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COLUMN

外壁塗装の費用・塗料・業者選びをわかりやすく解説

セラMシリコンⅢ・セラMフッソとは|中塗りと見積書の確認点

外壁塗装の見積書に「セラMシリコン」とあれば、まず「セラMシリコンⅢ」の正式名と、上塗り各回に使う材料を確認してください。関西ペイントの標準仕様には「セラMシリコンⅢ中塗」の後に「セラMシリコンⅢ」を塗る構成があります。一方、同社のカタログは、シリコンⅢとフッソのどちらについても「中塗~上塗」の代わりに「上塗~上塗」で塗り重ねる構成も可能と記しています。「セラMを2回」だけでは、どちらの見積もりか分かりません。

この記事ではセラMシリコンⅢとセラMフッソの違い、下地別の下塗り、メーカー設計価格の条件を整理します。塗料全般の選び方はシリコン塗料の解説も参考にしてください。「セラミック」と付く塗料全般の見方はセラミック塗料とはで整理しています。

「セラM一式」の中身を工程ごとに確認する

外壁塗装見積ナビで見積もりを取る際は、下塗材、中塗材、仕上げ材の正式名と回数、施工面積、予定使用量を各社に記載してもらいましょう。

セラMシリコンⅢとセラMフッソは関西ペイントの二液形塗料

製造元は関西ペイントです。セラMシリコンⅢは弱溶剤形のアクリルシリコン樹脂塗料、セラMフッソは弱溶剤形のふっ素樹脂塗料です。いずれもベースと硬化剤を現場で混ぜ、メーカー指定の塗料用シンナーAで希釈します。水性の「コスモシリコン」などと、名前にシリコンが入るだけで同じ仕様として扱えません。

同じ「セラM」の名前が付く製品には、ほかにウレタン系の塗料もあります。関西ペイントの製品説明書では、弾性タイルの主材「アレスゴムタイルニューラフ」に組み合わせる上塗りの例として「セラMレタン弾性」を挙げています。見積書に「セラM」とだけ書かれている場合は、シリコン・フッソ・レタンのどれなのか、製品名を最後まで確認しましょう。

比較項目セラMシリコンⅢセラMフッソ
樹脂系アクリルシリコンふっ素
形態弱溶剤・二液形弱溶剤・二液形
メーカーが示すJIS K 5658の区分2級1級
標準仕様の上塗り1回目セラMシリコンⅢ中塗セラMフッソ中塗
標準仕様の仕上げセラMシリコンⅢセラMフッソ

このJISの区分は、塗装後の寿命や施工店の保証年数をそのまま表すものではありません。実際の持ちは既存塗膜の付着、下地処理、膜厚、日射や雨掛かりでも変わります。施工店に「何年持つ」と説明されたら、その根拠となる採用仕様と保証条件を確認してください。フッ素塗料の特徴も比較材料になります。

中塗材と仕上げ材は名前も配合比も違う

関西ペイントのカタログでは、セラMシリコンⅢ中塗とセラMフッソ中塗のベース:硬化剤は10:1、同じシリーズの仕上げ材は6:1です。いずれもメーカー指定の塗料用シンナーAを使います。「セラMシリコンⅢ」と「セラMシリコンⅢ中塗」を一つの材料として積算すると、缶数や作業手順を正しく比較できません。

工程シリコンⅢの標準例フッソの標準例見積書の確認点
下地調整・下塗り既存壁に合う下塗材既存壁に合う下塗材補修範囲、下塗材の正式名
中塗りセラMシリコンⅢ中塗、10:1セラMフッソ中塗、10:1材料名、回数、予定使用量
仕上げ塗りセラMシリコンⅢ、6:1セラMフッソ、6:1材料名、色・つや、予定使用量

シリコンⅢとフッソには、どちらも別の認められた構成があります。セラMシリコンⅢのカタログは「※ 中塗~上塗の代わりに上塗~上塗での塗り重ねも可能です。」、セラMフッソのカタログも標準塗装仕様書に「※中塗~上塗の代わりに上塗~上塗の塗り重ねも可能です。」と明記しています。したがって、どちらの見積書でも専用中塗材がないだけで仕様違反と決めつけられません。施工店がどちらを採用し、上塗材の数量と単価をどう算出したか確認してください。メーカーの設計価格表にも、上塗材2回の場合の加算が記された仕様があります。

どちらの構成でも、上塗り各回に使う材料の正式名と数量を見積書に分けて書いてもらいます。専用中塗材を使う構成なら中塗材と仕上げ材で配合が違い、上塗材2回の構成なら仕上げ材の缶数が増えます。構成が違う見積もりどうしを、単価だけで比べないようにしましょう。

