外壁塗装の保証が使えない理由|対象外の条件と確認・相談先
外壁塗装の後に剥がれや膨れを見つけて施工店に連絡したのに、「それは保証の対象外です」と断られることがあります。保証期間が残っているのになぜ使えないのか、納得できないまま終わってしまう方も少なくありません。
保証が使えるかどうかは、保証期間の長さよりも、誰が保証しているか、どの部位のどんな現象を対象にしているか、どんな場合を除外しているかで決まります。この記事では、外壁塗装の保証の種類、対象外になりやすい理由、保証書の読み方、断られたときに確認することと相談先を順に説明します。
保証書の中身まで比べて依頼先を選ぶ
外壁塗装見積ナビでは、複数の施工店へ見積もりを依頼し、保証の対象部位や年数、免責事項、点検の頻度を契約前に比べられます。
外壁塗装の保証は誰が何を保証するかで3種類に分かれる
ひと口に「保証」と言っても、外壁塗装では保証する主体と仕組みが異なる3つの制度が使われます。どの保証で断られたのかが分かると、次に確認する相手と書類がはっきりします。
| 種類 | 保証する者 | 主な対象 | 期間の決まり方 | 使えない典型例 |
|---|---|---|---|---|
| 施工店保証 | 工事をした施工店 | 施工店が定めた部位と現象 | 施工店ごとに自由に設定 | 保証書の免責事項に当たる、施工店の廃業 |
| 塗料メーカー保証 | 塗料メーカー(施工店と連名の場合もある) | 塗料の品質や塗膜の性能 | メーカーの保証制度の条件による | 制度の対象施工店でない、仕様どおりに塗っていない |
| リフォーム瑕疵保険 | 住宅瑕疵担保責任保険法人(保険金の支払い) | 工事の欠陥(瑕疵)による補修費用など | 構造・雨水浸入の部分は5年、その他は1年 | 加入していない、欠陥と判断されない現象 |
施工店保証は、施工店が独自に出すもので、法律で内容が決まっているわけではありません。同じ「10年保証」でも、外壁の剥がれだけを対象にするもの、付帯部やシーリングを短い期間にするものなど、中身はさまざまです。塗料メーカーの保証は、施工店の登録や塗装の仕様など、メーカーが定める制度の条件を満たした工事が対象になり、その条件はメーカーごとに異なります。両者の違いは塗料メーカー保証と施工保証の違い|対象・期間・請求先を比較で詳しく解説しています。
リフォーム瑕疵保険は、国土交通大臣が指定した住宅瑕疵担保責任保険法人が引き受ける保険で、登録したリフォーム事業者が工事ごとに加入します。工事の途中や完了後に第三者の検査員(建築士)が現場を検査し、後で欠陥が見つかった場合は補修費用などが事業者に支払われます。住宅瑕疵担保責任保険協会の案内では、塗装仕上げ工事で著しい白亜化、剥がれ、亀裂が生じた場合が対象例に挙げられています。保険期間は工事の部分や保険の内容によって異なるため、自宅の工事がどの区分で何年なのかは、工事後に受け取る保険付保証明書で確認してください。事業者が倒産などで補修できない場合は、発注者が保険法人に直接請求でき、その際の免責金額は発注者の負担です。
保証の対象外と言われやすい主な理由
保証が断られる理由には、いくつかの決まった型があります。ただし、どれが除外されるかは保証書ごとに異なるため、下の表は「自分の保証書のどこを見るか」の手がかりとして使ってください。
| 理由 | どういう状態か | 保証書で確認する箇所 |
|---|---|---|
| 経年劣化 | 色あせ、チョーキング(触ると白い粉が付く状態)、艶の低下 | 保証する現象の定義、色や艶の扱い |
| 天災・外からの力 | 台風、地震、飛来物、車の接触などによる損傷 | 免責事項(天災、第三者の行為) |
| 下地が原因 | 外壁材の反りや割れ、建物の動きによるひび割れ | 免責事項(下地、構造) |
| 他社の工事・改造 | 後から別の業者がアンテナや配管の穴を開けた | 免責事項(第三者の施工、改造) |
| 点検・連絡の条件 | 定期点検を受けていない、発見から連絡までが遅い | 保証の条件、請求の手続き |
| 対象外の部位 | 木部、鉄部、シーリングなどが別扱い | 対象部位と部位ごとの年数 |
