アレスダイナミックシーラーの選び方|アクアとマイルドの違い
見積書に「アレスダイナミックシーラー」とだけあっても、水性のアクアか、弱溶剤のマイルドかが分からなければ施工条件を確認できません。どちらも関西ペイントの下塗り材ですが、適用できる外壁材や表面加工、希釈剤、上塗りまでの工程は製品の仕様で判断します。上塗りの「アレスダイナミックTOP」「MUKI」と同じ役割の塗料でもありません。
この記事では、アクアとマイルドの違い、外壁・屋根の上塗りとの組み合わせ、似た名前の軒天用塗料の区別、見積書の比較方法を説明します。シーラーが外壁塗装で担う役割はシーラー・プライマー・フィラーの違いで確認できます。
下塗りの正式名を確かめて見積もりを比較
外壁塗装見積ナビで見積もりを取る際は、外壁材の品番と既存塗膜の状態を各社に伝え、シーラーの正式名と上塗りを一組で示してもらいましょう。付着確認や下地補修の範囲も比べられます。
シーラーアクアとシーラーマイルドは別製品です
関西ペイントのアレスダイナミックシリーズには、下塗り材と上塗り材が複数あります。アレスダイナミックシーラーアクアは水性二液形、アレスダイナミックシーラーマイルドは弱溶剤二液形のエポキシ系シーラーです。両製品ともベースと硬化剤を混ぜる仕様なので、「水性だから一液」とは読み取れません。
| 製品の正式名 | メーカー資料での位置付け | 見積書で最初に見る点 |
|---|---|---|
| アレスダイナミックシーラーアクア | 水性の多用途エポキシ下塗り材 | 表面加工の適用条件、上水での希釈(0〜15%)、施工面 |
| アレスダイナミックシーラーマイルド | ターペン可溶の多用途エポキシ下塗り材 | 特殊表面への適合、無希釈指定、白か透明か |
| アレスダイナミックTOP | 外壁用の水性シリコン系上塗り | 下塗りと上塗りの組み合わせ、塗り回数 |
| アレスダイナミックMUKI | 外壁用の水性無機系上塗り | 下塗りの種類と中塗りを含む工程 |
関西ペイントのシリーズ一覧には、TOPとMUKIのほか、屋根用や軒裏・鉄部用の別製品も並びます。「アレスダイナミック」というシリーズ名だけで外壁用の材料を指定したことにはなりません。見積書にアクア/マイルド、TOP/MUKIなど末尾まで書いてもらい、どの面に使うかを分けましょう。
二液形の混合比は、アクアとマイルドのメーカー資料でともにベース:硬化剤=5:1です。ただし、混ぜる比率が同じでも、水性と弱溶剤の施工条件まで同じにはなりません。現場では製品ごとの仕様書を使う必要があります。
外壁材と表面加工で下塗り候補を絞ります
シーラーアクアのカタログは、窯業系サイディング、コンクリート、モルタル、スレート板などを適用下地に挙げています。一方で、無機系樹脂・光触媒・ふっ素樹脂・シリコン樹脂などで特殊に処理された窯業系サイディングには適用できないと注記しています。また、塗り替えで旧塗膜に塗る場合は、旧塗膜の付着力0.5N/㎜2以上(活膜)が必要としています。普通の窯業系サイディングで使える製品が、表面加工品にも使えるとは限りません。
シーラーマイルドのカタログは、無機系樹脂や光触媒処理を施した窯業系サイディングへの付着も製品の特長に挙げています。ただし、実際の板の品番、旧塗膜の種類、劣化の程度まで見ずに採用を決める根拠にはなりません。施工店にメーカー資料と外壁材の品番を照合してもらい、必要なら目立たない面で付着を確認しましょう。
「マイルドなら特殊面へ何でも塗れる」「アクアは弱い」という比較は避けてください。メーカー資料はそれぞれの製品の適用条件を示しており、優劣の一列比較ではありません。旧塗膜の浮き、粉化、雨水による傷みがあれば、下塗りの前に除去や補修が必要です。施工店ごとに判断が違うときは、どの面をどんな下地と判定したか写真で示してもらいましょう。
防水フィラーとプラサフⅡも下塗り候補です
