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COLUMN

外壁塗装の費用・塗料・業者選びをわかりやすく解説

平屋の外壁塗装費用|2階建てとの差・足場・屋根同時施工

平屋の外壁塗装費用|足場・外壁面積・屋根同時施工の考え方

「平屋は背が低いから、外壁塗装も2階建てより安く済むはず」と考える方は多いでしょう。たしかに外壁の高さは2階建てのおよそ半分です。ところが同じ延床面積で比べると、平屋は建物の外周が長く、屋根も広くなります。外壁だけの費用は下がりやすい一方で、屋根や軒まわりを含めた総額では差が縮まることがあります。

この記事では、延床30坪の平屋と総2階の家を同じ前提で試算し、外壁・屋根・足場の数量がどう変わるかを示します。そのうえで、平屋でも足場が必要な理由、屋根を同時に塗るかどうかの判断、軒の出が深い家の劣化の見方、見積書で施工店ごとに差が出やすい項目を整理します。坪数別の一般的な目安は30坪の外壁塗装の費用相場を参照してください。

平屋は外壁と屋根の数量を分けて見積もりを比べる

外壁塗装見積ナビで見積もりを依頼する際は、平屋であること、屋根材、軒の出の深さ、屋根も塗るかどうかを伝えましょう。外壁・屋根・足場の㎡数を施工店ごとに並べて比べやすくなります。

平屋と2階建てで外壁・屋根・足場の数量はどう違いますか

平屋の費用を考えるときは、「坪数」ではなく、塗る面積と足場をかける面積で比べるのが基本です。延床面積が同じでも、平屋は床をすべて1階に並べるため、建物を上から見た面積(建築面積)がおよそ2倍になります。その結果、外周と屋根が大きくなり、壁の高さは低くなります。

次の表は、延床約30坪(約99㎡)の家を、平屋と総2階の2通りで仮定した編集部の試算です。実在の住宅や施工店の見積もりではなく、数量の傾向を示すための計算例です。

仮定と数量平屋総2階平屋÷総2階
1階の平面(建物本体)11.0m×9.0m=99㎡7.0m×7.0m=49㎡約2.0倍
外周の長さ40.0m28.0m約1.4倍
地面から軒までの壁の高さ約3.0m約6.0m0.5倍
外壁の塗装面積(窓などを除く)約100㎡約143㎡約0.7倍
屋根の面積(寄棟・4寸勾配・軒の出60cm)約134㎡約72㎡約1.9倍
軒天(軒の裏側)の面積約25㎡約18㎡約1.4倍
軒樋(屋根の縁の雨樋)の長さ約45m約33m約1.4倍
足場の面積(建物から約1m離し、軒の約1.5m上まで)約216㎡約270㎡約0.8倍

外壁面積は、外周×壁の高さから窓や玄関の面積(平屋20㎡、総2階25㎡と仮定)を差し引いています。屋根面積は、軒の出を含む平面の面積に4寸勾配の割増し(約1.08倍)を掛けた値です。足場は、外周を約1m外側へ広げた長さ×足場の高さで概算しました。

この試算では、平屋の外壁塗装面積は総2階の約7割、足場は約8割にとどまります。一方で屋根は約1.9倍、軒天と雨樋は約1.4倍です。外壁だけを塗る見積もりなら平屋は数量が少なくなりやすいものの、屋根や付帯部(軒天・破風・雨樋など外壁以外の部位)まで含めると、総2階との差は小さくなります。延床15坪の平屋と3階建てを税込の仮定単価で比べた計算は、外壁塗装15坪の費用で紹介しています。

平屋でも足場が必要になる理由と、足場の高さで変わる点

「平屋なら脚立で塗れるのでは」という質問はよくあります。判断の軸は、作業する高さと、作業する人の墜落をどう防ぐかです。平屋でも軒先や破風(屋根の端の板)は地面から3m前後の高さにあり、塗装する人はその位置で長時間作業します。

労働安全衛生規則第518条は、高さ2m以上の箇所で墜落の危険がある作業について、足場を組み立てるなどの方法で作業床を設けるよう事業者に求めています。作業床を設けることが難しい場合は、防網を張り、墜落制止用器具を使わせるなどの措置が必要です。平屋の軒まわりの塗装は、この「高さ2m以上」に当たるのが一般的です。屋根に上る作業では、同規則第524条がスレートなど踏み抜きの危険がある屋根で、幅30cm以上の歩み板や防網などの措置を求めています。