中でも話がこじれやすいのが「下地が原因」という説明です。塗膜の剥がれは、塗装の工程に問題があっても、外壁材そのものの劣化や新築時の施工が原因でも起こります。住まいるダイヤルのよくある相談では、リフォーム後の不具合でも原因が新築時の工事にある場合があるとして、まずリフォーム事業者に原因の調査を依頼し、それでも分からなければ第三者の専門家に調べてもらう方法を示しています。
台風や飛来物による損傷は、保証の対象外でも、住まいの火災保険で補償されることがあります。外壁の損傷で保険を使うときの流れは外壁塗装に火災保険は使える?無料になるかと請求の流れを参考にしてください。
保証書を読むときに見る5つの欄
保証書は、工事の完了時に受け取る書類の中でも、後から最も読み返す機会が多いものです。受け取ったら、次の5つの欄が書かれているかを確かめ、分からない言葉は施工店に説明を求めましょう。
1つ目は保証する者です。施工店名だけなのか、塗料メーカーとの連名なのかで、施工店が廃業したときの請求先が変わります。2つ目は対象部位で、外壁、屋根、付帯部、シーリングのどこまでが含まれ、部位ごとに何年なのかを見ます。3つ目は保証する現象で、「剥がれ」「膨れ」だけなのか、色あせも含むのか、「著しい」とある場合は何を基準に判断するのかを確認してください。
4つ目は期間と起算日です。工事完了日から数えるのか、引き渡し日から数えるのかで、期限の判断が変わることがあります。5つ目は免責事項と請求の手続きで、天災や下地、第三者の工事などの除外条件のほか、定期点検を受けることや、不具合を見つけてから何日以内に連絡することといった条件が書かれていないかを読みます。
保証書と一緒に、使用した塗料の製品名と色番号、工程ごとの写真も保管しておきましょう。保証を請求するときに、どの塗料をどの工程で塗ったかを示す材料になります。完了時に受け取る書類の一覧は外壁塗装の完了時にもらう書類|保証書・工程写真・使用塗料で確認できます。
「対象外」と言われたときに確認すること
保証の対象外と言われたら、まずその判断の理由を書面で示してもらいましょう。「経年劣化です」「下地が原因です」という結論だけでなく、どの箇所をどう調べて、保証書のどの条項に当たると判断したのかを尋ねることが大切です。
次に、自分の手元の記録と照らし合わせます。不具合の写真を発見日とともに残し、施工時の工程写真や塗料の製品名と比べると、塗装の工程に原因があるのか、外壁材の側に原因があるのかを第三者が判断しやすくなります。施工店の説明に納得できないときは、建築士などに調査を依頼して意見を聞く方法もあります。
保証書の対象外であっても、施工店の責任がなくなるとは限りません。民法では、請負人が契約の内容に適合しない仕事の目的物を引き渡した場合、注文者は修補などを求めることができ、その不適合を知った時から1年以内に請負人へ通知する必要があると定めています(第559条、第562条、第637条)。保証とは別の根拠になるため、塗装の工程そのものに疑問がある場合は、気づいた時点で書面で通知しておきましょう。工事後1年ほどで剥がれた場合の対応は外壁塗装が1年で剥がれた原因は?保証・補修を求める手順で説明しています。
点検を受けていないことが理由とされた場合は、保証書に点検の受診が条件として書かれているか、点検の案内が施工店から来ていたかを確認してください。点検の時期と確認する箇所は外壁塗装後の定期点検はいつ?確認箇所と業者への連絡基準にまとめています。
話し合いがまとまらないときの相談先
施工店との話し合いがまとまらないときは、住宅の専門家がいる第三者の窓口を使いましょう。相談の前に、保証書、契約書と見積書、工程写真、不具合の写真、施工店とのやり取りの記録をそろえておくと、具体的な助言を受けやすくなります。
公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センターが運営する「住まいるダイヤル」は、国土交通大臣から指定を受けた住宅の相談窓口です。電話(03-3556-5147、平日10時〜17時)で建築士の相談員に相談でき、リフォーム工事の発注者であれば、リフォーム瑕疵保険に加入していなくても、弁護士と建築士による対面の専門家相談を原則無料で利用できると案内されています。
