水性セラタイトFとは|Siとの工程差と見積書の確認点
外壁塗装の見積書に「水性セラタイトF」とあるときは、塗料の名前だけでなく中塗りと上塗りに何を使うかを確認してください。エスケー化研の標準仕様では、F仕上げには「水性セラタイトF中塗材」と「水性セラタイトF」の二つが登場します。似た名前の水性セラタイトSiは、樹脂も標準工程も異なります。
この記事ではメーカーの製品情報とカタログを基に、FとSiの違い、期待耐用年数と設計価格の読み方、低汚染性を期待する場所の確認方法を整理します。フッ素樹脂塗料全般の特徴はフッ素塗料の記事も参考にしてください。「セラミック」と付く塗料全般の見方はセラミック塗料とはで整理しています。
上塗りの名前だけでなく工程をそろえる
外壁塗装見積ナビで見積もりを取る際は、外壁材と既存塗膜の情報を各社へ伝え、下塗り・中塗り・上塗りの正式名、施工面積、補修範囲を記載してもらいましょう。
水性セラタイトFはエスケー化研の二液形ふっ素塗料
水性セラタイトFの製造元はエスケー化研です。メーカーは「超低汚染型水性ふっ素樹脂塗料」として、内外装の上塗りに位置付けています。水性ですが、主剤と硬化剤を混ぜる二液形です。「水性だから一液」と読まないようにしましょう。適用下地にはコンクリート、セメントモルタル、押出成形セメント板、スレート板、ALCパネル、各種乾式ボード、旧塗膜などが挙がっています。
メーカーが示す低汚染性は、塗膜の低帯電性と親水性によって汚れの付着を抑え、雨による洗浄を期待する仕組みです。防かび・防藻性も特長に含まれます。ただし汚れの種類、雨の当たり方、壁の形状によって見え方は変わります。「超低汚染」という表示だけで、すべての壁面が汚れなくなるとは判断できません。
メーカーの製品情報は艶有り・半艶・3分艶を挙げています。つやを落としたい場合は希望する仕上がりを先に伝え、色とつやを同じ条件で見積もってもらいましょう。カタログは半艶や3分艶などで塗り継ぎ箇所に艶むらが出やすいとし、試し塗りを勧めています。
FとSiは樹脂に加えて標準工程が異なる
同シリーズの水性セラタイトSiは、メーカーが水性アクリルシリコン樹脂塗料と説明する別製品です。Fはふっ素樹脂、Siはアクリルシリコン樹脂で、どちらも水性二液形です。また「水性弾性セラタイトF・Si」は別製品です。メーカーは水性弾性セラタイトFについて、防水形複層仕上仕様で下地のひび割れに優れた追従性を示すと説明しています。ひび割れ追従性はこの仕様での説明なので、通常のFやSiの仕様へ混ぜないでください。
| 製品名 | メーカーが示す主な樹脂 | カタログの代表的な仕上げ工程 |
|---|---|---|
| 水性セラタイトF | ふっ素樹脂 | 専用のF中塗材を1回、F上塗材を1回 |
| 水性セラタイトSi | アクリルシリコン樹脂 | Si上塗材を2回 |
| 水性弾性セラタイトF・Si | ふっ素樹脂・アクリルシリコン樹脂 | 防水形複層仕上仕様など、弾性仕様の資料で別途確認 |
この表はメーカーのカタログに載る代表的な平滑仕上げなどの工程を簡略化したものです。実際の工程は下地や仕上げ仕様によって変わります。特にFの「中塗り1回+上塗り1回」を「Fを2回」と書き換えると材料の違いが消えてしまいます。見積書に「上塗り2回」とだけある場合は、各回の正式な製品名を聞きましょう。
メーカーはF中塗材の塗り残しが、剥離や性能不良の原因になると注意しています。またタッチアップ(補修塗り)には中塗材を使用せず、必ず上塗材を使用するよう示しています。色が似ていても役割は同じではありません。工事中の工程写真や材料缶の記録をどのように残すか、施工店へ確認できます。
期待耐用年数と設計価格は条件を付けて読む
エスケー化研の製品情報は、水性セラタイトFの期待耐用年数を15~20年としています。これは次の塗り替え時期の目安で、地域、立地条件、方角によって変わる参考値です。施工店の保証期間とは別の数字なので、「20年保証」と読み替えないでください。水性セラタイトSiのメーカー公表値は12~15年です。年数を比較するときは、製品名と下地・施工仕様もそろえます。
