打放しコンクリートのクリヤー材|アクアプリズム・プーレ・エクセラ
打放しコンクリートの外壁は、コンクリートそのものの質感が魅力です。色のついた塗料で塗りつぶすと、その質感は失われてしまいます。そこで使われるのが、透明なクリヤー仕上げ材や、表面に膜をつくらずに水をはじく浸透性の撥水材です。見積書に「アクアプリズム」「ファインプーレ」「水性エクセラ」といった製品名が並んでいても、それぞれ役割が違うため、何を塗る提案なのかを読み分ける必要があります。
この記事では、打放しコンクリート向けの代表的な製品を、メーカーの公表資料で比べ、見積もりで確認する点を整理します。打放しコンクリートの外壁の塗装費用や劣化の見方はコンクリート外壁塗装の費用、サイディングなどのクリヤー塗装は外壁のクリヤー塗装で扱っています。
撥水材かクリヤー仕上げかを揃えて見積もる
外壁塗装見積ナビで見積もりを依頼する際は、コンクリートの質感をどこまで残したいかを各社へ伝え、撥水材・クリヤー仕上げのどちらを使うか、製品名と工程を示してもらいましょう。
撥水材とクリヤー仕上げは役割が違う
打放しコンクリートの保護に使う製品は、大きく2つに分かれます。
| 種類 | しくみ | 見た目 | 代表的な製品 |
|---|---|---|---|
| 浸透性の撥水材(吸水防止材) | コンクリートに染み込み、表面に膜をつくらずに水をはじく | 塗装した感じがほとんど残らない | 水性エクセラ、アクアプリズム下塗(S) |
| クリヤー仕上げ | 透明な塗膜で表面を覆って保護する | つやの程度を選べる(つや有り・3分つや・つや消しなど) | アクアプリズム、ファインプーレシステム、水性DFプーレシステム |
関西ペイントの水性エクセラは、特殊アルコキシシランエマルション系の浸透撥水剤です。製品説明書では、表面に被膜を形成しないためコンクリートの意匠感を損ねないこと、コンクリートの保護と濡れ色の防止に優れること、水系でキシレン・トルエンなどを配合していないことを特長に挙げています。適用素材はコンクリート、モルタル、レンガ、素焼タイルです。
一方、クリヤー仕上げは、透明な塗膜で表面を覆うため、仕上がりに塗装の質感が出ます。撥水材とクリヤー仕上げでは製品ごとに保護できる範囲も違います。質感をどこまで残したいかに加え、汚れや中性化への対策としてメーカーがどの性能を示しているかを確認しましょう。
アクアプリズム(関西ペイント)
関西ペイントのアクアプリズムは、打放しコンクリート面の保護と仕上がり質感を目的とした水系のクリヤー仕上材です。カタログでは、1液形で可使時間の制限がないこと、ツヤムラが出にくいこと、基体樹脂がシリコン系またはフッ素系樹脂であること、コンクリートの質感に近づけた3分ツヤ程度の仕上がりになること、防藻・防カビ性を持つことを特長に挙げています。
吸い込みの大きい素地や低温時の施工では、下塗りにアクアプリズム下塗(S)を使うとしています。下塗(S)は特殊シラン系の撥水材(浸透性吸水防止材)で、製品説明書では、シラン成分がコンクリートに深く浸透して撥水層をつくること、エフロ(白い析出物)や凍害の防止効果があることを特長としています。下塗(S)だけは溶剤形のため、においへの配慮が必要な建物では、施工店に下塗りの種類を確認しましょう。
経年したコンクリート面の改修については、関西ペイントは別の工法のカタログを参照するよう案内しています。新築時の仕様と塗り替えの仕様は違うことがあるため、既存の汚れや補修の跡をどう扱うかを含めて提案してもらいましょう。
ファインプーレシステム・水性DFプーレシステム(日本ペイント)
日本ペイントのファインプーレシステムは、弱溶剤2液形のコンクリート生地仕上げクリヤー工法です。「ファインプーレガード」「ファインプーレコート」と、「ピュアライドUVプロテクト」シリーズのクリヤーを組み合わせて仕上げます。同社は、素材のぬれ肌を防いでコンクリートの素材感を生かした仕上がりが長期間得られること、防水性が高く中性化を抑制すること、エフロレッセンスの発生を抑えることなどを特長としています。つやは「つや有り」「3分つや有り」「つや消し」から選べます(つや消しはピュアライドUVプロテクトSiクリヤーのみ)。