足場が低いことで変わる点もあります。労働安全衛生法施行令第6条第15号は、高さ5m以上の構造の足場の組立て・解体・変更について、作業主任者(技能講習を修了した責任者)の選任が必要な作業としています。上の試算の平屋の足場は約4.5mで、この基準を下回ります。ただし5m未満でも、足場の組立てに従事する人には特別教育が必要です(労働安全衛生規則第36条第39号)。足場が低いから安全管理が不要になるわけではありません。

平屋で足場の費用に影響しやすいのは、高さよりも外周の長さと、足場を立てる場所の条件です。カーポートや物置、植栽、ウッドデッキが外壁のすぐ近くにあると、足場の組み方が変わったり、部材の脱着が必要になったりします。見積もりでは、足場の㎡数とあわせて、どの面に何が干渉するかを現地調査で確認してもらいましょう。足場代の単価差や「足場代無料」の読み方は足場代の見積もり比較で詳しく説明しています。

屋根が広い平屋は、屋根塗装を同時に行うかを先に決める

平屋の費用で判断が分かれやすいのが、屋根を同時に塗るかどうかです。外壁と屋根を別の年に工事すると、足場をそれぞれの工事で組むことになります。平屋は屋根面積が大きいため屋根塗装の金額自体も大きくなり、同時か別かで総額と次回の工事計画が変わります。

同時施工を検討しやすいのは、屋根材が塗装でのメンテナンスに向いていて、外壁と屋根の傷み具合が近い場合です。スレートや金属屋根で色あせ、さび、塗膜のはがれが出ているなら、外壁と同じ足場を使って塗れるかを見積もりで確かめましょう。屋根材によっては塗装より補修や交換が適している場合もあるため、屋根材の種類と状態の診断結果を先に聞いてください。スレート屋根で塗装できない製品の見分け方はスレート屋根塗装の費用相場、同時施工の費用の考え方は外壁・屋根を同時塗装する費用で解説しています。

反対に、屋根を数年前に葺き替えた、または屋根の傷みがまだ軽い場合は、外壁だけを先に塗る判断もあります。この場合は、次に屋根を工事するときに再び足場が必要になる点を見込んでおきましょう。屋根の勾配が急な平屋では、外周の足場に加えて屋根の上に足場を組むことがあり、屋根足場の考え方は屋根塗装の足場代が参考になります。

軒の出が深い平屋は、面ごとの劣化の差を見て仕様を決める

平屋には、軒(屋根が外壁より外へ張り出した部分)を深く出した設計が多く見られます。軒の出は、塗装の費用と劣化の現れ方の両方に関係します。費用面では、軒天の面積と軒樋の長さが増え、付帯部の数量が大きくなります。

劣化の面では、国土技術政策総合研究所の住まい手向けガイドラインが、外壁から距離をとった軒・けらば(屋根の妻側の張り出し)・庇は外壁への雨掛かりを少なくし、雨水浸入のリスクを下げると説明しています。軒やけらばの出が少ない住宅では雨水浸入の事例が多いと住宅検査機関が指摘している、という記載もあります。軒の深い平屋では、外壁の上部は雨が当たりにくく、軒の浅い面や窓下、地面に近い部分とで傷み方が違ってくることがあります。

そのため、平屋の外壁塗装では家全体を同じ劣化度とみなさず、面ごとに状態を確かめることが大切です。現地調査の報告書で、どの面にひび割れ、チョーキング(触ると白い粉が付く状態)、シーリングの切れがあるかを写真で示してもらいましょう。軒天のしみは雨漏りや結露の手がかりになるため、塗装で隠す前に原因を確かめる必要があります。軒天塗装の単価や同時依頼の考え方は軒天塗装の見積もり比較を参照してください。

平屋の見積書で施工店ごとに差が出る項目

平屋の見積書を比べると、同じ家なのに総額が大きく違うことがあります。差の多くは、塗料の単価よりも、どこまでを工事範囲に入れたかと、数量の拾い方から生まれます。住まいるダイヤル(公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センター)も、見積書の数量が図面や現場の実測に基づいているかを確認し、「一式」の項目は内容を確かめるよう案内しています。