水性セラタイトFのメーカー掲載の設計価格は3,800円/㎡です。ただしこれは「複層塗材の上塗りに用いる場合」の価格で、300㎡以上を基準とする材工共の価格、下地調整費は含まないという条件が明記されています。Siの製品情報の設計価格は3,010円/㎡で、同じく複層塗材の上塗り、300㎡以上、下地調整費別の条件です。価格表の差額を戸建ての外壁面積に掛けても、実際の見積差額にはなりません。
戸建ての見積書には、足場、洗浄、シーリング、下地補修、付帯部、消費税などが加わります。各社の「㎡単価」がどこまで含むかも異なります。設計価格は同条件の製品仕様を確認する資料として使い、費用判断は工事範囲を分解した税込総額で行いましょう。必要なら外壁塗装の塗布量も照合します。
下地と施工面によって低汚染性の期待が変わる
メーカーの適用下地一覧にある素材でも、既存面の状態を見ずに同じ下塗りを選ぶことはできません。水性セラタイトFの製品情報は、下地に応じて適切な下塗材を選ぶよう示しています。カタログは光触媒・無機系コーティングのあるサイディングや無塗装板には、指定のエスケーハイブリッドシーラーEPOを用い、試験施工で付着性を確認するとしています。劣化したサイディングでも試験施工を求めています。
ALCなどの多孔質下地や、旧塗膜が剥がれている壁では、洗浄・除去・下地調整の内容が見積もりに反映されているか確認しましょう。上塗りのグレードを上げても、弱い旧塗膜の上に重ねればその層ごと剥がれる可能性があります。シーラー・プライマー・フィラーの違いを踏まえ、下塗り材の正式名と選定理由を聞いてください。
低汚染機能にも場所による限界があります。カタログは、雨が当たらない部位、窓まわりの水切りが不十分な箇所、汚れがたまりやすい目地の下、傾斜壁の下端などでは機能が十分に発揮されない場合を挙げています。鉄さびやシーリング材に由来する汚れにも注意が必要です。玄関ポーチの奥や深い軒下を「雨で自動的にきれいになる」と説明されたら、その面に雨が届くか現地で確かめましょう。
メーカーは中塗材・上塗材を均一に塗り、低汚染機能のために塗付量を確保することも重視しています。上塗りの材料名だけでなく、凹凸の多い壁で塗り残しをどう防ぐか、シーリングをどの材料で打ち替えるかを施工店に聞いてください。シーリング工事の確認点も参考になります。
見積書では三つの材料と対象面を並べる
Fを提案する会社とSiを提案する会社の価格差は、樹脂だけでなく工程、下塗り、補修範囲、施工面積を分けて読みます。まず、同じ外壁の同じ面積を塗る提案かを確認しましょう。片方だけベランダ内壁や付帯部を含むと、総額の比較はできません。
| 確認項目 | 提案書に必要な記載 |
|---|---|
| 外壁の状態 | 外壁材の種類・品番、旧塗膜の剥がれ、特殊表面加工、補修箇所の写真 |
| 下塗り | 製品名と選定理由、試験施工や目荒しの要否 |
| 中塗り・上塗り | F中塗材とF上塗材の区別、各回の塗装面積・使用量 |
| 仕上がり | 色、艶有り・半艶・3分艶、試し塗りの方法 |
| 低汚染性 | 雨の当たりにくい面、窓・目地・さび・シーリング周辺の扱い |
| 費用・保証 | 足場、下地調整、付帯部、税を含む総額と保証対象・期間 |
「セラタイトF一式」とだけ書かれた見積書は、F中塗材の有無も下塗り材も分かりません。施工店へ工程ごとの材料名と数量を追記してもらいましょう。水性二液形の塗料は混合後に使用できる時間が限られ、メーカーのカタログは塗料温度23℃で可使時間5時間を示しています。施工管理を尋ねる場合は、その日の混合量と残材の扱いも確認できます。
よくある質問
水性セラタイトFの見積もりは、シリーズ名だけで判断せず、F中塗材とF上塗材を分けて確認します。年数と価格もメーカーが付けた条件と一緒に読みましょう。
水性セラタイトFはどこのメーカーの塗料ですか?