見積書の下塗りには、シーラーのほかにアレスダイナミック防水フィラーやアレスダイナミックプラサフⅡが書かれることもあります。関西ペイントの現行シリーズ一覧では「プラサフⅡ」と表記されています。「プラサフ」だけの省略名では製品を特定できないため、缶と施工資料の正式名を確認しましょう。
| 下塗り材 | メーカーの標準仕様にある施工方法と所要量 | 見積書で確認する条件 |
|---|---|---|
| アレスダイナミック防水フィラー | 多孔質ローラー、1回当たり0.50〜1.50kg/㎡ | 既存の模様、下地の吸い込み、強化剤の有無、上塗りまでの乾燥時間 |
| アレスダイナミックプラサフⅡ | 中毛ローラー、1回当たり0.25〜0.40kg/㎡ | 下地の種類、シーラー追加の要否、強化剤の有無、上塗りまでの乾燥時間 |
防水フィラーは弾性のある下地調整材で、プラサフⅡはシーラー機能と中塗り機能を兼ねる下地材です。メーカーの標準仕様では、防水フィラーを乾燥面へ塗る場合、次の工程まで23℃で8時間以上、湿潤面では強化剤を使い16時間以上としています。プラサフⅡは乾燥面なら主材のみで4時間以上、湿潤面では強化剤を加えて8時間以上です。ただし、湿潤面に使えるという記載は、降雨中や水滴が多い面でも塗装できるという意味ではありません。漏水箇所の処置、洗浄後の乾燥、旧塗膜の除去は先に必要です。
プラサフⅡのカタログは、コンクリート・モルタルにはアレスダイナミックシーラーアクアなどの下塗りを指定しています。防水フィラーのカタログも、下地の種類や状態に応じて追加のシーラーを示しています。両製品とも名前に「防水」が含まれても、雨漏りの原因調査や止水工事を代替するものではありません。見積書では、下地の診断結果と下塗りの組み合わせを一組で比べてください。
上塗りがTOPかMUKIかで工程を確認します
下塗りの名前から上塗りを推測しないでください。関西ペイントのアレスダイナミックTOPの標準仕様では、通常の下塗りとしてアレスダイナミックフィラーを示し、シーラーアクアやシーラーマイルドなども候補に挙げています。つまり、TOPを使うなら必ず同じシーラー一種類という指定ではありません。下地と仕上がりに応じた仕様を選びます。
アレスダイナミックMUKIの資料にも、シーラーアクアやシーラーマイルドを含む下塗り候補が示されています。MUKIは上塗り材であり、シーラーとは工程が違います。TOPの標準仕様は下塗りの後にTOPを2回塗る構成で、MUKIの標準仕様は下塗り、専用の「アレスダイナミックMUKI 中塗」、MUKIの順です。見積書では各工程の正式名を順番に並べてもらい、メーカーが示す組み合わせか確認してください。異なる資料の製品名を拾って独自に並べただけでは、施工仕様の裏付けになりません。
TOPには「ダイナミック強化剤」を使う湿潤面・高湿度環境仕様もありますが、雨の日や湿った壁で塗装を進めてよいかの判断は外壁塗装と雨の日で確認してください。
塗り重ね時間は下塗り材や上塗り材、温湿度で変わります。シリーズ名だけで施工日程を決めず、各工程の製品仕様と現場の条件を照合します。外壁塗装の乾燥時間では工程間隔の見方を説明しています。
アレスダイナミックルーフは屋根用の上塗りです
関西ペイントのシリーズ一覧では、「アレスダイナミックルーフ」系列を屋根用上塗塗料として、外壁用のTOP・MUKIや下塗り用シーラーとは別に分類しています。特に「アクア」「MUKI」は外壁用製品にも似た名前があるため、見積書の省略名だけで製品を特定できません。
| 屋根用上塗りの正式名 | シリーズ一覧での区分 | 見積書で区別したい名称 |
|---|---|---|
| アレスダイナミックルーフ | 弱溶剤・シリコン系 | 外壁用のアレスダイナミックTOPとは別製品 |
| アレスダイナミックルーフアクア | 水性・シリコン系 | 下塗り用のシーラーアクアとは別製品 |