リフォーム瑕疵保険が付いた工事であれば、各地の弁護士会に置かれた住宅紛争審査会で、あっせん・調停・仲裁といった裁判外の紛争処理を申請することもできます。申請料は1万円で、一部の保険付き住宅は1万4千円とされています。契約や勧誘のしかたに問題があると感じる場合は、消費者ホットライン「188」から近くの消費生活センターに相談してください。
見積もり段階で比べたい保証の中身
保証が使えない事態を減らすには、契約前に保証の中身を比べておくことが近道です。複数の施工店から見積もりを取ると、同じ年数の保証でも、対象部位や免責事項に大きな差があることが分かります。
比べるときは、保証書のひな形を契約前に見せてもらいましょう。外壁、屋根、付帯部、シーリングの部位ごとの年数、保証する現象、免責事項、点検の頻度と費用が書かれているかを並べると、どの施工店の保証が実際に使いやすいかが見えてきます。年数だけが長く、対象の現象や部位が狭い保証より、範囲と条件が明確な保証の方が、いざというときに頼りになります。
リフォーム瑕疵保険を使いたい場合は、施工店が保険法人に登録した事業者かを確認し、加入を依頼してください。登録事業者は住宅瑕疵担保責任保険協会のサイトで検索できます。施工店が廃業した場合の保証の扱いは塗装業者が倒産したら?工事中・保証期間中に確認することを、保証期間の一般的な考え方は外壁塗装の保証期間は何年?10年保証の中身と保証書の確認点を参考にしてください。
よくある質問
塗装後に色あせしたのに保証が使えないのはなぜですか?
色あせやチョーキングを、紫外線などによる塗膜の自然な変化として、保証の対象から外している保証書があるためです。保証の対象を剥がれや膨れに限っている保証書では、色あせは請求の対象になりません。色の変化も対象に含むかどうかは、保証書の「保証する現象」の欄で確認してください。
定期点検を受けていないと保証は使えなくなりますか?
保証書に点検の受診が条件として書かれている場合は、受けていないことを理由に断られることがあります。条件として書かれていなければ、点検を受けていないことだけで保証が無効になるとは言えません。保証書の条件の欄を確認し、点検の案内が施工店から届いていたかも振り返ってみましょう。
施工店が倒産したら保証はどうなりますか?
施工店だけが出している保証は、施工店がなくなると請求先を失います。塗料メーカーとの連名保証であればメーカーの制度の条件を確認し、リフォーム瑕疵保険に加入していれば、保険法人へ直接保険金を請求できます。保証書と保険付保証明書の両方を手元に保管しておくことが大切です。
保証書をもらっていない場合でも補修を求められますか?
保証書がなくても、施工が契約の内容に適合しない場合は、民法の規定に基づいて修補などを求められます。ただし、不適合を知った時から1年以内に施工店へ通知する必要があるため、気づいたら早めに書面で伝えてください。あわせて、保証書を発行する約束があったかを契約書や見積書で確認し、施工店に発行を求めましょう。
保証期間内なのに「下地が原因」と言われたらどうすればよいですか?
どの箇所をどう調べて下地が原因と判断したのか、根拠と調査写真を書面で示してもらいましょう。塗膜の剥がれは、塗装の工程の不備でも外壁材の劣化でも起こるため、結論だけでは判断できません。説明に納得できない場合は、建築士などの第三者に調査を依頼し、住まいるダイヤルの相談も利用してください。
まとめ
外壁塗装の保証が使えない理由は、保証の種類と保証書の中身にあります。施工店保証、塗料メーカー保証、リフォーム瑕疵保険は、保証する者と対象が異なり、経年劣化、天災、下地が原因、他社の工事、点検や連絡の条件、対象外の部位などが除外されていないかは、保証書の免責事項と条件の欄で確認する必要があります。
対象外と言われたら、判断の根拠を書面で求め、工程写真や不具合の記録と照らし合わせてください。保証とは別に、民法の契約不適合の責任を問える場合もあるため、話し合いがまとまらないときは住まいるダイヤルなどの第三者に相談しましょう。
保証の範囲と条件をそろえて比べる
外壁塗装見積ナビで見積もりを依頼する際は、各社に保証書のひな形を見せてもらい、対象部位、年数、免責事項、点検の条件、リフォーム瑕疵保険への対応を同じ条件で比べましょう。