下塗りは外壁材と旧塗膜に合わせる

セラMシリーズは上塗りの製品名だけで下塗りを決められません。関西ペイントのカタログには、コンクリート・モルタルの塗り替えでアレスホルダーHGを用いる例、コンクリート・モルタル面の平滑仕上げの例で浸透形Mシーラーを用いる仕様、鉄部や亜鉛めっき面でスーパーザウルスⅡを用いる例があります。窯業系サイディング、ALC、金属部では材質、旧塗膜、表面処理によって適否を判断する必要があります。

まず壁面を部位ごとに分け、ひび割れ、浮き、さび、既存塗膜の劣化を調べてもらいます。たとえば鉄部のさびを落とさず上塗りだけ替えても、塗膜の下で腐食が進みます。モルタルの漏水や鉄筋露出も、塗装前に原因を調べて補修する項目です。下塗材の違いを踏まえ、採用する下塗材の理由を現場写真とともに説明してもらいましょう。

既存の弾性塗膜や蓄熱しやすい壁では、環境条件によって膨れが生じる可能性をメーカーが注意しています。低汚染の表示も「汚れない」という保証ではありません。カタログは、雨の当たりにくい面や汚れが大量に流れる面では、十分な防汚効果が得られない場合を挙げています。方角や軒の出、旧塗膜の状態を確認し、必要なら試し塗りの範囲を決めます。

二液の配合と使用量は工程単位で確認する

二液形はベースと硬化剤の混合が必要です。カタログの表記は中塗材が「ベース:硬化剤=10:1」、仕上げ材が「ベース:硬化剤=6:1」で、二つの工程で同じ配合ではありません。混合後に使い切る時間も製品で書き方が違います。セラMシリコンⅢのカタログは混合したものを「8時間以内(23℃)」、セラMフッソのカタログはつや有り品を8時間以内(23℃)、つや調整品を5時間以内(23℃)に使い切るよう記しています。一般の施主が現場で配合を測る必要はありませんが、施工店には材料の正式名、缶の規格、施工面積、予定缶数を確認できます。

シリコンⅢとフッソの標準仕様では、中塗材・仕上げ材とも、刷毛やローラーの標準所要量は1回当たり0.12kg/㎡、エアレスなら0.14kg/㎡と示されています。これは平らな壁を必ずその数量で塗れるという意味ではありません。凹凸、吸い込み、塗装方法、補修後の面に応じて予定数量を積みます。使用量だけで膜厚を保証したと判断せず、メーカー仕様に沿った各工程の施工記録を確認してください。塗布量の見方も参考になります。

色やつやを指定する場合、見本板と実際の壁では見え方が変わります。セラMシリコンⅢのカタログは、つや調整品の仕上がりが下地の形、劣化度、膜厚、乾燥条件で変わることを注意しています。色番号とつやを見積書に記し、必要に応じて現場で試し塗りを依頼しましょう。

メーカーの㎡単価は300㎡以上の設計価格

関西ペイントの設計価格表(2023年7月現在)には、アレスダイナミックフィラーを下地調整材に使うローラー3工程の仕様で、次の材工価格が載っています。同じ下塗り・模様の条件で比較するための参考値です。戸建ての契約単価や塗料缶の販売価格ではありません。

仕上げの組み合わせ平滑さざ波
セラMシリコンⅢ中塗+セラMシリコンⅢ3,300円/㎡3,900円/㎡
セラMフッソ中塗+セラMフッソ4,150円/㎡4,750円/㎡

表の価格は施工面積300㎡以上を基準とする材工共の設計価格で、設計価格表は2023年7月現在のものです。関西ペイントは2026年7月現在の新しい設計価格表も公開しているため、見積もりの際は最新の表の値を施工店に確認しましょう。中塗・上塗の価格は白及び淡彩色のみ記載で、中彩色・濃彩色は別途問い合わせとされ、消費税は含まれておりません。メーカーは下地調整代、養生費、足場代、諸経費、法定福利費も含めないと注記しています。税や現場の補修範囲も含め、実際の支払総額は施工店の見積書で確認してください。下塗材や模様、上塗材2回の採用が変われば、同じセラMシリコンⅢでもメーカー表の別の価格になります。

たとえば「フッソはシリコンより850円/㎡高い」と一律に計算するのは避けます。上の表では同じ条件の差が850円/㎡ですが、下塗り、工法、面積、付帯部が違う見積もりには使えません。面積と工程をそろえた上で、材料費だけでなく保証の対象や補修方法も比較してください。