| アレスダイナミックルーフMUKI | 弱溶剤・無機系 | 外壁用のアレスダイナミックMUKIとは別製品 |
| アレスダイナミックルーフ遮熱 | 弱溶剤・シリコン系 | 通常のルーフとは別製品。遮熱仕様の有無を確認 |
「ルーフアクア」は水性の上塗りで、「シーラーアクア」は水性の下塗りです。同じ「アクア」でも、上塗りの代わりに下塗りを塗ったり、下塗りを省略したりはできません。また、「ルーフMUKI」と外壁用「MUKI」も施工する面が異なります。
関西ペイントの新生瓦・波型スレートの塗り替え推奨仕様では、一例としてルーフとルーフMUKIには「アレスダイナミックルーフ1液エポシーラー」、ルーフアクアには「アレスダイナミックルーフ1液カチオンシーラー」を下塗りに示し、各上塗りは2回です。これは新生瓦・波型スレートに対する仕様例で、すべての屋根に共通する下塗り指定ではありません。たとえばルーフMUKIのカタログでは、住宅屋根用化粧スレートと金属屋根で下塗り候補を分けています。
施工店には屋根材の種類、既存塗膜の状態、破損やさびの補修範囲を伝え、屋根面の下塗り・上塗りの正式名と回数を一組で提案してもらいましょう。屋根材によっては塗り替え自体の適否の確認が先です。製品のグレード名や缶の価格だけで見積もりを比較せず、下地処理、施工面積、足場と屋根工事の税込金額をそろえてください。
「アレスノキテンコート」は軒天用の別製品です
検索や見積書には「アレスノキテンコート」も現れます。これは関西ペイントの軒天井塗り替え用塗料で、外壁の下塗り材であるアレスダイナミックシーラーや、アレスダイナミックTOPとは用途が違います。また、シリーズ一覧の「軒裏・鉄部用塗料」に載る「アレスダイナミックノキエ」とも別の製品で、アレスノキテンコートはシリーズ一覧には載っていません。
たとえば外壁の見積書に「アレスダイナミックTOP」、軒天の見積書に「アレスノキテンコート」と並ぶことはありますが、同じシリーズ一式として扱うと材料の役割が分かりにくくなります。軒天は外壁と面積・下地・通気部材が違います。見積書では外壁面、軒天面、屋根面を分けて製品名を書いてもらいましょう。
「ノキテンコート」と「ノキエ」のどちらを提案しているかも、製品の正式名で確認してください。ノキテンコートは軒天井塗替専用塗料、ノキエはシリーズ一覧で軒裏・鉄部用塗料に分類される製品で、工程や下塗りの組み合わせは採用製品の仕様で変わります。外壁塗装のセットに自動で含まれると考えず、軒天の工事範囲と数量を別に確認します。
見積書では下塗りの根拠と施工面を比べます
施工店によってアクアとマイルドの提案が異なるなら、缶の価格より先に外壁材と旧塗膜の判断を比べます。一社は通常の窯業系サイディング、もう一社は特殊表面加工品と判断している可能性があります。両社へ同じ品番資料と外壁写真を渡し、選定理由を記載してもらいましょう。
| 比較項目 | 見積書・提案書で確認する内容 |
|---|---|
| 外壁材と旧塗膜 | 品番、表面加工、浮き・粉化・水濡れの有無 |
| 下塗り材 | シーラーのアクア・マイルド、防水フィラー、プラサフⅡのどれを、どの壁面へ使うか |
| 適合の根拠 | メーカーの適用下地、付着確認や試験施工の有無 |
| 工程 | 下地補修、下塗り、中塗り、上塗りの正式製品名と回数 |
| 施工条件 | 二液の混合管理、希釈の指定(アクアは上水0〜15%、マイルドは無希釈指定)、標準所要量、乾燥と塗り重ねの時間 |
| 費用の範囲 | 外壁・軒天・屋根を分けた面積、屋根材別の下塗りと補修、足場・養生、税込総額 |
シーラーの缶数も、メーカーの標準所要量と施工面積から説明してもらいます。吸い込みが大きい壁や劣化した屋根材では追加塗りが必要になる仕様があり、同じ一缶でも塗れる面積は変わります。希釈率だけを比べても、塗料成分の必要量は分かりません。外壁塗装の塗布量で数量の見方を確認できます。