水性DFプーレシステムは、同社の水性のフッ素系クリヤー工法で、ファインプーレガード(弱溶剤系)、「水性プーレコート」、水性DFプーレクリヤー・カラークリヤーで構成されています。高耐候性、中性化抑制、低汚染性、濡れ肌防止、防藻・防かび性を特長に挙げています。カラークリヤーを選べるため、コンクリートの色むらを少し整えたい場合の選択肢にもなります。
施工の条件と見積書で確認すること
打放しコンクリートのクリヤー仕上げは、施工の条件が仕上がりと持ちを左右します。関西ペイントの製品説明書では、低温時(5℃以下)や多湿時(85%以上)の塗装を避けること、コンクリートを十分に乾燥させてから塗ることを求めています。アクアプリズム下塗(S)は塗装後24時間は降雨に当たらないようにすること、水性エクセラは塗装後30分以上たった面に再塗装するとハジキが出るため必ず1回塗りで仕上げることとしています。
| 確認する欄 | 施工店に示してもらう内容 |
|---|---|
| 仕上げの種類 | 撥水材だけか、クリヤー仕上げか、カラークリヤーで色むらを整えるか |
| 製品と工程 | 下塗り・中塗り・上塗りの製品名と塗り回数 |
| つや | つや有り・3分つや・つや消しのどれか、見本板の有無 |
| 下地処理 | 汚れ・エフロ・既存の塗膜の除去、ひび割れや欠けの補修方法 |
| 施工条件 | 気温・湿度・降雨による中止の基準、乾燥の確認方法 |
打放しコンクリートの補修跡やひび割れの補修部分は、クリヤーで仕上げると色の違いが目立つことがあります。補修した部分をどう見せるのか、カラークリヤーで整えるのかを、仕上がりの見本とあわせて確認しましょう。同じ製品の施工実績も聞いておくと安心です。
よくある質問
打放しコンクリートは塗装しないといけませんか?
塗らなくてもすぐに建物が使えなくなるわけではありませんが、日本ペイントはクリヤー工法の特長として中性化の抑制やエフロレッセンスの抑制を挙げています。汚れや濡れ色、ひび割れが気になってきたら、撥水材やクリヤー仕上げで保護するかどうかを施工店に相談しましょう。今の状態を写真に残しておくと、比較がしやすくなります。
撥水材とクリヤー仕上げはどちらがよいですか?
質感をできるだけそのまま残したいなら浸透性の撥水材、透明な塗膜をつくって保護したいならクリヤー仕上げが選択肢になります。撥水材は表面に膜をつくらないため見た目の変化が小さく、クリヤー仕上げはつやの程度で見え方が変わります。保護性能は製品の資料で、仕上がりは見本板や試し塗りで確かめてから決めましょう。
クリヤー仕上げで補修の跡は隠れますか?
透明なクリヤーでは、補修の跡やひび割れの補修部分の色の違いは隠れにくいことがあります。日本ペイントの水性DFプーレシステムのようにカラークリヤーを選べる工法もあるため、補修した部分をどう見せたいかを施工店に伝え、見本で確認してもらいましょう。
打放しコンクリートのクリヤー仕上げは何年ごとに塗り替えますか?
使う製品と立地の条件で変わります。製品の期待耐用年数や保証の条件は、施工店に製品資料で示してもらいましょう。表面の撥水性が落ちて雨のあとに濡れ色が残るようになったり、汚れが目立ってきたりしたら、点検を依頼する目安になります。
撥水材は何回塗ればよいですか?
製品によって違います。関西ペイントの水性エクセラは、塗装後30分以上たった面に再塗装するとハジキが出るため、必ず1回塗りで仕上げるとしています。施工店が製品の説明書どおりの工程で塗るかを、見積書や工程表で確認しましょう。
まとめ
打放しコンクリートの保護には、表面に膜をつくらない浸透性の撥水材と、透明な塗膜で覆うクリヤー仕上げがあります。関西ペイントの水性エクセラは撥水材、アクアプリズムはクリヤー仕上材で、日本ペイントのファインプーレシステムや水性DFプーレシステムは下塗りから上塗りまでを組み合わせるクリヤー工法です。
見積もりでは、撥水材とクリヤー仕上げのどちらの提案か、製品名と工程、つや、下地処理、施工条件を揃えて比べましょう。補修跡の見え方も、見本で確認しておくことが大切です。
コンクリートの仕上げと工程を揃えて比べる
外壁塗装見積ナビで見積もりを依頼する際は、質感をどこまで残したいかを伝え、各社に撥水材・クリヤー仕上げの製品名、工程、つや、下地処理を示してもらいましょう。