見積書では製品名・工程・下地をそろえて比べる

見積書に「セラMシリコン3回塗り」とだけ書かれている場合、下塗りまでセラMなのか、中塗材を使うのか、上塗材2回なのか判断できません。施工店ごとに、外壁と鉄部の塗装範囲、下地補修、各回の材料名を同じ表で比較します。セラMフッソも「フッソ塗料」の一語では、中塗材と仕上げ材の確認ができません。

見積書の項目各社に記載してもらう内容
部位と下地モルタル・サイディング・鉄部などの区分、旧塗膜の状態、面積
下地補修・下塗りひび・浮き・さびの処理、下塗材の正式名と回数
中塗りまたは上塗り1回目専用中塗材か仕上げ材か、正式名、予定使用量
仕上げ塗りセラMシリコンⅢまたはセラMフッソの正式名、色・つや、数量
金額と保証足場・養生・補修・付帯部を含む税込総額、保証対象と期間

複数社を比べるなら、希望の色・つやと施工範囲を先に共有します。そのうえで各社の下地診断が違う理由を聞き、写真や補修数量で判断してください。完成後に見えなくなる中塗りと下塗りは、使用缶のラベルと工程写真を残してもらうと確認しやすくなります。

よくある質問

セラMシリーズは製品名が似ており、同じ「上塗り2回」でも材料の組み合わせが異なります。見積書では略称を正式名に直して確認します。

セラMフッソのつや調整品で気を付けることは?

セラMフッソのカタログは、主剤と硬化剤を混合したつや調整品を5時間以内(23℃)に使い切るよう記しています(つや有り品は8時間以内)。また、つや調整品で仕上げる際は上塗1層目をつや有り、2層目をつや調整品とし、この場合の塗装間隔は1日以上あけるよう指示しています。つや調整品(カタログでは「艶調整は3分艶有まで」)を希望するなら、上塗り各回の材料のつやと工程の日数を見積書と工程表で確認しましょう。

セラMシリコンⅢやセラMフッソは専用中塗りが必須ですか?

専用中塗材を使う標準仕様がありますが、セラMシリコンⅢとセラMフッソのカタログはどちらも、中塗~上塗の代わりに上塗~上塗の塗り重ねも可能としています。したがって、専用中塗材がない見積もりを一律に不適切とは判断できません。どちらの構成で積算したか、上塗り各回の正式名と数量を施工店に確認してください。

セラMフッソ中塗と仕上げ材は同じですか?

別の材料です。カタログの表記では、中塗材が「ベース:硬化剤=10:1」、仕上げ材が「ベース:硬化剤=6:1」です。仕上げを中塗材で代用する前提の見積もりは避け、各工程の材料名を分けて記載してもらいます。カタログは上塗~上塗の塗り重ねも可能としているため、上塗材を2回使う提案ならその構成で積算したことを確認しましょう。

セラMフッソの㎡単価はいくらですか?

関西ペイントの設計価格表では、アレスダイナミックフィラーを使う3工程の例で、セラMフッソ中塗+セラMフッソが平滑4,150円/㎡、さざ波4,750円/㎡です。2023年7月現在の価格で、白及び淡彩色のみの記載、消費税は含まれておりません。300㎡以上を基準とし、下地調整・養生・足場なども含まれません。戸建ての総額は現地調査と別途の見積書で確認してください。

セラMシリコンⅢとフッソはどちらが長持ちしますか?

メーカーのJIS K 5658表示はシリコンⅢが2級、フッソが1級です。ただし、この区分だけで自宅の外壁で何年持つかは決まりません。旧塗膜の状態、下塗りとの組み合わせ、塗布量、日当たり、雨掛かりで結果が変わります。保証年数と対象範囲も施工店ごとに確認しましょう。

まとめ

セラMシリコンⅢとセラMフッソは、どちらも関西ペイントの弱溶剤・二液形塗料です。樹脂系とJISの区分が違い、標準仕様では各シリーズの専用中塗材と仕上げ材を使い分けます。両製品とも仕上げ材2回の構成もカタログに明記されているため、見積書は工程名より材料の正式名で読みます。

メーカーの設計価格は300㎡以上の条件付きです。現場の外壁材と旧塗膜に合う下塗り、補修範囲、各工程の材料と使用量、足場を含む総額をそろえて比較してください。掲載店の施工実例や使用缶数は、確認でき次第この原稿に追加します。

シリコンⅢとフッソを同じ条件で比較する

外壁塗装見積ナビで見積もりを集める際は、下地診断、下塗材、中塗材と仕上げ材の正式名、面積・予定使用量、税込総額と保証範囲を各社に記載してもらいましょう。

参考資料

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