見積書の主材・仕上塗材|ゴムタイル・タイルラック・ソフトロール
外壁塗装の見積書に、「アレスゴムタイルニューラフ」「タイルラック」「ソフトロール」などの製品名と、「主材」「中塗り」という工程名が書かれていることがあります。これらは外壁の模様をつくる仕上塗材ですが、複層塗材の主材と、薄塗材の仕上げ材では工程が違います。見積書の製品名と工程を照らし合わせないと、何にいくら払うのかが分かりにくくなります。
この記事では、見積書に出る代表的な主材・仕上塗材の製品を、メーカーの公表値で比べ、施工店に確認する点を整理します。吹き付けタイルの外壁全体の塗り替えは吹き付けタイル外壁の塗り替え、リシンの外壁はリシン外壁の塗装で詳しく扱っています。
主材の製品名と模様を揃えて見積もる
外壁塗装見積ナビで見積もりを依頼する際は、今の外壁の模様の写真を各社に渡し、主材を使うかどうか、使う場合の製品名と模様、塗り回数を示してもらいましょう。同じ条件で費用を比べやすくなります。
「主材」は模様と厚みをつくる工程
吹き付けタイルのような複層の凹凸のある外壁は、下塗り・主材・上塗りの組み合わせで仕上げられています。リシンや砂壁状の外壁は、主に薄塗材で仕上げられています。主材は、その中で凹凸の模様や塗膜の厚みをつくる材料です。塗り替えのとき、今の模様をそのまま生かして上塗りだけをする方法もあれば、主材を塗り直して模様をつくり直す方法もあります。
複層塗材の主材を使う提案では、見積書が「下塗り→主材(中塗り)→上塗り」のような工程になり、一般的な「下塗り→中塗り→上塗り」とは中塗りの意味が違います。上塗りの回数は製品の施工仕様に従います。工程名だけを見て比べると、模様をつくる材料が入っているかどうかを見落とすことがあります。
これらの材料の多くは、日本産業規格の JIS A 6909(建築用仕上塗材) の区分で分類されています。製品説明書やカタログには「防水形複層塗材E」「可とう形外装薄塗材E」といった区分が書かれており、厚く仕上げる「複層塗材」と、薄く仕上げる「薄塗材」で性質が違います。
代表的な主材・仕上塗材の比較
見積書でよく見かける製品を、メーカーの公表値で並べました(2026年10月確認)。
| 製品 | メーカー | JIS A 6909 の区分(メーカー記載) | 塗装方法 | 適用下地(メーカー記載) |
|---|---|---|---|---|
| アレスゴムタイルニューラフ | 関西ペイント | 防水形複層塗材E 主材 | ローラー・吹付け | コンクリート、モルタル、ALC板 |
| タイルラック1液EPO-Sベース | 日本ペイント | 複層塗材RE 主材(相当) | ローラー・吹付け | モルタル、コンクリート、ALC、サイディングボード、押出成形セメント板など |
| セラスカケン | エスケー化研 | 外装薄塗材E | 吹付 | コンクリート、モルタル、ALCパネル、スレート板、各種旧塗膜など |
| ソフトロール | エスケー化研 | 可とう形外装薄塗材E | ローラー | コンクリート、モルタル、ALCパネル、スレート板、各種旧塗膜など |
アレスゴムタイルニューラフは、いわゆる弾性タイルの主材です。関西ペイントは製品説明書で、合成樹脂エマルション系の複層塗材とし、クラック充填性や下地の隠ぺい性に優れ、ローラー塗装や吹付け塗装が可能で仕上がり感が多彩なことを特長としています。上塗りには、同社の水性弾性塗料やシリコン塗料などを組み合わせます。
タイルラック1液EPO-Sベースは、日本ペイントの複層塗材RE主材相当品です。硬化剤が不要な1液タイプのエポキシ系で、希釈率を変えるだけで吹き付けとローラーを選べるとしています。模様はヘッド押さえ、凹凸、小柄凹凸、ゆず肌状などがあります。
セラスカケンは、無機質の着色骨材の組み合わせで多彩色の模様をつくる吹付けの薄塗材です。エスケー化研は、顔料を使っていないため長期間退色がないと説明しています。ソフトロールは、砂壁状に仕上げるローラー用の弾性塗材で、下地の微細なひび割れに追従して雨水の浸入を防ぐとしています。
期待耐用年数と設計価格の見方
エスケー化研は、セラスカケンとソフトロールの期待耐用年数をいずれも4〜6年としています。同社は、期待耐用年数を次の塗り替え時期の目安で、地域、立地条件、方角などにより異なる参考値だと説明しています。仕上塗材の上に保護のための上塗りを重ねる仕様では、上塗りの塗料によって次の塗り替え時期が変わるため、見積書で上塗りの製品名も確認しましょう。