見積書が「アレスダイナミック一式」なら、製品の正式名と施工面を分解してもらいましょう。外壁の下塗りがシーラー、上塗りがTOPなのかMUKIなのか、軒天と屋根は何を使うのかが分かれば、業者ごとの提案を同じ表で比較できます。メーカーごとの塗料選びを広く比較する場合は外壁塗料のメーカー比較も参考になります。
よくある質問
シリーズ名より、製品ごとの用途と施工面を確認してください。特に下塗りは、正式名の末尾の名称(アクア/マイルド)で水性か弱溶剤かが変わります。
アレスダイナミックシーラーアクアとは何ですか
関西ペイントの水性二液形エポキシ系下塗り材です。窯業系サイディングやコンクリートなどの適用下地が示されていますが、特殊な表面加工のある窯業系サイディングには適用できない旨の注記もあります。見積書に「シーラーアクア」とあるときは、外壁材の品番と旧塗膜を調べたうえで採用理由を聞いてください。
アレスダイナミックシーラーマイルドとは何が違いますか
マイルドは弱溶剤二液形の下塗り材です。メーカー資料では無機系樹脂や光触媒処理を施した窯業系サイディングへの付着を特長に挙げています。一方、アクアは水性で特殊表面加工品への適用に制限があります。両者の違いを上位・下位としてではなく、自宅の板と旧塗膜へ適合するかで比べましょう。
アレスダイナミックTOPには専用シーラーが必須ですか
関西ペイントのTOPの標準仕様ではアレスダイナミックフィラーを示し、シーラーアクアやマイルドなども下塗り候補に挙げています。一つの専用シーラーだけを必須とする内容ではありません。見積書で提案された下塗りとTOPの組み合わせが、自宅の壁材と旧塗膜の状態に合う理由を施工店に聞いてください。
アレスダイナミックMUKIはシーラーと同じ塗料ですか
同じ塗料ではありません。MUKIは外壁用の上塗り材で、シーラーアクアやマイルドは下塗り材です。MUKIの仕様書に示された中塗りや上塗りの工程を含め、見積書へ製品名を順番に記してもらいましょう。シリーズ名だけでは工法を確認できません。
アレスダイナミックルーフアクアとルーフMUKIの違いは何ですか
どちらも屋根用の上塗りですが、ルーフアクアは水性シリコン系、ルーフMUKIは弱溶剤の無機系です。外壁用のシーラーアクアやMUKIとは別製品です。新生瓦・波型スレートの推奨仕様では下塗り材も異なります。自宅の屋根材に対するメーカー仕様を施工店に示してもらい、下塗りから上塗りまでの材料と回数、屋根補修を含む見積もりを比較してください。
アレスノキテンコートもアレスダイナミックシリーズですか
アレスノキテンコートは関西ペイントの軒天井塗り替え用塗料で、アレスダイナミックシリーズの製品一覧には載っていません。一覧の「軒裏・鉄部用塗料」に載るアレスダイナミックノキエとは別の製品で、外壁のシーラーや上塗りとして扱いません。軒天の見積書にどちらの製品が書かれているか、外壁とは別に施工面積と下塗りの仕様を確認してください。
まとめ
アレスダイナミックシーラーは、アクアとマイルドの正式名まで確認します。水性と弱溶剤という違いに加え、特殊表面加工への適用条件が異なります。防水フィラーとプラサフⅡも下塗り候補ですが、模様、所要量、シーラーを追加する条件が違います。外壁材の品番と旧塗膜の状態を確かめて、下塗りを選んだ理由を聞きましょう。
外壁上塗りのTOP・MUKI、屋根上塗りのルーフ系列、軒天用のノキテンコートやノキエは別の役割です。見積書では施工面ごとに下塗りから上塗りまでの製品名、補修、面積、税込総額をそろえて比較してください。
製品の正式名と適用する面をそろえる
外壁塗装見積ナビで見積もりを取るときは、アクア・マイルドの選定理由と、TOP・MUKIなど上塗りの組み合わせを各社に示してもらいましょう。外壁、軒天、屋根の工事範囲も分けて比べられます。