エスケー化研の製品です。メーカーは水性二液形のふっ素樹脂塗料として掲載し、同じシリーズに水性セラタイトSiや弾性タイプも用意しています。「セラタイト」と省略すると製品を特定できないため、見積書では「水性セラタイトF」と正式名を記載してもらい、中塗材と上塗材を分けてください。缶のラベルと提案書も照合できます。
水性セラタイトFと水性セラタイトSiは何が違いますか?
Fはふっ素樹脂、Siはアクリルシリコン樹脂を主要成分とする別製品です。メーカーの代表的な標準仕様では、Fは専用のF中塗材1回とF上塗材1回、SiはSi上塗材2回です。製品情報に載る期待耐用年数もFは15~20年、Siは12~15年ですが、いずれも次回塗り替え時期の参考値です。下地と工事範囲が違えば、年数だけでは提案の優劣は決められません。
水性セラタイトFの㎡単価はいくらですか?
メーカーの製品情報にある設計価格は3,800円/㎡です。ただし複層塗材の上塗りに用い、300㎡以上を基準とした材工共の価格で、下地調整費は含みません。戸建ての足場、洗浄、シーリング、補修、付帯部を含む見積単価や総額とは異なります。施工店には見積書の㎡単価に何が入るか確認しましょう。施工面積も実測方法をそろえると比較しやすくなります。
水性セラタイトFは何年持ちますか?
メーカーの期待耐用年数は15~20年です。これは次の塗り替え時期の目安であり、立地、方角、下地の状態などで変わります。年数内に汚れや傷みが出ないという保証ではありません。施工店の保証対象と期間、定期点検の内容は別に書面で確認してください。シーリングや付帯部は塗膜と保証条件が異なる場合があります。
水性セラタイトFなら雨が当たらない壁もきれいになりますか?
メーカーのカタログは、雨が当たらない部位や水切りが不十分な窓まわりなどでは、低汚染機能が十分に発揮されない場合があると注意しています。低汚染性はすべての汚れを消す機能ではなく、さびやシーリング由来の汚れも別に考える必要があります。気になる面を施工店に示し、汚れの原因と水の流れを確認しましょう。壁面ごとに写真を残しておくと説明を比べやすくなります。
水性セラタイトFは下塗りなしで塗れますか?
メーカーは下地に合った下塗材の選定を求めています。特に光触媒や無機系の表面加工があるサイディング、無塗装板では、カタログに指定の下塗材と試験施工の指示があります。旧塗膜が弱い面も補修や付着確認が必要です。見積書で下塗りの正式名が省略されていたら、外壁材と旧塗膜をどう判断したか聞いてください。板の品番が分かる資料も共有しましょう。
まとめ
水性セラタイトFはエスケー化研の水性二液形ふっ素塗料です。Siや弾性タイプとは製品を分け、F中塗材とF上塗材の両方が見積書にあるか確認してください。メーカーの期待耐用年数15~20年と設計価格3,800円/㎡は、いずれも条件付きの数字です。
低汚染性は雨の当たり方や壁の形状にも左右されます。外壁材と旧塗膜、下塗り、施工面積、塗付量、補修範囲をそろえ、各社がどの面にどんな仕様を選んだか比べましょう。
Fの中塗りと上塗りを分けて比較する
外壁塗装見積ナビで見積もりを集めるときは、下塗材・F中塗材・F上塗材の正式名、部位別面積、補修範囲、税込総額、保証条件を各社に書いてもらいましょう。