設計価格は、セラスカケンが1㎡あたり3,100円、ソフトロールが3,880円(いずれも下塗材込み)です。ただし、エスケー化研は設計価格を300㎡以上を基準とする材工共の価格で、下地調整費は含まないと注記しています。戸建ての見積もりでは、面積が小さいことや足場・下地補修の費用が加わることから、設計価格と同じ単価にはなりません。
塗装の条件にも注意が必要です。関西ペイントは、アレスゴムタイルニューラフの使用上の注意として、低温時(5℃以下)や多湿時(85%以上)の塗装を避けること、塗装前に漏水処理とクラック処理を行うこと、旧塗膜のチョーキング層を高圧水洗などで除去することを挙げています。工程表で、天候による中止の基準と下地処理の内容を確認しておきましょう。
見積書で施工店に確認すること
主材を使う提案と、上塗りだけの提案では、費用も仕上がりも変わります。複数の施工店で比べるときは、次の点を揃えましょう。
| 確認する欄 | 施工店に示してもらう内容 |
|---|---|
| 主材を使うか | 模様をつくり直すか、今の模様を生かして上塗りだけにするか、その理由 |
| 製品名と区分 | 主材の製品名と JIS A 6909 の区分、下塗り・上塗りの製品名 |
| 模様 | 仕上げの模様(凹凸、ゆず肌、砂壁状など)と見本板の有無 |
| 塗装方法 | 吹き付けかローラーか、近隣への飛散対策 |
| 数量と単価 | 主材の工程の面積と単価、下地補修の範囲 |
今の外壁の模様を大きく変えたくない場合は、上塗りだけで済むのか、主材の塗り直しが必要なのかを施工店に説明してもらいましょう。吹き付けとローラーで仕上がりや飛散の心配が変わる点はローラー塗装と吹き付け塗装の違いで詳しく説明しています。見積書全体の読み方は外壁塗装の見積書の見方を参考にしてください。
よくある質問
見積書の「主材」とは何ですか?
外壁の凹凸模様や塗膜の厚みをつくる材料です。吹き付けタイルのような複層の仕上げで使われ、下塗りと上塗りの間に塗ります。塗り替えのとき、今の模様を生かして上塗りだけにする方法と、主材を塗り直して模様をつくり直す方法があるため、見積書でどちらの提案かを確認しましょう。主材の工程が入る場合は、その面積と単価も見積書に書いてもらうと比べやすくなります。
弾性タイルとは何ですか?
厚みのある複層の仕上塗材に、ひび割れへの追従性を持たせたものを指すことが多い呼び方です。関西ペイントのアレスゴムタイルニューラフは、JIS A 6909 の防水形複層塗材Eの主材とされています。正式な区分は製品説明書で確認し、上塗りの組み合わせも施工店に聞いておきましょう。関西ペイントの製品説明書には組み合わせる上塗りの製品名が挙げられているため、提案された上塗りがその中に入っているかを確かめると安心です。
主材を使うと費用は高くなりますか?
主材を塗る工程が加わるため、材料と手間の分だけ費用は増えるのが一般的です。一方で、既存の模様が崩れている外壁では、主材で模様をつくり直す提案もあります。上塗りだけの案と主材を使う案の両方を見積もってもらい、費用と仕上がりの違いを比べましょう。ひび割れや浮きがある場合は、主材の塗装前に行う補修の方法と費用を、別の項目で確認してください。
薄塗材と複層塗材は何が違いますか?
薄塗材は薄く仕上げる材料で、リシンや砂壁状の外壁などに使われます。複層塗材は下塗り・主材・上塗りを重ねて厚く仕上げる材料で、吹き付けタイルなどの外壁に使われます。どちらが使われているかで塗り替えの方法が変わるため、今の外壁の仕上げを施工店に確認してもらいましょう。新築時の仕様書に仕上げの名前が書かれていれば、施工店へ見せると判断が早くなります。
セラスカケンは色あせしにくいのですか?
エスケー化研は、セラスカケンは顔料を使っていないため長期間退色がないと説明しています。ただし、期待耐用年数は4〜6年とされており、色が保たれていても塗膜の保護機能の点検は必要です。塗り替えの時期は、汚れやひび割れの状態も含めて施工店に診断してもらいましょう。多彩色の模様を残したい場合は、クリヤーで保護できるかもあわせて相談してください。
まとめ
見積書の「主材」は、複層塗材で外壁の凹凸模様や厚みをつくる工程で、一般的な中塗りとは役割が違います。セラスカケンやソフトロールは薄塗材で、複層塗材の主材と同じ工程ではありません。製品ごとに JIS A 6909 の区分、塗装方法、適用下地を製品説明書で確認しましょう。
見積もりでは、主材を使うかどうかとその理由、製品名、模様、塗装方法、数量と単価を揃えて比べることが大切です。
主材を使うかどうかを揃えて比べる
外壁塗装見積ナビで見積もりを依頼する際は、今の外壁の模様の写真を伝え、各社に主材の有無と製品名、模様、塗装方法、面積と単価を示してもらいましょう。