項目平屋で差が出やすい理由施工店に確認すること
外壁の㎡数外周が長く、窓や掃き出し窓が多い何㎡か、開口部をどれだけ差し引いたか
足場の㎡数外周の長さと周囲の障害物で変わる足場をかける面、干渉物の脱着の有無
屋根面積が大きく、含むかどうかで総額が大きく動く屋根材の診断結果、塗装か補修か、屋根足場の要否
軒天・破風・雨樋軒が深いほど数量が増える軒天の㎡数、破風と雨樋のm数、塗る範囲
下地補修面ごとに劣化の程度が違う補修する面と方法、現地写真との対応

比較するときは、まず屋根を含む見積もりと含まない見積もりを分けて並べましょう。そのうえで外壁と足場の㎡数を見比べ、数字が大きく違う場合は、どの面を測ったのかを質問してください。現地調査で見るポイントや報告書の比べ方は外壁塗装の現地調査で詳しく紹介しています。

よくある質問

平屋の外壁塗装は2階建てより安くなりますか?

外壁だけなら、同じ延床面積の2階建てより塗装面積と足場が少なくなりやすいため、費用も下がる傾向があります。本文の試算では、外壁の塗装面積は総2階の約7割、足場は約8割でした。ただし屋根や軒天、雨樋を含めると平屋のほうが数量の多い項目もあるため、工事範囲をそろえた見積もりで比べてください。

平屋なら足場なしで外壁塗装できますか?

平屋でも軒先や破風は地面から3m前後の高さにあり、労働安全衛生規則は高さ2m以上で墜落の危険がある作業に作業床などの措置を求めています。そのため、足場を組んで施工するのが一般的です。足場を使わない提案を受けた場合は、軒先や屋根まわりをどの方法で安全に塗るのかを具体的に説明してもらいましょう。

平屋の屋根も外壁と一緒に塗ったほうがよいですか?

屋根材が塗装に向いていて、外壁と屋根の傷み具合が近い場合は、同じ足場で施工できる同時施工を検討する価値があります。平屋は屋根面積が大きいため、屋根を含むかどうかで総額が大きく変わります。屋根の診断結果を確認し、同時施工と外壁のみの両方で見積もりを取って比べてください。

軒の出が深い平屋は外壁塗装の費用が上がりますか?

軒の出が深いほど軒天の面積と軒樋の長さが増えるため、付帯部の費用は上がりやすくなります。一方で、深い軒は外壁への雨掛かりを減らすため、外壁の上部は劣化が比較的進みにくいことがあります。見積書では軒天の㎡数と雨樋のm数を確認し、面ごとの劣化に合わせた補修範囲になっているかを見ましょう。

平屋の外壁塗装の見積もりでは、何を比べればよいですか?

外壁・足場・屋根の㎡数と、軒天・破風・雨樋の数量を同じ条件でそろえることが出発点です。屋根を含む見積もりと含まない見積もりが混在していると、総額だけでは比べられません。数量に大きな差がある項目は、どの面をどう測ったのかを施工店に質問してください。

まとめ

平屋の外壁塗装は、壁が低いぶん外壁面積と足場は2階建てより少なくなりやすい一方、外周が長く、屋根・軒天・雨樋の数量は多くなります。延床30坪の試算では、外壁は総2階の約7割、屋根は約1.9倍でした。高さ2m以上の作業には墜落防止の措置が必要なため、平屋でも足場を前提に考えましょう。

費用を比べるときは、屋根を同時に塗るかどうかを先に決め、外壁・屋根・足場の㎡数と付帯部の数量をそろえて見積もりを並べることが大切です。軒の深い平屋では面ごとに劣化の程度が違うため、現地調査の写真で補修範囲を確かめてください。

平屋の工事範囲をそろえて見積もりを比べる

外壁塗装見積ナビで見積もりを依頼する際は、屋根を含む案と外壁のみの案を各社に出してもらい、外壁・屋根・足場の㎡数と軒天・雨樋の数量を同じ表で比べましょう。

参考資料

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