出さない業者は、長期費用の説明が不足していると考えて他社と比べましょう。

アクリル塗料は外壁に使っても問題ありませんか

外壁用として販売されている製品で、外壁材と旧塗膜に合う下塗りと組み合わせれば使えます。ただし一般的な期待耐用年数は関西ペイントで5〜7年、エスケー化研で5〜8年と短く、長く住む家では塗り替えの回数が増えます。製品カタログの用途欄で、屋外の外壁に使えることを確認してください。

アクリル塗料の外壁は何年もちますか

関西ペイントは一般的な期待耐用年数を5〜7年、エスケー化研は5〜8年と示しています。これは次の塗り替え時期の目安で、保証年数ではありません。日射の強い面、海沿い、濃い色の外壁では早めに劣化が目立つことがあるため、チョーキングや色あせを定期的に点検してください。

アクリルシリコン塗料はアクリル塗料と同じですか

同じではありません。日本ペイントの用語解説では、シリコン樹脂塗料はアクリルシリコン樹脂を用いた塗料が代表的とされており、一般にはシリコン塗料として扱われます。見積書に「アクリル系」と書かれていたら、商品名とカタログの一般名称を見て、どちらに当たるかを確認してください。

まとめ

アクリル塗料の提案が妥当かどうかは、住む予定の年数と製品の中身で決まります。関西ペイントとエスケー化研が示す期待耐用年数は5〜8年程度でシリコンの半分ほどのため、長く住む家では30年間に塗装する回数が増え、足場と洗浄の費用も繰り返しかかります。短期の計画なら初期費用の安さを生かせますが、見積書で製品名、用途、樹脂の区分、塗装系を確認することが前提です。

業者がアクリル塗料を勧めたら、その理由を住む予定の年数と結び付けて説明できるかを見てください。同じ業者にシリコン塗料などでも見積もりを依頼し、差額と期待耐用年数を並べると、提案を受け入れるかどうかを判断しやすくなります。

外壁塗装見積ナビでは、住む予定の年数と建物の条件を伝えて、審査基準を満たした施工店へ無料で見積もりを依頼できます。アクリル塗料と他のグレードの見積もりを同じ条件でそろえ、長期の費用まで含めて比べてください。

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